◇第99回関西学生陸上競技対校選手権大会(5月25日~28日/京都・たけびしスタジアム京都)
晴天に恵まれた関西インカレ最終日。女子400mハードルは、昨年の日本選手権覇者・山本亜美(立命大)がセカンドベスト、今季日本最高の57秒29で連覇を果たした。
4レーンからスタートした山本。「木南記念、静岡国際と続いたグランプリシリーズで浮き彫りとなった前半の練習をしっかり積んできました」と話す通り、5台目まで16歩のスイッチで通す前半でしっかりスピードに乗る。そして、得意の後半で他を圧倒した。チームメイトで同期の工藤芽衣が58秒30で2位、辻井美緒(大教大)が58秒60で3位と好タイムで続いたが、その2人にも1秒以上の差を付ける「圧勝」だった。
京都橘高では2年で国体を制し、3年では全国高校大会を制覇した逸材。自己ベストは、昨年の日本選手権の予選で出したU20日本歴代2位の57秒04。決勝でも57秒30と好タイムを並べ、大学1年生にして一躍日本の頂点に立っている。それ以来となる57秒台前半のタイムを、バックストレートが強い向かい風となる悪条件下で出し、「これでやっと自信を持って日本選手権に臨めます。今日は風も強かったので、コンディションさえ整えば56秒台も狙える」と山本は笑顔が弾けた。
前日の予選では「調子も上がってきていたので56秒台を狙うつもりでスタートしましたが、1台目を跳び終えて『あかんわ』という感覚になり、1分以上(60秒40)かかって落ち込みました」。しかし、「今日は『思い切って前半から行くしかない』と突っ込んで入りました」と、開き直って臨んだことが功を奏した。
「冬季は積極的にハードル練習に取り組んできた」と言うだけあり、昨年までややぎこちなかった逆足踏み切りのハードリングもスムーズ。「昨年、54秒台(54秒84)を出せた400mのスピードをようやく400mハードルに生かせるようになりました」と好調の要因を口にする。
ルーキーイヤーだった昨年、「4連覇を目指します」と宣言していた。「まずは2連覇を果たせて良かったです」とホッとした様子も見つつ、「来年、再来年も続けられるよう、体調に気をつけてがんばりたい」と意気込みを語る。
関西をステップに、次のターゲットは2週間後の日本選手権。「連覇できるよう、今回の教訓を生かし心も身体もしっかり準備して臨みたいです」と力強く話した。
大会を締めくくる4×400mリレーでも、2走を担って3分40秒86での優勝の原動力となり、2冠獲得でチームの2年ぶり9度目の総合優勝に貢献した。
文/花木 雫
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
-
2024.12.12
-
2024.12.12
-
2024.12.11
2024.12.07
不破聖衣来が10000mに出場し12位でフィニッシュ 完全復活へ実戦積む/エディオンDC
-
2024.11.24
-
2024.11.20
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.12.12
日本GPシリーズチャンピオンは福部真子と筒江海斗!種目別800mは落合晃&久保凛の高校日本記録保持者コンビがV、女子1500m田中希実が4連覇
日本グランプリ(GP)シリーズ2024のシリーズチャンピオンが発表され、男子は400mハードルの筒江海斗(ST-WAKO)、女子は100mハードルの福部真子(日本建設工業)と、ともにパリ五輪のハードル種目代表が初の栄冠に […]
2024.12.12
世界陸連が6つの世界記録を承認 川野将虎が男子35km初代世界記録保持者に
12月11日、世界陸連は5月から10月にかけて誕生した世界記録を正式に承認したことを発表した。 10月27日の日本選手権35km競歩(山形・高畠)で、川野将虎(旭化成)が樹立した2時間21分47秒も世界記録として認定。同 […]
2024.12.12
月刊陸上競技2025年1月号
Contents W別冊付録 箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望 大会報道 福岡国際マラソン 吉田祐也 日本歴代3位の激走 涙の復活劇 全日本実業団対抗女子駅伝 JP日本郵政グループ 4年ぶりV 地域実業団駅伝 中学 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会