HOME ニュース、国内

2022.05.29

日本選手権女王・山本亜美が400mH2連覇!今季日本最高の57秒29で2年連続日本一へ「しっかり準備して臨みたい」/関西インカレ
日本選手権女王・山本亜美が400mH2連覇!今季日本最高の57秒29で2年連続日本一へ「しっかり準備して臨みたい」/関西インカレ


◇第99回関西学生陸上競技対校選手権大会(5月25日~28日/京都・たけびしスタジアム京都)

晴天に恵まれた関西インカレ最終日。女子400mハードルは、昨年の日本選手権覇者・山本亜美(立命大)がセカンドベスト、今季日本最高の57秒29で連覇を果たした。

広告の下にコンテンツが続きます

4レーンからスタートした山本。「木南記念、静岡国際と続いたグランプリシリーズで浮き彫りとなった前半の練習をしっかり積んできました」と話す通り、5台目まで16歩のスイッチで通す前半でしっかりスピードに乗る。そして、得意の後半で他を圧倒した。チームメイトで同期の工藤芽衣が58秒30で2位、辻井美緒(大教大)が58秒60で3位と好タイムで続いたが、その2人にも1秒以上の差を付ける「圧勝」だった。

京都橘高では2年で国体を制し、3年では全国高校大会を制覇した逸材。自己ベストは、昨年の日本選手権の予選で出したU20日本歴代2位の57秒04。決勝でも57秒30と好タイムを並べ、大学1年生にして一躍日本の頂点に立っている。それ以来となる57秒台前半のタイムを、バックストレートが強い向かい風となる悪条件下で出し、「これでやっと自信を持って日本選手権に臨めます。今日は風も強かったので、コンディションさえ整えば56秒台も狙える」と山本は笑顔が弾けた。

前日の予選では「調子も上がってきていたので56秒台を狙うつもりでスタートしましたが、1台目を跳び終えて『あかんわ』という感覚になり、1分以上(60秒40)かかって落ち込みました」。しかし、「今日は『思い切って前半から行くしかない』と突っ込んで入りました」と、開き直って臨んだことが功を奏した。

「冬季は積極的にハードル練習に取り組んできた」と言うだけあり、昨年までややぎこちなかった逆足踏み切りのハードリングもスムーズ。「昨年、54秒台(54秒84)を出せた400mのスピードをようやく400mハードルに生かせるようになりました」と好調の要因を口にする。

広告の下にコンテンツが続きます

ルーキーイヤーだった昨年、「4連覇を目指します」と宣言していた。「まずは2連覇を果たせて良かったです」とホッとした様子も見つつ、「来年、再来年も続けられるよう、体調に気をつけてがんばりたい」と意気込みを語る。

関西をステップに、次のターゲットは2週間後の日本選手権。「連覇できるよう、今回の教訓を生かし心も身体もしっかり準備して臨みたいです」と力強く話した。

大会を締めくくる4×400mリレーでも、2走を担って3分40秒86での優勝の原動力となり、2冠獲得でチームの2年ぶり9度目の総合優勝に貢献した。

文/花木 雫

◇第99回関西学生陸上競技対校選手権大会(5月25日~28日/京都・たけびしスタジアム京都) 晴天に恵まれた関西インカレ最終日。女子400mハードルは、昨年の日本選手権覇者・山本亜美(立命大)がセカンドベスト、今季日本最高の57秒29で連覇を果たした。 4レーンからスタートした山本。「木南記念、静岡国際と続いたグランプリシリーズで浮き彫りとなった前半の練習をしっかり積んできました」と話す通り、5台目まで16歩のスイッチで通す前半でしっかりスピードに乗る。そして、得意の後半で他を圧倒した。チームメイトで同期の工藤芽衣が58秒30で2位、辻井美緒(大教大)が58秒60で3位と好タイムで続いたが、その2人にも1秒以上の差を付ける「圧勝」だった。 京都橘高では2年で国体を制し、3年では全国高校大会を制覇した逸材。自己ベストは、昨年の日本選手権の予選で出したU20日本歴代2位の57秒04。決勝でも57秒30と好タイムを並べ、大学1年生にして一躍日本の頂点に立っている。それ以来となる57秒台前半のタイムを、バックストレートが強い向かい風となる悪条件下で出し、「これでやっと自信を持って日本選手権に臨めます。今日は風も強かったので、コンディションさえ整えば56秒台も狙える」と山本は笑顔が弾けた。 前日の予選では「調子も上がってきていたので56秒台を狙うつもりでスタートしましたが、1台目を跳び終えて『あかんわ』という感覚になり、1分以上(60秒40)かかって落ち込みました」。しかし、「今日は『思い切って前半から行くしかない』と突っ込んで入りました」と、開き直って臨んだことが功を奏した。 「冬季は積極的にハードル練習に取り組んできた」と言うだけあり、昨年までややぎこちなかった逆足踏み切りのハードリングもスムーズ。「昨年、54秒台(54秒84)を出せた400mのスピードをようやく400mハードルに生かせるようになりました」と好調の要因を口にする。 ルーキーイヤーだった昨年、「4連覇を目指します」と宣言していた。「まずは2連覇を果たせて良かったです」とホッとした様子も見つつ、「来年、再来年も続けられるよう、体調に気をつけてがんばりたい」と意気込みを語る。 関西をステップに、次のターゲットは2週間後の日本選手権。「連覇できるよう、今回の教訓を生かし心も身体もしっかり準備して臨みたいです」と力強く話した。 大会を締めくくる4×400mリレーでも、2走を担って3分40秒86での優勝の原動力となり、2冠獲得でチームの2年ぶり9度目の総合優勝に貢献した。 文/花木 雫

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.07.06

男子三段跳は山下航平が6年ぶりの王座奪還 開催国枠設定記録に到達の16m67で世界陸上出場に望み/日本選手権

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 2日目 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子三段跳は16年リオ五輪代表の山下航平(ANA)が16m67(+0.4)を跳び、19年以来6年ぶ […]

NEWS 鵜澤飛羽が200m日本人初19秒台なるか?田中希実が4年連続2冠に挑戦、大激戦の女子100mHなど最終日は決勝ラッシュ/日本選手権

2025.07.06

鵜澤飛羽が200m日本人初19秒台なるか?田中希実が4年連続2冠に挑戦、大激戦の女子100mHなど最終日は決勝ラッシュ/日本選手権

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の最終日3日目(7月6日)が行われる。 広告の下にコンテンツが続きます 注目は男子200m決勝。3連覇を目指す鵜澤飛 […]

NEWS 34歳・新井涼平が今季限りで現役引退へ リオ五輪決勝、オーバートレーニング「喜怒哀楽すべてを経験した競技人生」/日本選手権

2025.07.06

34歳・新井涼平が今季限りで現役引退へ リオ五輪決勝、オーバートレーニング「喜怒哀楽すべてを経験した競技人生」/日本選手権

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 2日目 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子やり投の新井涼平(スズキ)が“最後の日本選手権”を74m71の8位で終えた。 広告の下にコンテ […]

NEWS 男子100m・桐生祥秀が5年ぶり3回目の日本一! 11回目の決勝で自信みなぎる走りを披露/日本選手権

2025.07.06

男子100m・桐生祥秀が5年ぶり3回目の日本一! 11回目の決勝で自信みなぎる走りを披露/日本選手権

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 2日目 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子100mは桐生祥秀(日本生命)が10秒23(+0.4)で5年ぶり3回目の優勝を遂げた。 広告の […]

NEWS 男子110mH・泉谷駿介 レース前のアクシデント乗り越え、2年ぶりに王者奪還! 2位・野本周成とともに代表内定決める/日本選手権

2025.07.06

男子110mH・泉谷駿介 レース前のアクシデント乗り越え、2年ぶりに王者奪還! 2位・野本周成とともに代表内定決める/日本選手権

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 2日目 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子110mハードルで泉谷駿介(住友電工)が13秒22(+0.8)で2年ぶり4回目の優勝を飾った。 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top