昨年3月に登場して以来、多くのランナーの自己記録更新をサポートしてきたアシックスのレーシングシューズがアップデート。ストライド型走法に対応するMETASPEED™ SKY+(メタスピードスカイプラス)、ピッチ型走法に対応するMETASPEED™ EDGE+(メタスピードエッジプラス)が6月に発売される。その発表があった翌日の4月24日にはスペイン南部に位置するリゾート地・マラガでレースイベント「Meta : Time: Trials」が開催され、世界各地から集まったトップアスリートが「METASPEED™+」シリーズを履いて出走。79人のうち27人が自己ベストをマークし、METASPEED™+の実力を証明した。
世界的なリゾート地であるマラガのメインストリートに1周2340.58mの特設周回コースを作ってレースが行われた PHOTO;©albindurand
トップアスリートが集結したレース
METASPEED™+で自己新が続出
20世紀を代表する美術家、パブロ・ピカソの出身地としても知られるスペインのマラガに、世界各地からトップランナーが集結。アシックスの主催で世界陸連公認レース「Meta : Time : Trials」が開催された。出場した79人のトップランナーはみな「METASPEED™+(メタスピードプラス)」シリーズを着用し、ハーフマラソン、10km、5kmの各種目で自己ベストを目指して力走した。
女子5kmでは、昨年の東京五輪に5000mと10000mの2種目で出場したエイリッシュ・マッコルガン(英国)が、欧州記録にあと1秒と迫る14分45秒の英国新記録を樹立。2月にもMETASPEED™+のプロトタイプを履いてハーフマラソンで1時間6分26秒の英国新記録をマークしており、絶好調を維持している。男子5kmは地元・スペインのモハメド・カティルが独走ながら欧州記録にあと2秒と迫る13分20秒の好記録で1着だった。
男子ハーフマラソンでは、3週間前のパリ・マラソンで2時間6分55秒をマークしたモハメド・レダ・エル・アーラビー(モロッコ)が、59分54秒の自己新記録で優勝。他の種目も合わせると出場79人のうち実に27人が自己新記録をマークし、さらには4つのナショナルレコードが打ち立てられた。なお、日本からは川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)が10kmに出場予定だったが、PCR検査で新型コロナウイルスの陽性反応が出たことから、残念ながら欠場となった。
「Meta : Time : Trials」ではエイリッシュ・マッコルガン(英国、左)が女子5kmで14分45秒の英国新記録を樹立。男子ハーフマラソンではモハメド・レダ・エル・アーラビー(モロッコ)が59分54秒の自己新でトップを占めるなど好記録が続出した PHOTO;©albindurand
「Meta : Time : Trials」は、アシックスの最新シューズ「METASPEED™+」シリーズの発表イベントの一環として行われ、世界のトップランナーたちはストライド型に対応したMETASPEED™ SKY+、ピッチ型に対応したMETASPEED™ EDGE+のいずれかを履いていた。地中海に面したマラガの街に燦々と陽光が降り注ぐなか、濃い樹木の緑に負けじと、緑系のベルベットパインのシューズが映えた。
フォーム材の増量で反発性アップ
各走法への対応力もさらに向上
昨年度のロードレースのシーンでたびたび話題を集めたアシックスの次世代レーシングシューズ「METASPEED™(メタスピード)」シリーズ。アシックスはランナーを走法によって大きく2つに分類。スピードを上げる際、主にストライドが変化するランナーを「ストライド型」、ピッチとストライドの両方が変化するランナーを「ピッチ型」とし、それぞれの走法に合わせてストライド型の「METASPEED™ Sky」、ピッチ型の「METASPEED™ Edge」という2モデルを用意して多くのランナーの自己ベストをサポートしてきた。そして今年、「METASPEED™」シリーズに改良を加えた「METASPEED™+」シリーズが登場する。そのプロトタイプはSNSなどでも話題になっていたが、4月23日に製品版が初披露され、翌日の「Meta : Time : Trials」で性能が実証された。
アシックスが独自に開発した軽量ミッドソールフォーム材の中で最も優れた反発性をもつ素材「FF BLAST TURBO(エフエフブラストターボ)」をミッドソールの全面に採用し、走法に応じてFF BLAST TURBOの厚みや靴底前部のカーブの角度を調整しているという基本設計は「METASPEED™」シリーズから変わらない。その上で、レースを通じて蓄積したトップアスリートのデータを活用し、さらなる高速化を追求して改良がなされた。ストライド型向けのMETASPEED™ SKY+、ピッチ型向けのMETASPEED™ EDGE+ともFF BLAST TURBOが前作よりも増量。さらに、カーボンプレートが配置されている位置が大きく変わった。
METASPEED™+の詳細はこちら
METASPEED™ SKY+はカーボンプレートをフラットな形状とし、前作よりも高い位置に配している。これによって、より多くの量のフォーム材を圧縮できるようになり、反発性がいっそう高まった。FF BLAST TURBOは前作よりも約4%増えている。
METASPEED™ EDGE+はFF BLAST TURBOを前作よりも約16%も増量。一方で、METASPEED™ SKY+とは逆にカーボンプレートを前作よりも低い位置に内蔵している。これはピッチ型の場合、プレートの位置を高くするとフォーム材全体を圧縮する力が足りず、フォーム材の特性を生かせないからだ。このため、プレートの位置を低くすることで効果的に身体を前方向に推進できるという。
「初代から進化しているのを感じる。ミッドソールの厚みが増し、しっかりと弾むので、無駄な力を使わず自然に脚が進むのを実感できる。私と同じように、過去の自分を超えたい、現状打破したい、というランナーに履いてほしい。タイプ別に用意されているので、自分に合ったものをしっかりと見極めてほしい」
こう語るのは、METASPEED™+をプロトタイプから着用してきた川内。METASPEED™シリーズを味方につけて35歳になってなお衰えを知らない。中高生に対しては「METASPEED™+は駅伝にもお薦めです」と言う。
発売は6月中旬。今年度のロードレースでもMETASPEED™+が話題を集めそうだ。
Athletes’ Voice
細谷恭平(黒崎播磨)
「反発性が向上しており、スピードを維持することができます。フィット感も前作より向上し、クッション性と安定性が両立され、レース後半でも脚への負担が軽減されているように感じます」
ジュリアン・ワンダース(スイス)
「前作よりも強い跳ね返りと軽さを感じました。走った後も脚への負担が軽減されたように感じます」
<関連リンク>
METASPEED™+特設サイト(「META : Time : Trials」)のリザルトも掲載
トップアスリートが集結したレース METASPEED™+で自己新が続出
20世紀を代表する美術家、パブロ・ピカソの出身地としても知られるスペインのマラガに、世界各地からトップランナーが集結。アシックスの主催で世界陸連公認レース「Meta : Time : Trials」が開催された。出場した79人のトップランナーはみな「METASPEED™+(メタスピードプラス)」シリーズを着用し、ハーフマラソン、10km、5kmの各種目で自己ベストを目指して力走した。 女子5kmでは、昨年の東京五輪に5000mと10000mの2種目で出場したエイリッシュ・マッコルガン(英国)が、欧州記録にあと1秒と迫る14分45秒の英国新記録を樹立。2月にもMETASPEED™+のプロトタイプを履いてハーフマラソンで1時間6分26秒の英国新記録をマークしており、絶好調を維持している。男子5kmは地元・スペインのモハメド・カティルが独走ながら欧州記録にあと2秒と迫る13分20秒の好記録で1着だった。 男子ハーフマラソンでは、3週間前のパリ・マラソンで2時間6分55秒をマークしたモハメド・レダ・エル・アーラビー(モロッコ)が、59分54秒の自己新記録で優勝。他の種目も合わせると出場79人のうち実に27人が自己新記録をマークし、さらには4つのナショナルレコードが打ち立てられた。なお、日本からは川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)が10kmに出場予定だったが、PCR検査で新型コロナウイルスの陽性反応が出たことから、残念ながら欠場となった。 「Meta : Time : Trials」ではエイリッシュ・マッコルガン(英国、左)が女子5kmで14分45秒の英国新記録を樹立。男子ハーフマラソンではモハメド・レダ・エル・アーラビー(モロッコ)が59分54秒の自己新でトップを占めるなど好記録が続出した PHOTO;©albindurand 「Meta : Time : Trials」は、アシックスの最新シューズ「METASPEED™+」シリーズの発表イベントの一環として行われ、世界のトップランナーたちはストライド型に対応したMETASPEED™ SKY+、ピッチ型に対応したMETASPEED™ EDGE+のいずれかを履いていた。地中海に面したマラガの街に燦々と陽光が降り注ぐなか、濃い樹木の緑に負けじと、緑系のベルベットパインのシューズが映えた。フォーム材の増量で反発性アップ 各走法への対応力もさらに向上
昨年度のロードレースのシーンでたびたび話題を集めたアシックスの次世代レーシングシューズ「METASPEED™(メタスピード)」シリーズ。アシックスはランナーを走法によって大きく2つに分類。スピードを上げる際、主にストライドが変化するランナーを「ストライド型」、ピッチとストライドの両方が変化するランナーを「ピッチ型」とし、それぞれの走法に合わせてストライド型の「METASPEED™ Sky」、ピッチ型の「METASPEED™ Edge」という2モデルを用意して多くのランナーの自己ベストをサポートしてきた。そして今年、「METASPEED™」シリーズに改良を加えた「METASPEED™+」シリーズが登場する。そのプロトタイプはSNSなどでも話題になっていたが、4月23日に製品版が初披露され、翌日の「Meta : Time : Trials」で性能が実証された。 アシックスが独自に開発した軽量ミッドソールフォーム材の中で最も優れた反発性をもつ素材「FF BLAST TURBO(エフエフブラストターボ)」をミッドソールの全面に採用し、走法に応じてFF BLAST TURBOの厚みや靴底前部のカーブの角度を調整しているという基本設計は「METASPEED™」シリーズから変わらない。その上で、レースを通じて蓄積したトップアスリートのデータを活用し、さらなる高速化を追求して改良がなされた。ストライド型向けのMETASPEED™ SKY+、ピッチ型向けのMETASPEED™ EDGE+ともFF BLAST TURBOが前作よりも増量。さらに、カーボンプレートが配置されている位置が大きく変わった。 METASPEED™+の詳細はこちら METASPEED™ SKY+はカーボンプレートをフラットな形状とし、前作よりも高い位置に配している。これによって、より多くの量のフォーム材を圧縮できるようになり、反発性がいっそう高まった。FF BLAST TURBOは前作よりも約4%増えている。 METASPEED™ EDGE+はFF BLAST TURBOを前作よりも約16%も増量。一方で、METASPEED™ SKY+とは逆にカーボンプレートを前作よりも低い位置に内蔵している。これはピッチ型の場合、プレートの位置を高くするとフォーム材全体を圧縮する力が足りず、フォーム材の特性を生かせないからだ。このため、プレートの位置を低くすることで効果的に身体を前方向に推進できるという。 「初代から進化しているのを感じる。ミッドソールの厚みが増し、しっかりと弾むので、無駄な力を使わず自然に脚が進むのを実感できる。私と同じように、過去の自分を超えたい、現状打破したい、というランナーに履いてほしい。タイプ別に用意されているので、自分に合ったものをしっかりと見極めてほしい」 こう語るのは、METASPEED™+をプロトタイプから着用してきた川内。METASPEED™シリーズを味方につけて35歳になってなお衰えを知らない。中高生に対しては「METASPEED™+は駅伝にもお薦めです」と言う。 発売は6月中旬。今年度のロードレースでもMETASPEED™+が話題を集めそうだ。Athletes' Voice
細谷恭平(黒崎播磨) 「反発性が向上しており、スピードを維持することができます。フィット感も前作より向上し、クッション性と安定性が両立され、レース後半でも脚への負担が軽減されているように感じます」 ジュリアン・ワンダース(スイス) 「前作よりも強い跳ね返りと軽さを感じました。走った後も脚への負担が軽減されたように感じます」 <関連リンク> METASPEED™+特設サイト(「META : Time : Trials」)のリザルトも掲載
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