HOME 国内、大学

2022.03.14

負けん気強いルーキー平林清澄が学生の頂点に!「絶対トップは僕だと思っていた」/日本学生ハーフ
負けん気強いルーキー平林清澄が学生の頂点に!「絶対トップは僕だと思っていた」/日本学生ハーフ

◇第25回日本学生ハーフマラソン選手権(3月13日/東京・立川市)

広告の下にコンテンツが続きます

3月13日に開催された第25回日本学生ハーフマラソンは、國學院大のルーキー・平林清澄が1時間1分50秒で優勝した。

5kmの通過が14分29秒と、ハイペース気味に進んだレース。速いペースで押し切る走りを得意とする平林にとって理想の展開となった。先頭集団で走っていた平林は「17kmぐらいから前に出よう」とレースプランを描いていた。しかし、立川市街から公園内に入った14km付近で、ともに集団を形成していた富田峻平(明大3)、吉田礼志(中央学大1)がきつそうにしているのを感じ取り、「ちょっとペースを上げたら、(誰もついてこなかったので)そのまま行ってしまった」と前に出た。

単独走となった後は徐々に後続を突き放し、最後は雄叫びを上げながらフィニッシュ。2位だった同じく國學院大の先輩・中西大翔(たいが/3年)を迎え、がっしりと抱擁を交わした。

「トップを取ったのは過去に1回、2回くらいしかないので、それがいきなり全国の1位になるなんて……。今日は学生トップと言われるような選手は出ていませんが、その中で結果としてかたちに残せたのは自身の成長を感じました」

広告の下にコンテンツが続きます

平林は國學院大のルーキーの中でただ一人、三大駅伝すべてに出場。出雲駅伝ではアンカー6区で区間5位、全日本大学駅伝では長距離区間(17.6km)の7区で区間3位、箱根駅伝では9区区間2位と安定した成績を残した。

しかし、各レースとも終盤でペースが落ちることを課題としていた。それを克服するため、終了後に流し(7~8割の力でダッシュ)を積極的に入れるなど、スピードを意識しながら少しずつ磨きをかけてきた。それが今回の逃げ切り勝ちにつながったが、「まだラスト1km、上がりきっていないので、そこはまだまだ課題かな」とまだまだ伸びしろを自覚している様子だ。

この大会は6月末から中国・成都で開催予定のFISUワールドユニバーシティゲームズの代表選考も兼ねており、2位の中西、3位の松山和希(東洋大2)までが日本代表に内定した。

前回、2019年にナポリで開催されたユニバーシアードでは、東洋大の相澤晃(現・旭化成)、駒大の中村大聖(現・ヤクルト)、東京国際大の伊藤達彦(現・Honda)の3人が表彰台を独占した。平林の頭の中にも当然そのことがある。「まず世界を経験することが第一ですが、自分も同じようなレベルで戦っていきたい」ときっぱり。「メダルを狙う」と目標を口にした。

今回、主将の中西とワンツーフィニッシュとなったが、レース前には中西、伊地知賢造(2年)と「お互いがんばろう、ワンツースリー取れればいいね」と話していたという。

「でも僕は心の中で『絶対トップは譲らん』と思ってました。ワンツーであろうと、絶対トップは僕だと思っていたので、勝てて良かったなと思います」

先輩だろうと負けない。負けん気の強いルーキーは、4月から2年生になる。「自分のことだけではなく、チームのことも考えていかないと」と後輩を持つことの自覚も話す。國學院躍進の重要なカギとなることは間違いない。今後も平林清澄の快進撃に注目だ。

文/藤井みさ

◇第25回日本学生ハーフマラソン選手権(3月13日/東京・立川市) 3月13日に開催された第25回日本学生ハーフマラソンは、國學院大のルーキー・平林清澄が1時間1分50秒で優勝した。 5kmの通過が14分29秒と、ハイペース気味に進んだレース。速いペースで押し切る走りを得意とする平林にとって理想の展開となった。先頭集団で走っていた平林は「17kmぐらいから前に出よう」とレースプランを描いていた。しかし、立川市街から公園内に入った14km付近で、ともに集団を形成していた富田峻平(明大3)、吉田礼志(中央学大1)がきつそうにしているのを感じ取り、「ちょっとペースを上げたら、(誰もついてこなかったので)そのまま行ってしまった」と前に出た。 単独走となった後は徐々に後続を突き放し、最後は雄叫びを上げながらフィニッシュ。2位だった同じく國學院大の先輩・中西大翔(たいが/3年)を迎え、がっしりと抱擁を交わした。 「トップを取ったのは過去に1回、2回くらいしかないので、それがいきなり全国の1位になるなんて……。今日は学生トップと言われるような選手は出ていませんが、その中で結果としてかたちに残せたのは自身の成長を感じました」 平林は國學院大のルーキーの中でただ一人、三大駅伝すべてに出場。出雲駅伝ではアンカー6区で区間5位、全日本大学駅伝では長距離区間(17.6km)の7区で区間3位、箱根駅伝では9区区間2位と安定した成績を残した。 しかし、各レースとも終盤でペースが落ちることを課題としていた。それを克服するため、終了後に流し(7~8割の力でダッシュ)を積極的に入れるなど、スピードを意識しながら少しずつ磨きをかけてきた。それが今回の逃げ切り勝ちにつながったが、「まだラスト1km、上がりきっていないので、そこはまだまだ課題かな」とまだまだ伸びしろを自覚している様子だ。 この大会は6月末から中国・成都で開催予定のFISUワールドユニバーシティゲームズの代表選考も兼ねており、2位の中西、3位の松山和希(東洋大2)までが日本代表に内定した。 前回、2019年にナポリで開催されたユニバーシアードでは、東洋大の相澤晃(現・旭化成)、駒大の中村大聖(現・ヤクルト)、東京国際大の伊藤達彦(現・Honda)の3人が表彰台を独占した。平林の頭の中にも当然そのことがある。「まず世界を経験することが第一ですが、自分も同じようなレベルで戦っていきたい」ときっぱり。「メダルを狙う」と目標を口にした。 今回、主将の中西とワンツーフィニッシュとなったが、レース前には中西、伊地知賢造(2年)と「お互いがんばろう、ワンツースリー取れればいいね」と話していたという。 「でも僕は心の中で『絶対トップは譲らん』と思ってました。ワンツーであろうと、絶対トップは僕だと思っていたので、勝てて良かったなと思います」 先輩だろうと負けない。負けん気の強いルーキーは、4月から2年生になる。「自分のことだけではなく、チームのことも考えていかないと」と後輩を持つことの自覚も話す。國學院躍進の重要なカギとなることは間違いない。今後も平林清澄の快進撃に注目だ。 文/藤井みさ

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.23

箱根駅伝Stories/3度目の山で伝説を作る早大・工藤慎作 スピードに磨き「ストロングポイントとして活躍を」

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 中学では当初卓球部を希望 「いよいよ始まるなっていうところで、純粋に […]

NEWS 箱根駅伝Stories/東京国際大・大村良紀「10区で展開を作っていく走りを」 集大成の舞台で全力を出し切る

2025.12.23

箱根駅伝Stories/東京国際大・大村良紀「10区で展開を作っていく走りを」 集大成の舞台で全力を出し切る

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 競技を続けるきっかけは消去法 「大村良紀=10区」、という構図ができ […]

NEWS 箱根駅伝Stories/自信と屈辱を経てたくましく成長した中大・岡田開成 「自分がゲームチェンジャーになろう」

2025.12.23

箱根駅伝Stories/自信と屈辱を経てたくましく成長した中大・岡田開成 「自分がゲームチェンジャーになろう」

新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 武者修行で変わった“基準” 中大・岡田開成(2年)にとって第101回 […]

NEWS ニューイヤー駅伝「クマ対応」発表 桐生市内一部エリアに出没例 該当区間の中止も

2025.12.23

ニューイヤー駅伝「クマ対応」発表 桐生市内一部エリアに出没例 該当区間の中止も

一般社団法人日本実業団陸上競技連合は12月23日、第70回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の「クマ対応」について発表した。 同大会は群馬県庁スタート・フィニッシュで、前橋市、高崎市、伊勢崎氏、太田市、桐生市をめぐ […]

NEWS 短距離の竹田一平がスズキを退社「一生の宝物」今後も競技継続 中大2年時にU20代表

2025.12.23

短距離の竹田一平がスズキを退社「一生の宝物」今後も競技継続 中大2年時にU20代表

スズキは12月末をもって男子短距離の竹田一平が退社・退団すると発表した。 竹田は埼玉県出身の28歳。不動岡高時代は走幅跳や三段跳をメインにしていたが、中大から本格的にスプリントへ。大学2年だった2016年には10秒27を […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top