
◇第70回別府大分毎日マラソン(2月6日/大分県・大分市高崎山うみたまご前→大分市営陸上競技場)
2年ぶりに行われたレースは、マラソン初挑戦の西山雄介(トヨタ自動車)が2時間7分47秒の大会新記録で優勝した。また、上位6選手がパリ五輪代表選考レースとなるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を獲得。これまでのレースと合わせてMGC出場権獲得者は計11名になった。
実業団5年目の西山が華々しくデビュー戦を飾った。5~6mの風が吹く中、序盤から給水しやすい沿道側に位置を取り、目立たず、虎視眈々とレースを展開。30kmでペースメーカーが外れると、先頭集団で勝機をうかがった。35km過ぎで古賀淳紫(安川電機)が飛び出したが、鎧坂哲哉(旭化成)とともに冷静に追走。39kmで古賀に追いつき、三つ巴の争いに持ち込むと、ラスト2kmでスパートし、2人を振り切った。
「ここが勝負だと思って、出せる力を出し切ろうと思ってスパートしました。本当はラスト5kmぐらいから古賀さんを追いたかったのですが、結構脚にダメージが来ていたので、ためを作ろうと思って少しずつ詰めることを意識しました。向かい風だったので、鎧坂さんと一緒に追えたのがよかったです」
三重・伊賀白鳳高出身。3年時の2012年全国高校駅伝1区で出場し、各校のエースを抑えて区間賞を獲得した。高校の2学年先輩である中村匠吾(現・富士通)を追って駒大に進学すると、1年生から駅伝メンバー入り。在学中の4年間、箱根、全日本、出雲の学生三大駅伝にすべて出場するなど、主力としてチームを牽引した。
2017年にトヨタ自動車入社後は「1、2年目はうまくいかない時期もあった」と言うが、高校と大学の先輩である中村や、チームメイトの服部勇馬が19年9月のMGCで東京五輪代表を勝ち取り、「自分もこの舞台で戦いたい」と奮起。20年は全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)で3区区間新、10000mでは初の27分台(27分56秒78)をマーク。マラソンデビューへ準備を進めてきた。「継続した練習をすることを、一番頭に置いてやってきました。ケガなくやってこられたのが、勝てた要因と思います」と振り返る。
初マラソンで優勝をつかんだ西山だが、フィニッシュシーンでもレース後の会見でも、ほとんど笑顔を見せることはなかった。目標にしていた初マラソン日本最高(2時間7分42秒/作田将希・JR東日本)にあと5秒届かず、「優勝はうれしいですが、タイムは悔しい」と西山。さらに、「もっと上を目指したいというのが一番の率直な思い。世界選手権に選ばれたらしっかり準備したいし、来年のMGCではパリ五輪代表をつかみたい」とも話した。
西山の笑顔が見られるのは、世界で戦えた時なのかもしれない。
■パリ五輪MGC出場権獲得者(2/6時点)
細谷恭平(黒崎播磨)
大塚祥平(九電工)
髙久龍(ヤクルト)
上門大祐(大塚製薬)
神野大地(セルソース)
西山雄介(トヨタ自動車)
鎧坂哲哉(旭化成)
藤曲寛人(トヨタ自動車九州)
古賀淳紫(安川電機)
相葉直紀(中電工)
中西亮貴(トーエネック)
文/田端慶子
◇第70回別府大分毎日マラソン(2月6日/大分県・大分市高崎山うみたまご前→大分市営陸上競技場)
2年ぶりに行われたレースは、マラソン初挑戦の西山雄介(トヨタ自動車)が2時間7分47秒の大会新記録で優勝した。また、上位6選手がパリ五輪代表選考レースとなるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を獲得。これまでのレースと合わせてMGC出場権獲得者は計11名になった。
実業団5年目の西山が華々しくデビュー戦を飾った。5~6mの風が吹く中、序盤から給水しやすい沿道側に位置を取り、目立たず、虎視眈々とレースを展開。30kmでペースメーカーが外れると、先頭集団で勝機をうかがった。35km過ぎで古賀淳紫(安川電機)が飛び出したが、鎧坂哲哉(旭化成)とともに冷静に追走。39kmで古賀に追いつき、三つ巴の争いに持ち込むと、ラスト2kmでスパートし、2人を振り切った。
「ここが勝負だと思って、出せる力を出し切ろうと思ってスパートしました。本当はラスト5kmぐらいから古賀さんを追いたかったのですが、結構脚にダメージが来ていたので、ためを作ろうと思って少しずつ詰めることを意識しました。向かい風だったので、鎧坂さんと一緒に追えたのがよかったです」
三重・伊賀白鳳高出身。3年時の2012年全国高校駅伝1区で出場し、各校のエースを抑えて区間賞を獲得した。高校の2学年先輩である中村匠吾(現・富士通)を追って駒大に進学すると、1年生から駅伝メンバー入り。在学中の4年間、箱根、全日本、出雲の学生三大駅伝にすべて出場するなど、主力としてチームを牽引した。
2017年にトヨタ自動車入社後は「1、2年目はうまくいかない時期もあった」と言うが、高校と大学の先輩である中村や、チームメイトの服部勇馬が19年9月のMGCで東京五輪代表を勝ち取り、「自分もこの舞台で戦いたい」と奮起。20年は全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)で3区区間新、10000mでは初の27分台(27分56秒78)をマーク。マラソンデビューへ準備を進めてきた。「継続した練習をすることを、一番頭に置いてやってきました。ケガなくやってこられたのが、勝てた要因と思います」と振り返る。
初マラソンで優勝をつかんだ西山だが、フィニッシュシーンでもレース後の会見でも、ほとんど笑顔を見せることはなかった。目標にしていた初マラソン日本最高(2時間7分42秒/作田将希・JR東日本)にあと5秒届かず、「優勝はうれしいですが、タイムは悔しい」と西山。さらに、「もっと上を目指したいというのが一番の率直な思い。世界選手権に選ばれたらしっかり準備したいし、来年のMGCではパリ五輪代表をつかみたい」とも話した。
西山の笑顔が見られるのは、世界で戦えた時なのかもしれない。
■パリ五輪MGC出場権獲得者(2/6時点)
細谷恭平(黒崎播磨)
大塚祥平(九電工)
髙久龍(ヤクルト)
上門大祐(大塚製薬)
神野大地(セルソース)
西山雄介(トヨタ自動車)
鎧坂哲哉(旭化成)
藤曲寛人(トヨタ自動車九州)
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文/田端慶子
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