HOME 特集

2021.12.22

Playback2021日本記録/廣中璃梨佳が世界の舞台で躍動!福士の記録を塗り替える16年ぶり日本新
Playback2021日本記録/廣中璃梨佳が世界の舞台で躍動!福士の記録を塗り替える16年ぶり日本新


2021年は21個もの日本記録(タイ記録含む)が誕生した。東京五輪イヤーという特別な1年に樹立された日本記録を振り返っていく。

必死に食らいついて打ち立てた日本記録

5000m、10000m両種目で東京五輪代表入りの廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が、世界の舞台で圧巻の走りを見せた。

広告の下にコンテンツが続きます

廣中は大会1日目の女子5000m予選1組に出場。いつもと変わらぬスタンスで序盤からトップを走り、中盤で後退しつつ、自身の持つ日本歴代3位のタイムを更新する14分55秒87で9着。福士加代子(ワコール)が2005年に樹立した日本記録、14分53秒22まであと2秒65と迫る走りを見せ、タイムで拾われて決勝に進出した。

3日後の決勝でも積極的にレースを進め、1600m付近まで先頭をひた走る。その後は10番手まで後退。3000m過ぎにはトレードマークの帽子も脱ぎ捨てた。「ここからだ」。気合を入れ直し、世界の選手たちに食らいつく。

「ラスト1周は何とか食らいつこうと腕を振りました」と言うように最後まであきらめず、14分52秒84の9位でフィニッシュ。入賞にはあと一歩届かなかったが、大舞台で福士の記録を塗り替える16年ぶりの日本新だった。

さらに廣中は10000mで日本歴代4位(当時)の31分00秒71をマークし、日本人25年ぶり3人目の入賞。秋には、11月28日の全日本実業団対抗女子駅伝では、10人抜きで順位を2位まで押し上げ、3区区間賞を獲得。駅伝でも好成績を残している。

広告の下にコンテンツが続きます

長崎・桜が原中、長崎商高時代に、駅伝で一躍脚光を浴び、全国都道府県女子駅伝では中3から実業団1年目の2020年まで5年連続区間賞。トラックでもその才能を花開かせた逸材だ。20歳で臨んだ初めての五輪。その大舞台で積極的に戦い、日本記録を打ち立てた廣中。今後、どこまで飛躍を遂げるのだろうか。

◇女子5000m日本歴代10傑
14.52.84 廣中璃梨佳(日本郵政グループ) 2021. 8. 2
14.53.22 福士加代子(ワコール) 2005. 7. 8
14.55.83 新谷 仁美(積水化学) 2020. 9.20
14.59.36 萩谷  楓(エディオン) 2021.9.26
14.59.93 田中 希実(豊田自動織機TC) 2021.7.30
15.02.48 木村 友香(資生堂) 2012.12.10
15.03.67 弘山 晴美(資生堂) 1998. 8. 5
15.05.37 小林祐梨子(豊田自動織機) 2008.10.18
15.06.07 赤羽有紀子(ホクレン) 2008. 7.13
15.06.66 一山 麻緒(ワコール) 2020. 7.18

2021年は21個もの日本記録(タイ記録含む)が誕生した。東京五輪イヤーという特別な1年に樹立された日本記録を振り返っていく。

必死に食らいついて打ち立てた日本記録

5000m、10000m両種目で東京五輪代表入りの廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が、世界の舞台で圧巻の走りを見せた。 廣中は大会1日目の女子5000m予選1組に出場。いつもと変わらぬスタンスで序盤からトップを走り、中盤で後退しつつ、自身の持つ日本歴代3位のタイムを更新する14分55秒87で9着。福士加代子(ワコール)が2005年に樹立した日本記録、14分53秒22まであと2秒65と迫る走りを見せ、タイムで拾われて決勝に進出した。 3日後の決勝でも積極的にレースを進め、1600m付近まで先頭をひた走る。その後は10番手まで後退。3000m過ぎにはトレードマークの帽子も脱ぎ捨てた。「ここからだ」。気合を入れ直し、世界の選手たちに食らいつく。 「ラスト1周は何とか食らいつこうと腕を振りました」と言うように最後まであきらめず、14分52秒84の9位でフィニッシュ。入賞にはあと一歩届かなかったが、大舞台で福士の記録を塗り替える16年ぶりの日本新だった。 さらに廣中は10000mで日本歴代4位(当時)の31分00秒71をマークし、日本人25年ぶり3人目の入賞。秋には、11月28日の全日本実業団対抗女子駅伝では、10人抜きで順位を2位まで押し上げ、3区区間賞を獲得。駅伝でも好成績を残している。 長崎・桜が原中、長崎商高時代に、駅伝で一躍脚光を浴び、全国都道府県女子駅伝では中3から実業団1年目の2020年まで5年連続区間賞。トラックでもその才能を花開かせた逸材だ。20歳で臨んだ初めての五輪。その大舞台で積極的に戦い、日本記録を打ち立てた廣中。今後、どこまで飛躍を遂げるのだろうか。 ◇女子5000m日本歴代10傑 14.52.84 廣中璃梨佳(日本郵政グループ) 2021. 8. 2 14.53.22 福士加代子(ワコール) 2005. 7. 8 14.55.83 新谷 仁美(積水化学) 2020. 9.20 14.59.36 萩谷  楓(エディオン) 2021.9.26 14.59.93 田中 希実(豊田自動織機TC) 2021.7.30 15.02.48 木村 友香(資生堂) 2012.12.10 15.03.67 弘山 晴美(資生堂) 1998. 8. 5 15.05.37 小林祐梨子(豊田自動織機) 2008.10.18 15.06.07 赤羽有紀子(ホクレン) 2008. 7.13 15.06.66 一山 麻緒(ワコール) 2020. 7.18

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.06.15

青学大・塩出翔太が10000m28分55秒81の自己新!800mは金子1分46秒59、日本インカレ400m2連覇の田邉1分48秒16/日体大長距離競技会

第322回日本体育大学長距離競技会兼第16回NITTAIDAI Challenge Games(NDG)の1日目が6月14日に行われ、雨のなか、各組で好レースが繰り広げられた。 男子10000mでは2組で1着(28分53 […]

NEWS 中大勢が海外5000mレースで好走!溜池一太が13分25秒11の自己新、濵口大和は自己2番目13分37秒54

2025.06.15

中大勢が海外5000mレースで好走!溜池一太が13分25秒11の自己新、濵口大和は自己2番目13分37秒54

6月14日にオーストリア・ウィーンで行われた「Track Nigh Vienna」の5000mに中大の溜池一太(4年)とルーキー・濵口大和が出場し、溜池は13分25秒11の自己新、濵口も13分37秒54のセカンドベストを […]

NEWS 3000m障害・青木涼真が8分23秒58で3位!5年連続世界大会出場目指して好走/WAコンチネンタルツアー

2025.06.15

3000m障害・青木涼真が8分23秒58で3位!5年連続世界大会出場目指して好走/WAコンチネンタルツアー

男子3000m障害の青木涼真(Honda)が6月14日、オーストリア・ウィーンで行われた「Track Nigh Vienna」に出場し、8分23秒58で3位に入った。 青木は一昨年のU23欧州王者であるA.キヤダ(スペイ […]

NEWS 1500m黒田六花が初V!「悩んだ時期もあったけと…」男子4継は日大東北が大会タイで制す/IH東北

2025.06.15

1500m黒田六花が初V!「悩んだ時期もあったけと…」男子4継は日大東北が大会タイで制す/IH東北

◇インターハイ東北地区大会(6月13~16日/青森・カクヒログループアスレチックスタジアム)2日目 広島インターハイを懸けた東北地区大会の2日目が行われ、女子1500mは黒田六花(仙台育英2宮城)が4分18秒73で初優勝 […]

NEWS 八種・宮下輝一が雨の中で6272点の高校新「気持ちを強く持っていた」女子100mは對馬、400mHはガードナV/IH南関東

2025.06.15

八種・宮下輝一が雨の中で6272点の高校新「気持ちを強く持っていた」女子100mは對馬、400mHはガードナV/IH南関東

◇インターハイ南関東地区大会(6月13~16日/カンセキスタジアムとちぎ、栃木県総合運動公園多目的広場投てき場) 広島インターハイ出場を懸けた南関東地区大会の2日目が行われ、男子八種競技の宮下輝一(市船橋3千葉)が627 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top