日本陸連は11月24日にオンラインで記者会見を開き、東京五輪後の新たな強化委員会を発表。強化委員会から山崎一彦強化委員長、シニアディレクターの高岡寿成氏、今村文男氏が会見に登壇した。
11月10日に山崎氏が強化委員長に就任したことが発表。同12日にはシニアディレクター、ディレクターなど強化委員会の中核が発表されていた。今回、オリンピック強化コーチを含め全体像を新たに明らかになった。
山崎強化委員長は「2024年のパリ五輪で、東京五輪に勝るとも劣らない、またそれ以上の成績を目指していきたい」と決意表明。これまでは「メダルターゲット」「トップ8ターゲット」など、一定の競技レベルに応じてカテゴリー分けされていたが、新しい強化委員会は「種目ごとではなく走・跳・投で強化していきたい」と組織図について説明した。
より情報共有を密接にするためシニアディレクターは3人の少数。その下にブロックごとにオリンピック強化コーチを立てて強化を図っていく。これまで同様、ゴールドターゲット、シルバーターゲットとメダルを狙える選手へのサポートを継続しつつ、3年後に成長を見込める「ターゲットエイジ」となる現在23歳前後の選手へのサポートもしていく構え。
今後も世界大会の出場資格はワールドランキング制度が採用されていく予定であることから、「攻略できるように国内競技会を充実させつつ、海外遠征のサポートをしていきたい」と話す。今回発表されたオリンピック強化コーチでは、男子短距離は土江寛裕氏(東洋大)が継続するかたちで務め、女子短距離は吉田真希子氏(東邦銀行)が担う。
新たに委員会に加わった高岡氏は「東京五輪ではマラソンで男女1人ずつ入賞しましたが、苦戦している様子もありました」とし、「メダルを狙う種目、出場を目指す種目など、それぞれに合わせた強化に取り組んでいきたい」と決意表明。また、東京五輪で2つのメダルを獲得した競歩を引き続きとりまとめる今村氏はトップ選手のサポートを継続しながら「女子競歩の強化、パリ五輪以降も見据えてU23世代の強化も支えていく」とした。
また、強化面に加えて、山崎強化委員長が強調したのは「陸上競技の価値を高めていく」こと。コロナ禍の中で、「陸上競技の取り巻く環境が変わり、新しい陸上競技を作る時代にきた。以前にも増してスポーツの価値、陸上競技の価値、選手の価値を高めていきたい」と話し、今回「企画戦略部」を新設。その狙いについて「積極的に選手、コーチが陸上競技界を良くしていくために、さまざまなことに挑戦していきたい」と明かす。
ディレクターには横田真人氏が就任。「横田さんは柔軟な考えを持ち、これまでもさまざまなことにチャレンジされている。いろんな発案、企画を出してもらい、またこちらもリクエストしながら挑戦していきたい」と期待を込める。今後は「選手が自立し、それぞれが選手としての価値を高めていかなければ競技生活をできない。陸上の価値を高めるために、陸上界全体として取り組んでいきたい」と話した。
パリ五輪まで3年。コロナ禍、アフターTOKYO2020という重要な局面で、新体制で陸上界一体となって突き進んでいく。
■日本陸連強化委員会
●強化委員長:
山崎一彦(順大)
●シニアディレクター:
山崎一彦(兼任/T&F種目担当)、高岡寿成(カネボウ/中距離戦・マラソン担当)、今村文男(富士通/競歩担当)
●ディレクター:
土江寛裕(東洋大)、苅部俊二(法大)、森長正樹(日大)、田内健二(中京大)、杉井將彦(浜松市立高)
●オリンピック強化コーチ:
・T&F種目
土江寛裕(兼任/男子短距離)、吉田真希子(東邦銀行/女子短距離)、苅部俊二(兼任/ハードル)、森長正樹(兼任/跳躍)、田内健二(兼任/投てき)、眞鍋芳明(中京大/混成)
・中距離・マラソン
吉岡利貢(環太平洋大/中距離)、高岡寿成(兼任)、野口英盛(積水化学/女子長距離)、黒木純(三菱重工/男子マラソン)、山中美和子(ダイハツ/女子マラソン)
・競歩
今村文男(兼任)
・強化育成部
杉井將彦(兼任)
●企画戦略部
ディレクター:横田真人(TWOLAPS TC)
●ダイヤモンドアスリートプログラム
プログラムマネージャー:室伏由佳(順大)
※強化委員会の任期は2023年6月開催予定の定時評議員会終結の時まで
![](https://www.rikujyokyogi.co.jp/wp-content/uploads/2021/11/00000.jpg)
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