◇第98回箱根駅伝予選会(10月23日/東京・陸上自衛隊立川駐屯地)
熾烈な日本人先頭争いを制したのは、中央学院大の栗原啓吾(4年)だった。
20km手前で満を持して先頭に躍り出ると、一気にスパート。残り600mの直線は強烈な向かい風に阻まれ「体力が残っていなかった」と話すが、後ろから猛追する加藤大誠(明大)を振り切り、日本人1番手の8位となる1時間2分46秒で走破した。
「終盤でも少し余裕があったので、『もしかしたら(日本人トップ)いけるかもしれない』と思いました。ラスト1kmで行くように監督から言われていましたが、少し早く抜け出して勝ち切ることを意識して走りました。力を出し切ったと思います」
昨年の予選会もチームトップだったが、日本人12番手の個人16位。チームは本戦への連続出場を「18」でストップさせてしまった。
2年連続で予選会敗退は避けなければいけない。今年は「エース」としての自覚を強く持って取り組み、4月には10000mで中央学院大学記録を13年ぶりに更新する28分03秒39をマーク。夏以降も、継続して練習を積むことができていた。
しかし、その一方でチーム内では故障者が続出し、エースの栗原にはとてつもないプレッシャーがのしかかった。それでも「自分の役目は日本人先頭集団でタイムを稼ぐこと。自分が崩れたら終わりだと思って走りました」と、重圧をプラスに変換する力が栗原にはあった。
エースの走りでチームは7位通過を果たし、2年ぶりの本戦出場が決定。3年ぶりのシード権獲得へ、再び快走を見せるつもりだ。
「まだ区間はわかりませんが、1区か3区を走りたいと思っています。前半区間で区間上位の走りをして、しっかりチームに流れを作ってあげられる走りがしたい」と、栗原は最後の箱根路へ気持ちを引き締めていた。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.04.29
-
2025.04.29
-
2025.04.29
-
2025.04.29
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
2025.04.28
100mH田中佑美が国内初戦「ここから毎週のように緊張する」/織田記念
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.01
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.29
“ラストシーズン”の寺田明日香「意外と走れた」決勝6位も予選で12秒台マーク/織田記念
◇織田記念(4月29日/広島・ホットスタッフフィールド広島) 日本グランプリシリーズの織田記念が行われ、女子100mハードルは中島ひとみ(長谷川体育施設)が自己新となる12秒93(+1.8)で優勝した。 東京五輪代表で元 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)