◇日本インカレ(9月17~19日/埼玉・熊谷スポーツ公園)3日目
第90回日本インカレ、初日の走幅跳を学生歴代10位の8m05(+0.8)で制した伊藤陸(近大高専6)が、最終日には三段跳でビッグパフォーマンスを披露した。
1回目に自己ベストとなる16m51(+1.6)をマークすると、3回目の跳躍後にはガッツポーズが飛び出した。記録は学生歴代5位となる16m82(+0.7)。大会記録まで10cmと迫った。
ドラマはこれで終わらない。4回目の跳躍後には首をかしげたが、計測後にどよめきが起きる。記録は学生初の大台突破となる17m00(+1.3)。日本歴代3位の好記録が誕生した瞬間だった。
「3回目は速度があって、自分が今日跳べたらいいかなという記録(16m後半)が出そうでした。でも4回目はたぶん板を踏んでいない感じだったんです」
日本人3人目の17m台は『予想外』のところから飛び出したと言ってもいいだろう。それでも今回の日本インカレに向けては三段跳に重点を置いて取り組んできたといい、その成果を存分に発揮した。
「ホップ・ステップの距離で11mを超えるのをひとつの目標にしていたんです。3回目は超えることができなかったんですけど、ジャンプがいいかたちでした。今回目指していたステップまでに11mを超えられたのが、4回目の跳躍だったと思います」
昨年はU20日本記録の16m35で優勝して、今年は17m00の学生記録で連覇。来年のユージン世界選手権の参加標準記録(17m14)にもグンと近づいたことになる。さらに中西正美(日体大)以来、41年ぶりとなる走幅跳・三段跳の2冠を達成した。
「両種目で大台に乗せられたのは良かったです。でも世界で戦うためには今の日本の基準ではなくて、もっと上を見ないといけないと思っています。今後も2種目で挑戦する気持ちを曲げるつもりはありません。三段跳はいつでも17mを跳べられるような実力をまずつけたいですね。世界大会に出たことがないので、早く経験して、3年後のパリ五輪をひとつの大きな目標にしたいと思います」
リオ五輪に代表を送り込んでからの5年間、やや記録が停滞気味だった三段跳。歴史を切り開いてきた伊藤の活躍は、日本陸上界の未来を変えるかもしれない。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.06.11
2025.05.28
女子10000mがレース途中で異例の中断!! 大雨と雷の影響も選手困惑/アジア選手権
2025.05.16
2025高校最新ランキング【女子】
-
2025.05.15
-
2025.05.15
-
2025.05.15
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.06.15
3000m障害・青木涼真が8分23秒58で3位!5年連続世界大会出場目指して好走/WAコンチネンタルツアー
男子3000m障害の青木涼真(Honda)が6月14日、オーストリア・ウィーンで行われた「Track Nigh Vienna」に出場し、8分23秒58で3位に入った。 青木は一昨年のU23欧州王者であるA.キヤダ(スペイ […]
2025.06.15
1500m黒田六花が初V!「悩んだ時期もあったけと…」男子4継は日大東北が大会タイで制す/IH東北
◇インターハイ東北地区大会(6月13~16日/青森・カクヒログループアスレチックスタジアム)2日目 広島インターハイを懸けた東北地区大会の2日目が行われ、女子1500mは黒田六花(仙台育英2宮城)が4分18秒73で初優勝 […]
2025.06.15
八種・宮下輝一が雨の中で6272点の高校新「気持ちを強く持っていた」女子100mは對馬、400mHはガードナV/IH南関東
◇インターハイ南関東地区大会(6月13~16日/カンセキスタジアムとちぎ、栃木県総合運動公園多目的広場投てき場) 広島インターハイ出場を懸けた南関東地区大会の2日目が行われ、男子八種競技の宮下輝一(市船橋3千葉)が627 […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会