2021.07.31

東京五輪の男子3000m障害予選で、三浦龍司(順大)は8分09秒92と自身の持つ日本記録を約6秒も短縮し、この種目では1972年ミュンヘン五輪の小山隆治以来、49年ぶりの決勝進出を果たした。陸上ファンにとっては「三浦ならやってくれるだろう」という期待通り(いや、それ以上!)の活躍。それほど、これまで塗り替えてきた記録は破格のものだった。
島根県浜田市出身で、小学校低学年の頃から地元のクラブチーム「浜田ジュニア陸上競技教室」に通い始めた三浦。さまざまな動きをするなかで、80mハードルにも挑戦している。「基礎的な動きを教えていただいたので3000m障害への移行もスムーズだったと思います」と語っている。
浜田東中の頃から地元の指導者や関係者から「3000m障害の申し子」と言われ、京都の名門・洛南高に進学してからは奥村隆太郎先生の指導により走力アップ。「障害レースと噛み合ってきた」と高2の頃からブレイクを果たす。国体5000mで14分04秒50をマークして2年生ながら2位。「そこから自信がついて成長できるようになった」とターニングポイントだと振り返る。
高3時には当時、インターハイ種目で最古だった3000m障害の高校記録(櫛部静二、8分44秒77/1989年)を30年ぶりに更新(※同時にU18日本記録)し、8分39秒37まで短縮した。
順大に進学してからは、コロナ禍で6月末まで試合がなかったが、7月のデビュー戦となったホクレンディスタンスで8分19秒37をマーク。37年ぶりのU20日本新(※従来=愛敬重之8分31秒27/1983年)、41年ぶりの日本学生新記録(※従来=新宅雅也8分25秒8/1979年)だった。さらに今年5月に8分17秒46と18年ぶり日本新(※従来=岩水嘉孝8分18秒93/2003年)をマークすると、翌月の日本選手権では転倒しながらも8分15秒99と連続日本新で優勝して五輪代表を決めた。
三浦は障害のないフラットレースでもそのスピードは飛び抜けている。5000mではU20日本歴代2位の13分26秒78を今年マーク。これは今季の日本人学生トップ、日本ランキング2位だ。3000mでも7分48秒07とU20日本新記録を打ち立てている。
さらに、昨年の箱根駅伝予選会のハーフマラソンでは1時間01分41秒のU20日本最高記録(それまでの記録は大迫傑の1時間01分47秒)で日本人トップ。11月の全日本大学駅伝では1区9.5kmを区間新の27分07秒で1年生区間賞を獲得している。
トラック、ロードにとどまらず、今年2月の日本選手権クロスカントリー(10km)でも29分10秒で優勝。さらにさらに、5月の関東インカレでは高校以来の1500mに出場し3分48秒57でタイトルを獲得した(※予選で3分46秒29の自己新!)。
このスピードとスピード持久力、自分でレースを作り、仕掛けられる強さを、3000m障害のレースでもいかんなく発揮。三浦龍司は、とにかく、強くて速い。自身では「3000m障害が一番好きで合っている種目」。ちなみに、練習で走っている時は「早く終わらないかなと、メンタルを削られながら走っています」。
同世代には吉居大和(中大)、石原翔太郎(東海大)、駒大の鈴木芽吹と唐澤拓海、松山和希(東洋大)らがそろう、まさに「プラチナ世代」で、その中でも三浦の存在感は抜きん出た。
3000m障害の決勝は8月2日の21時15分にスタート。史上初の入賞どころかメダルまで見える三浦の快走を見逃さないようにしたい!
三浦龍司の自己記録
1500m3.46.29
3000m7.48.07=U20日本記録
5000m13.26.78=U20日本歴代2位
3000m障害8.09.92=日本記録
ハーフ1.01.41=U20日本最高
3000m障害での最高記録更新歴
・17年ぶり高2最高
・20年ぶりU18日本新
・30年ぶり高校新
・41年ぶり学生新
・37年ぶりU20日本新
・18年ぶり日本新
・49年ぶり五輪決勝進出
東京五輪の男子3000m障害予選で、三浦龍司(順大)は8分09秒92と自身の持つ日本記録を約6秒も短縮し、この種目では1972年ミュンヘン五輪の小山隆治以来、49年ぶりの決勝進出を果たした。陸上ファンにとっては「三浦ならやってくれるだろう」という期待通り(いや、それ以上!)の活躍。それほど、これまで塗り替えてきた記録は破格のものだった。
島根県浜田市出身で、小学校低学年の頃から地元のクラブチーム「浜田ジュニア陸上競技教室」に通い始めた三浦。さまざまな動きをするなかで、80mハードルにも挑戦している。「基礎的な動きを教えていただいたので3000m障害への移行もスムーズだったと思います」と語っている。
浜田東中の頃から地元の指導者や関係者から「3000m障害の申し子」と言われ、京都の名門・洛南高に進学してからは奥村隆太郎先生の指導により走力アップ。「障害レースと噛み合ってきた」と高2の頃からブレイクを果たす。国体5000mで14分04秒50をマークして2年生ながら2位。「そこから自信がついて成長できるようになった」とターニングポイントだと振り返る。
高3時には当時、インターハイ種目で最古だった3000m障害の高校記録(櫛部静二、8分44秒77/1989年)を30年ぶりに更新(※同時にU18日本記録)し、8分39秒37まで短縮した。
順大に進学してからは、コロナ禍で6月末まで試合がなかったが、7月のデビュー戦となったホクレンディスタンスで8分19秒37をマーク。37年ぶりのU20日本新(※従来=愛敬重之8分31秒27/1983年)、41年ぶりの日本学生新記録(※従来=新宅雅也8分25秒8/1979年)だった。さらに今年5月に8分17秒46と18年ぶり日本新(※従来=岩水嘉孝8分18秒93/2003年)をマークすると、翌月の日本選手権では転倒しながらも8分15秒99と連続日本新で優勝して五輪代表を決めた。
三浦は障害のないフラットレースでもそのスピードは飛び抜けている。5000mではU20日本歴代2位の13分26秒78を今年マーク。これは今季の日本人学生トップ、日本ランキング2位だ。3000mでも7分48秒07とU20日本新記録を打ち立てている。
さらに、昨年の箱根駅伝予選会のハーフマラソンでは1時間01分41秒のU20日本最高記録(それまでの記録は大迫傑の1時間01分47秒)で日本人トップ。11月の全日本大学駅伝では1区9.5kmを区間新の27分07秒で1年生区間賞を獲得している。
トラック、ロードにとどまらず、今年2月の日本選手権クロスカントリー(10km)でも29分10秒で優勝。さらにさらに、5月の関東インカレでは高校以来の1500mに出場し3分48秒57でタイトルを獲得した(※予選で3分46秒29の自己新!)。
このスピードとスピード持久力、自分でレースを作り、仕掛けられる強さを、3000m障害のレースでもいかんなく発揮。三浦龍司は、とにかく、強くて速い。自身では「3000m障害が一番好きで合っている種目」。ちなみに、練習で走っている時は「早く終わらないかなと、メンタルを削られながら走っています」。
同世代には吉居大和(中大)、石原翔太郎(東海大)、駒大の鈴木芽吹と唐澤拓海、松山和希(東洋大)らがそろう、まさに「プラチナ世代」で、その中でも三浦の存在感は抜きん出た。
3000m障害の決勝は8月2日の21時15分にスタート。史上初の入賞どころかメダルまで見える三浦の快走を見逃さないようにしたい!
三浦龍司の自己記録
1500m3.46.29
3000m7.48.07=U20日本記録
5000m13.26.78=U20日本歴代2位
3000m障害8.09.92=日本記録
ハーフ1.01.41=U20日本最高
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