◇第109回日本選手権ハーフマラソン競歩(2月15日/兵庫・六甲アイランド)
アジア大会代表選考会を兼ねた日本選手権ハーフマラソン競歩が行われ、男子は山西利和(愛知製鋼)が1時間20分34秒の世界新記録で2連覇を達成した。
残り5km。山西が一気にペースを上げると、それまで食らいついていた実力者たちはついていけず。そこからはビクトリーロードだった。昨年、20kmで1時間16分10秒の世界新を樹立。今年はハーフマラソン(21.0975km)の距離変更後、最初の日本選手権で“2年連続”世界新の偉業だった。
「ホッとしています」というのが山西の第一声。昨年の東京世界選手権でも同じように仕掛けた時に歩型違反を取られ、3度の警告により痛恨のペナルティーゾーンに入った。「当日になってみないとわからない」と歩型に加え、今大会に向けた調整でも「最後の切り替えというか、バンッと(スピードを)出すところでうまくいかなかった」点で不安があったという。
レースは東京世界選手権入賞の吉川絢斗(サンベルクス)を筆頭に、実力者たち5人の集団になるも、「歩型の不安のなか、自分との対話、審判とのすり合わせ」に注意を払いつつ、1km3分50秒あたりのペースで主導権を握っていく。
15kmは57分40秒で通過。「自然と絞れてきたので、5人の中で世界競歩の(代表候補)メンバー、アジア大会(代表になる)2人を決めていう作業になった。もう少し絞れたらと思いましたが……」。
不安があった仕掛けどころで注意を受けたところは反省しつつ、そこはレース巧者ぶりをいかんなんく発揮。20km通過も1時間16分台、フィニッシュは悠々と歩くようにラインを越えた。タイムは「だいたいイメージしていた幅」で世界新、そして、アジア大会代表内定だった。
左胸には喪章をつけて歩いた。昨年末、高校時代から指導を受けてきた内田隆幸コーチが他界。競歩の世界にどっぷりつかり、世界王者になる道をともに歩んできた。「歳を負うごとにお願いする比率は減ってきて自律を促していただくかたちになりました。内田さんのような、まっすぐなパッションの方が周りにいてくださったのはすごく大きなことでした」と感謝している。
これで2018年ジャカルタアジア大会以来のアジアの舞台の代表に。開催地は会社が本社を構える愛知だ。「前回は銀メダルだったので、中国のライバルたちにしっかり勝って、金メダルを取れるように頑張りたい」。
次こそ、国際舞台の“一番”に戻るために。山西は勝負の時まで王道を突き進んでいく。
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