2026.01.19
◇天皇盃第31回全国都道府県対抗男子駅伝(1月18日/広島・平和記念公園前発着:7区間48km)
中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ都道府県男子駅伝が行われ、宮城が2時間16分55秒の大会タイ記録で初優勝を飾った。これまでの県最高タイム2時間18分50秒も2分近く短縮した。
チームが掲げた目標は「8位入賞だった」。だが、1区・鈴木大翔(仙台育英高)の区間新記録が、チームメイトの勝負心に火を付けた。
1区には、全国高校駅伝1区区間賞の増子陽太(福島・学法石川高)や、インターハイ5000m優勝の新妻遼己(兵庫・西脇工高)など超高校級の選手が顔をそろえていたが、鈴木は「気楽に影から区間賞を狙っていました」と力みなくレースを進めた。
5kmで増子との一騎打ちになったが「ここで離れる訳にはいかない」と粘り、増子のスパートにも対応。最後は逆にスパートを仕掛けて19分06秒の区間賞。これまでの記録を25秒更新する大幅な区間記録の更新を成し遂げた。
2区で福島に抜かれ、2位に下がったが、3区の大濱逞真(大東文化大)が4.7kmで単独トップに。4、5区では「鈴木の走りに勇気をもらった」という仙台育英のチームメイトの若林司、菅野元太がともに区間2位の力走。仙台育英と同じく13分台を2人並べた福島の追随を許さず、トップを守って、中学生に繋いだ。
6区の佐藤迅(八乙女中)は「震災で心を痛めた人たちに、元気を与えられるような走りがしたいと思っていました」と、地元への思いを力に変え、30秒の貯金を作って、山平怜生(M&Aパートナーズ)へつなぐ。
山平は、箱根駅伝2区での好走が記憶に新しい山口智規(福島・早稲田大)が30秒遅れでスタートしたことに「正直、追いつかれることも覚悟していた」が、「後半ペースダウンしないように、前半上げすぎないことを意識していました」と、冷静なペース配分でトップを守り抜いた。
「チーム史上最速」という充実の中高校生に加え、一般選手の手堅い走りで掴んだ初の優勝。今年は、2011年の東日本大震災から15年。震災が起きた2011年に生まれた2人の中学生が、2区、6区で出走していた。
齋康浩監督は「第24回大会(2019年)に福島県チームが優勝された時に、(同じ被災地だった県が)頑張っている姿に力をもらいました。いつか宮城県も同じ姿を見せたいと思っていたし、多くの方に支えていただいて成長してきた選手たちが頑張る姿を見せられて、本当にうれしいです」。
2区を走った佐藤駿多(錦ケ丘中)は「震災の被害が大きかったところで生まれ育ち、いろいろな方に支えていただきました。恩返ししたい気持ちで走りました」と、さまざまな人へ思いを巡らせ、涙ながらに喜びを語った。
文/田端慶子
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