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2025.11.24

エディオン 出場32回目にして初優勝!矢田、細田、水本の3本柱を軸に、前回女王との接戦を制す!/クイーンズ駅伝
エディオン 出場32回目にして初優勝!矢田、細田、水本の3本柱を軸に、前回女王との接戦を制す!/クイーンズ駅伝

クイーンズ駅伝初優勝を遂げたエディオン

◇第45回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝:11月23日/宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42.195km)

女子駅伝日本一を懸けた全日本実業団対抗女子駅伝が行われ、エディオンが2時間13分50秒で、出場32回目(前身のダイイチ、デオデオ時代を含む)にして、悲願の初優勝を飾った。

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エディオンは、今季5000mで15分06秒98をマークし、9月の東京世界選手権代表にあと一歩と迫った入社3年目の水本佳菜が1区を、世界選手権10000m代表のキャプテン・矢田みくにが最長区間(10.6km)の3区を、マラソンで日本歴代7位(2時間20分31秒)の細田あいが5区をそれぞれ務める強力布陣を組んだ。

まずは水本が駅伝の王道ともいえる先手必勝で、大きく流れをつかんだ。

「もともと誰も前に行かなかったら、自分いこうと思っていましたが、スタートラインに立った時に『どういう状況でも自分で行こう』と決めた」と水本。スタート直後から先頭に立つと、「5km過ぎからペースを上げるプランだった」という想定通り、5.3km地点でロングスパートで逃げ切りを図る。食らいつく天満屋・吉薗栞、積水化学・山本有真を振り切り、区間記録にあと3秒と迫る21分27秒マーク。後続に16秒差をつける快走だった。

3区では、矢田が堂々たる走りを見せる。「矢田は100%の状態ではなかった」(沢栁厚志監督)のなか、33分32秒の区間3位で駆け抜ける。資生堂・五島莉乃と日本郵政グループ・廣中璃梨佳の区間新記録で追い上げられても、「これまでも3区を走っていて、6kmくらいできつさが出ていましたが、今日は脚がしっかり残っていました」と矢田。沢栁監督も、「あのメンバーのなかで良く走ってくれた。地力がついていると感じました」と称えた。

4区では一時首位を明け渡したが、5区には、沢栁監督が全幅の信頼を置く細田が控えていた。

「チームとしては3位入賞を目指していたけど、1区からみんなが頑張ってくれて、もっと上を狙える気持ちを持ってスタートしました」と細田。中盤までは中継所を41秒前に飛び出した首位の日本郵政グループ・太田琴菜との差がなかなか縮まらなかったが、前回この区間で区間賞を獲得している細田に焦りはなかった。

「このコースは後半がきついので、あきらめずに冷静に走れました。それが最後に追いつける展開に持っていけたと思います」

細田は2年連続区間賞の快走で、第5中継所まで残り400mで逆転に成功し、2位の日本郵政グループに7秒差をつける。再び首位に立ったエディオンは、アンカーの平岡美帆が安定した走りで逃げ切り、歓喜のフィニッシュを迎えた。

全コースの約6割強を占める主要3区間が大きな存在感を見せて、ついにその座を得た初女王。しかし、主要区間に流れをつないだ残り3区間も粘り、健闘する走りっぷりを見せた。

高卒ルーキーの2区・塚本夕藍は、薫英女学院高(大阪)の2年先輩である水本から1位でもらったタスキを区間8位と粘って、トップのまま矢田に中継。また、インターナショナル区間である4区で区間13位(日本人1位)で駆け抜けた中島紗弥、6区区間2位で日本郵政グループの追い上げを抑えた平岡の働きも「優勝へ欠かせないピースとなった」と沢栁監督は振り返った。

「塚本はルーキーらしい走りと駅伝での強さを見せてくれましたし、中島もこれまで練習で苦しんできたけど、ロードが強いので信じていました。平岡はここ1カ月半くらい、主力と同じ練習ができていた。全員がすべてを出し切ってくれたと思います」(沢栁監督)

まさにチームが1つになってつかんだ勝利。そこには矢田の世界選手権出場は欠かせないトピックスだった。中島が「世界で戦う人がチームにいることで大きな刺激を受けた」と語れば、水本は「矢田さんだけに頼らずに、自分がチームに何ができるかを考えて行動した」と振り返る。

他の選手たちは矢田から大きな影響を受ける一方で、それまで笑顔を見せていた矢田も「世界選手権に出るにあたって、チームメイトの存在に救われた。だからこそ、駅伝ではみんなと素敵な世界を見たいなと思いました」と涙を浮かべた。

お互いを認め合い、信頼し、一体感を作り上げてきたからこそ届いた女王の座にも、「まだまだ発展途上だと思っている。ただ、この結果で目指す方向性が間違っていないと感じられた」と沢栁監督。平均年齢24.2歳のまだ若いチームは、次回以降も優勝争いの一角となりそうだ。

文/田中葵

◇第45回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝:11月23日/宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42.195km) 女子駅伝日本一を懸けた全日本実業団対抗女子駅伝が行われ、エディオンが2時間13分50秒で、出場32回目(前身のダイイチ、デオデオ時代を含む)にして、悲願の初優勝を飾った。 エディオンは、今季5000mで15分06秒98をマークし、9月の東京世界選手権代表にあと一歩と迫った入社3年目の水本佳菜が1区を、世界選手権10000m代表のキャプテン・矢田みくにが最長区間(10.6km)の3区を、マラソンで日本歴代7位(2時間20分31秒)の細田あいが5区をそれぞれ務める強力布陣を組んだ。 まずは水本が駅伝の王道ともいえる先手必勝で、大きく流れをつかんだ。 「もともと誰も前に行かなかったら、自分いこうと思っていましたが、スタートラインに立った時に『どういう状況でも自分で行こう』と決めた」と水本。スタート直後から先頭に立つと、「5km過ぎからペースを上げるプランだった」という想定通り、5.3km地点でロングスパートで逃げ切りを図る。食らいつく天満屋・吉薗栞、積水化学・山本有真を振り切り、区間記録にあと3秒と迫る21分27秒マーク。後続に16秒差をつける快走だった。 3区では、矢田が堂々たる走りを見せる。「矢田は100%の状態ではなかった」(沢栁厚志監督)のなか、33分32秒の区間3位で駆け抜ける。資生堂・五島莉乃と日本郵政グループ・廣中璃梨佳の区間新記録で追い上げられても、「これまでも3区を走っていて、6kmくらいできつさが出ていましたが、今日は脚がしっかり残っていました」と矢田。沢栁監督も、「あのメンバーのなかで良く走ってくれた。地力がついていると感じました」と称えた。 4区では一時首位を明け渡したが、5区には、沢栁監督が全幅の信頼を置く細田が控えていた。 「チームとしては3位入賞を目指していたけど、1区からみんなが頑張ってくれて、もっと上を狙える気持ちを持ってスタートしました」と細田。中盤までは中継所を41秒前に飛び出した首位の日本郵政グループ・太田琴菜との差がなかなか縮まらなかったが、前回この区間で区間賞を獲得している細田に焦りはなかった。 「このコースは後半がきついので、あきらめずに冷静に走れました。それが最後に追いつける展開に持っていけたと思います」 細田は2年連続区間賞の快走で、第5中継所まで残り400mで逆転に成功し、2位の日本郵政グループに7秒差をつける。再び首位に立ったエディオンは、アンカーの平岡美帆が安定した走りで逃げ切り、歓喜のフィニッシュを迎えた。 全コースの約6割強を占める主要3区間が大きな存在感を見せて、ついにその座を得た初女王。しかし、主要区間に流れをつないだ残り3区間も粘り、健闘する走りっぷりを見せた。 高卒ルーキーの2区・塚本夕藍は、薫英女学院高(大阪)の2年先輩である水本から1位でもらったタスキを区間8位と粘って、トップのまま矢田に中継。また、インターナショナル区間である4区で区間13位(日本人1位)で駆け抜けた中島紗弥、6区区間2位で日本郵政グループの追い上げを抑えた平岡の働きも「優勝へ欠かせないピースとなった」と沢栁監督は振り返った。 「塚本はルーキーらしい走りと駅伝での強さを見せてくれましたし、中島もこれまで練習で苦しんできたけど、ロードが強いので信じていました。平岡はここ1カ月半くらい、主力と同じ練習ができていた。全員がすべてを出し切ってくれたと思います」(沢栁監督) まさにチームが1つになってつかんだ勝利。そこには矢田の世界選手権出場は欠かせないトピックスだった。中島が「世界で戦う人がチームにいることで大きな刺激を受けた」と語れば、水本は「矢田さんだけに頼らずに、自分がチームに何ができるかを考えて行動した」と振り返る。 他の選手たちは矢田から大きな影響を受ける一方で、それまで笑顔を見せていた矢田も「世界選手権に出るにあたって、チームメイトの存在に救われた。だからこそ、駅伝ではみんなと素敵な世界を見たいなと思いました」と涙を浮かべた。 お互いを認め合い、信頼し、一体感を作り上げてきたからこそ届いた女王の座にも、「まだまだ発展途上だと思っている。ただ、この結果で目指す方向性が間違っていないと感じられた」と沢栁監督。平均年齢24.2歳のまだ若いチームは、次回以降も優勝争いの一角となりそうだ。 文/田中葵

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