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2025.09.27

走幅跳・小田大樹が今季で引退 「あと一歩届かなかった」競技人生も「めっちゃ楽しかった」/全日本実業団
走幅跳・小田大樹が今季で引退 「あと一歩届かなかった」競技人生も「めっちゃ楽しかった」/全日本実業団

◇第73回全日本実業団対抗選手権(9月26日~28日/山口・維新百年記念公園陸上競技場) 2日目

全日本実業団対抗の2日目に行われた男子走幅跳で6位に入った小田大樹(ヤマダホールディングス)。今季限りで現役引退を表明し、地元・山口でラストジャンプとなった。

「楽しかったです。高校の時の友達や家族も応援してくれました。ウォーミングアップの時からいろいろな人と話して、なかなか進まなかったです」

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そう言ってうれしそうに笑った。

山口を代表するアスリートであり、記憶に残るジャンパーだ。川中中時代から全中や国体など全国大会を経験し、下関商高1年時には地元国体の少年Bを7m37で優勝して全国初タイトル手にした。高3時には世界ユース選手権にも出場している。

日大では同期の山川夏輝(Team SSP)とともに、森長正樹コーチのもとで、強力な先輩・後輩たちと切磋琢磨。2年時に日本インカレも制した。4年時の日大競技会で当時・学生10人目の8mジャンパーの仲間入りを果たす8m04をマーク。ヤマダホールディングスで競技を続け、19年に8m03、22年には地元での田島直人記念で再び8m04を跳んでいる。15年から24年まで10年間、7m87以上を必ずマークしていた。

日本選手権優勝はなかったが、200mで21秒23のベストを持つスピードを生かしたダイナミックなジャンプで観客を魅了した。

「4年くらい前から両脚のアキレス腱が痛くて、ごまかしながらやってきました。今年の2、3月頃に『厳しいかな』と。日本選手権の10日前にハムストリングスを肉離れして、入賞はできましたが精一杯だったなと引退を決めました」

まだ国民スポーツ大会と母校・日大での競技会を残すが、競技生活を振り返り、「あと一歩届かなかった」と苦笑い。「心残りがあるとすれば、オリンピックや世界選手権に出たかった」。

思い出に残っているのは、少し悩んだ結果「やっぱり、山口国体ですね」と初タイトルの大会を挙げる。それを含め、国体では4度の優勝を誇った。「あんまりうれしくなくて、春や夏に跳びたかった。暑さに弱かったんですね」と笑うが、立派な戦績だ。

「みんなは一緒に戦ったライバルでもあり、友達みたいな感じ。めっちゃ楽しかったです」と仲間たちに感謝する。

今後は社業に専念しながら、「何かしらの形で陸上に関わって貢献できれば」と小田。慣れ親しんだピットで、次のステージに向かうためのジャンプを見せると、会場から温かい拍手が送られた。

◇第73回全日本実業団対抗選手権(9月26日~28日/山口・維新百年記念公園陸上競技場) 2日目 全日本実業団対抗の2日目に行われた男子走幅跳で6位に入った小田大樹(ヤマダホールディングス)。今季限りで現役引退を表明し、地元・山口でラストジャンプとなった。 「楽しかったです。高校の時の友達や家族も応援してくれました。ウォーミングアップの時からいろいろな人と話して、なかなか進まなかったです」 そう言ってうれしそうに笑った。 山口を代表するアスリートであり、記憶に残るジャンパーだ。川中中時代から全中や国体など全国大会を経験し、下関商高1年時には地元国体の少年Bを7m37で優勝して全国初タイトル手にした。高3時には世界ユース選手権にも出場している。 日大では同期の山川夏輝(Team SSP)とともに、森長正樹コーチのもとで、強力な先輩・後輩たちと切磋琢磨。2年時に日本インカレも制した。4年時の日大競技会で当時・学生10人目の8mジャンパーの仲間入りを果たす8m04をマーク。ヤマダホールディングスで競技を続け、19年に8m03、22年には地元での田島直人記念で再び8m04を跳んでいる。15年から24年まで10年間、7m87以上を必ずマークしていた。 日本選手権優勝はなかったが、200mで21秒23のベストを持つスピードを生かしたダイナミックなジャンプで観客を魅了した。 「4年くらい前から両脚のアキレス腱が痛くて、ごまかしながらやってきました。今年の2、3月頃に『厳しいかな』と。日本選手権の10日前にハムストリングスを肉離れして、入賞はできましたが精一杯だったなと引退を決めました」 まだ国民スポーツ大会と母校・日大での競技会を残すが、競技生活を振り返り、「あと一歩届かなかった」と苦笑い。「心残りがあるとすれば、オリンピックや世界選手権に出たかった」。 思い出に残っているのは、少し悩んだ結果「やっぱり、山口国体ですね」と初タイトルの大会を挙げる。それを含め、国体では4度の優勝を誇った。「あんまりうれしくなくて、春や夏に跳びたかった。暑さに弱かったんですね」と笑うが、立派な戦績だ。 「みんなは一緒に戦ったライバルでもあり、友達みたいな感じ。めっちゃ楽しかったです」と仲間たちに感謝する。 今後は社業に専念しながら、「何かしらの形で陸上に関わって貢献できれば」と小田。慣れ親しんだピットで、次のステージに向かうためのジャンプを見せると、会場から温かい拍手が送られた。

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