◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)6日目
東京世界陸上6日目のイブニングセッションが行われ、男子400mで日本勢34年ぶりとなる決勝に進出した中島佑気ジョセフ(富士通)が44秒62で日本勢過去最高位となる6位入賞を果たした。
34年前の1991年、前回の東京大会で五輪、世界陸上を通じて同種目初のファイナリストとなり、7位に入賞した高野進氏(東海大陸上競技部部長)が、2度目の東京で自身を超えた中島の快挙にコメントを寄せた。
「男子400mの予選、準決勝は自宅のテレビで見たのですが、決勝は国立競技場へ足を運び、100mのスタート地点あたりのスタンドで観戦しました。
300mの通過が8番手というのは、予選、準決勝のレースからして想定内でしたが、決勝は前との開きが結構あった。『これで(前を)捕らえるのは厳しいかな』と思いました。
しかし、ジョセフ君はフィニッシュ前に2人を抜いて6位入賞。明らかに400mを走り切れる、これまでと違ったタイプの選手に成長していました。混戦で来たらメダルもあり得るな、という思いもありましたが、まだ23歳。彼は紛れもなく、次はメダルを狙える、この種目の第一人者になりました。もう入賞では満足できないはずです。
五輪や世界選手権のマイルリレーに出た時の彼の走りを見て、他の国の選手と競り合いながら、ラストまで粘れる選手だなとは思っていました。8月の富士北麓ワールドトライアルで初めて44秒台(44秒84)を出した時はその場にいましたので、世界選手権の予選は『44秒6くらいは行くかな』と思っていたのです。ところが、いきなりの44秒44。『マジか?』と思うほどの衝撃でした。
どうしてこんなに成長したんだろう。何かに開眼したのか。ともかく、急激に変わりました。400mという種目は、極端に言えば300mまでは100mの選手でも行けるのです。でも、最後の100m、特にラスト30mは特別な能力が必要です。
彼はそこを身につけていて、誰でもスピードが落ちるラスト10mで落ちない。予選、準決勝、決勝と3本とも同じレースパターンで、再現性もつかんだ。まぐれではなく、自分の勝負パターンを見つけたということでしょう。そして、前半は全然力みがなく、スーッと進んでいました。走り方について言えば、接地の時にうまく反発を拾える技術を習得しているのだと思います。
私が現役だった頃はまだ日本人コンプレックスがあって、どうしても外国人選手と並ぶと臆するところがありましたが、今はいろんな種目で対等に勝負できる日本人が出てきて、堂々としています。ジョセフ君のレースを見ながら、『時代は変わったんだな』としみじみ思いました」
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