◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)6日目
東京世界陸上6日目のイブニングセッションが行われ、女子5000m予選A組に出場した山本有真(積水化学)は15分36秒29の18着で決勝には進めなかった。
「この舞台で予選通過は本当に自信があるわけではなく、不安もあった」という山本。田中希実、New Balance)に「予選を通過してほしい」という思いから、田中のためのペースメーカーを申し出た。
「自分でつかみ取った舞台でもありますから、そのペースで押していけば自分の自己ベストも狙える。そして、世界陸上に立っているのは、金栗杯やセイコーグランプリで田中さんがペースを作ってくれたお陰。その恩返しがしたくて、自分のためにも、田中さんのためにも6周半は責任を持って自分で走ろうと思いました」
そのプラン通り、山本はスタート直後、200mでトップに立った。すぐに背後に田中がつき、1000mを2分57秒33で通過。その後も力強く集団を引っ張り、2000mは5分59秒90で通過した。
山本が6周半を走り終えたまさに2600mで田中が一気にペースアップ。レースが大きく動いた。ある程度順位を落とすことを想定していた山本は、「誰かについて行こう思ったんですけど、あっけなく抜かれてしまった」と、またたく間に18位まで後退。残り約2000mをそのポジションで走り、フィニッシュを迎えることになった。
「すごいキツくなって身体が動かなくなってきても、日本の方々の声援があったおかげで最後まで諦めないで走れました。自分の中では振り絞って最後まで走り抜いたという気持ちはあります」
もちろん、「自分の理想とする結果ではなかったのは悔しかった」。ただ、山本のサポートを生かすかたちで5着で決勝進出を決めた田中から感謝された。「情けないという気持ちから少しうれしい気持ちが出てきて、今はちょっとだけすっきりしています」
前回23年ブダペスト大会、昨年のパリ五輪と合わせて3年連続の国際舞台に立った山本。来年は出身地・愛知で開催されるアジア大会、再来年は北京世界陸上、3年後はロサンゼルス五輪と続く。「次こそはという強い気持ちでがんばっていきたいです」と、さらなる成長と活躍を誓った。
文/小野哲史
RECOMMENDED おすすめの記事
                Ranking 
                人気記事ランキング
            
        2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
- 
                            
2025.11.02
 - 
                            
2025.11.02
 
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
- 
                            
2025.11.02
 - 
                            
2025.10.18
 
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
- 
                            
2022.05.18
 - 
                            
2023.04.01
 - 
                            
2022.12.20
 - 
                            
2023.06.17
 - 
                            
2022.12.27
 - 
                            
2021.12.28
 
Latest articles 最新の記事
2025.11.04
アシックスが駅伝にリスペクトを込め、選手たちを鼓舞するランニングシューズコレクション「EKIDEN Pack」を発売
アシックスジャパンは、日本で100年以上の歴史をもつ駅伝にリスペクトを込め、選手たちを鼓舞するランニングシューズコレクション「EKIDEN Pack(エキデンパック)」9品番を、11月6日からアシックスオンライン、アシッ […]
2025.11.04
ロジスティード初制覇!前回優勝GMOが2位、初陣M&Aが初ニューイヤー、コニカミノルタら全日本復活3チーム/東日本実業団駅伝
◇第66回東日本実業団対抗駅伝(11月3日/埼玉・熊谷スポーツ文化公園競技場及び公園内特設周回コース:7区間74.6km) 第66回東日本実業団対抗駅伝が行われ、東日本枠「12」と第70回記念枠「1」(13位以下で最上位 […]
2025.11.04
“走る伝説”キプチョゲが第一線退く マラソン2時間切り、五輪2連覇 マラソン界の常識を変えた鉄人
11月2日、米国でニューヨークシティマラソンに出場したエリウド・キプチョゲ(ケニア)が、フィニッシュ後、今後はエリートレースには参加せず、新たなプロジェクト「エリウド・キプチョゲ・ワールドツアー」を始めることを発表した。 […]
2025.11.04
豊川が男女優勝 男子は2時間6分23秒で2年ぶりV 女子は序盤で主導権を握って逃げ切り4連覇/愛知県高校駅伝
全国高校駅伝の出場権を懸けた愛知県高校駅伝は11月3日、一宮市大野極楽寺公園発着木曽川沿川サイクリングコースで行われ、男女ともに豊川が制した。男子(7区間42.195km)は2時間6分23秒で2年ぶり10回目のV。女子( […]
                Latest Issue 
                最新号
            
        
            2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望