2025.05.06
◇第102回関西インカレ(T&Fの部/5月4日~7日、大阪・ヤンマースタジアム長居、ヤンマーフィールド長居)2日目
関西インカレ(T&Fの部)の2日目が行われ、女子100mハードルは星場麗羽(天理大4)が13秒40(-0.8)で悲願の初優勝を飾った。4月末の日本学生個人選手権でもその後に学生記録(13秒01)を樹立する島野真生(日女体院2)、当時学生記録(13秒06)保持者の本田怜(順大2)に次ぐ3位と気を吐いていたが、日本学生個人4位の福井有香(立命大2)を0.04秒差、同8位の森脇叶美(園田学園大3)0.10秒差で抑えた。
準決勝から福井とぶつかり100分の1秒差で先着していた星場。「接戦になるのはわかっていたので、レース前はめちゃくちゃ緊張しましたが、最後まで自分のやってきたことを信じて走り抜きました。ここまでずっと悔しい思いをしてきたので、やっと勝ててうれしい」と満面の笑みを浮かべる。
石川・鵬学園高時代は、3年時のインターハイは準決勝まで進んだものの、全体の9番目で決勝進出を逃していた星場。高校時代のベストはその際にマークした13秒85だった。
天理大に進学後も順調に成長を遂げ、2年時に13秒67、昨年は13秒58まで記録を短縮。関西インカレは2年時の2位が最高とタイトルには届いていなかったが、日本学生個人で初めて全国の舞台で決勝に進出し、その勢いを関西インカレにつなげて初めて頂点に立った。
最終学年を迎えるにあたり、冬季は課題の後半を克服するため、「長い距離も積極的に走り込み、走力、体力強化に努めてきました。陸上に対する意識も高くなり、自分を追い込めるようになったことが大きいと思います」と好調の要因を話す。
悲願の関西タイトルはものにしたが、「まだ学生個人で上位を占めた2人からは差があります。日本インカレでは少しでも近づけるようがんばりたい」と目を輝かせる。小4から陸上を始め、ハードルも小学校時代から取り組んでいるという星場。その集大成として6月に岡山で開かれる日本インカレに挑む。
女子4×100mリレーは初日の予選で44秒51の日本学生タイ記録をマークしていた甲南大が、その際と同じ1走から千葉安珠(1年)、藏重みう(3年)、奥野由萌(4年)、税田ジェニファー璃美(2年)のオーダーで臨み、44秒82で大会3連覇を達成。同じく予選で44秒75の学生歴代5位をマークしていた立命大は残り30mあたりまでリードするも最後にかわされ、44秒99で2位と3年ぶりの優勝を逃した。
女子100mは日本学生個人で2位に入った永石小雪(立命大4)が高3以来の自己新となる11秒62(-0.1)で大会初V。連覇を目指した甲南大の奥野は0.06秒差の2位だった。男子1部100mはルーキーのアブラハム光オシナチ(関大1)が10秒34(+0.6)で、日本学生個人選手権200m覇者でワールドユニバーシティゲームズ代表推薦の壹岐元太(京産大4)を0.04秒差で抑えて10年ぶりの1年生優勝を達成。「学生個人の疲れがありましたが、大会4連覇を狙っているのでその第1関門をクリアできて良かったです」と喜びを爆発させた。アブラハムは2走を務めた4×100mリレーも39秒60で制して2冠を獲得している。
このほか、女子400mで2年前の日本選手権で2位に食い込んでいる児島柚月(立命大3)が、その時以来の53秒台となる53秒51の自己新で2年ぶり2度目のV。2位の中尾柚希(園田学園大3)も53秒75の自己新とハイレベルなレースだった。また、女子走幅跳は、昨年のインターハイ3位の高宮ひかり(京都橘大1)が5m92(-0.2)で制し、同大に初の関西インカレタイトルをもたらした。
3日目は男女10000m競歩や女子5000m、棒高跳や三段跳、砲丸投などが行われる。
◎文/花木 雫
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