2025.04.12
◇第109回日本選手権10000m(4月12日/熊本・えがお健康スタジアム)
東京世界選手権とアジア選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権10000mが行われ、女子は廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が31分13秒78で2年ぶり4回目の優勝を果たした。
廣中に笑顔が戻ってきた。昨年は膝を痛めた影響もあり、実にトラックの10000mは2023年12月の日本選手権以来。「この雨のなか、本当にたくさんの声援が力になりました。去年は走れずに悔しい思いもしたぶん、今回帰ってこられてすごくうれしい気持ちです」と実感を込めた。
ペースメーカーが安定したラップを刻み、先頭争いはどんどん絞られていき、4000mからは矢田みくに(エディオン)とのマッチアップとなる。「8000mまでと(ペースメーカーが)行ってくださって、そこからは自分のペースで行くつもり」というレースプランを思い描いていた。
しかし、雨で少し冷えもあったことから「なかなか動きがはまらなかったので、後半はしっかり切り替えようという気持ちでした」。残り4周で矢口に前に出られても動じることはなかった。
残り800mで満を持してスパートを仕掛けた。「行くと決めたらガツンと行こうと思っていました。最後まで自分らしく、しっかりスパートをかけれたと想います」。残り600m、300mとギアを上げて矢口を突き放し、2年ぶりの頂点に返り咲いた。
昨年はケガの影響で、代表入りが確実視されていたパリ五輪も出場はならなかった。11月のクイーンズ駅伝3区で復帰を果たすと、12月にはエディオンディスタンスチャレンジ5000mで15分33秒25で走っていた。
苦しい期間を乗り越えて、日本選手権の舞台に戻り、「これからもどんどん、廣中璃梨佳の走りを見てほしいです」と声を弾ませる。
東京世界選手権出場への挑戦はまだ道半ばだ。「このレースをきっかけに、またステップとしながら自分の走りに磨きをかけたいです」。さらなる進化を追い求めていく。
2位の矢田は31分20秒09、32分18秒25で3位に兼友良夏(三井住友海上)が入った。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.30
5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場
2025.04.30
26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得
2025.04.30
100mH寺田明日香 恩師の訃報に「熱意と愛情を少しでも次の世代へ引き継げるように」
-
2025.04.30
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
2025.04.28
100mH田中佑美が国内初戦「ここから毎週のように緊張する」/織田記念
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.01
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.30
5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場
5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]
2025.04.30
26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得
世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]
2025.04.30
100mH寺田明日香 恩師の訃報に「熱意と愛情を少しでも次の世代へ引き継げるように」
福島千里や寺田明日香ら女子短距離を中心に数々の名選手を育成した中村宏之氏が4月29日に79歳で他界したことを受け、寺田が自身のSNSを更新して思いを綴った。 寺田は北海道・恵庭北高時代に中村氏の指導を受け、100mハード […]
2025.04.30
9月の東京世界陸上に都内の子どもを無料招待 引率含め40,000人 6月から応募スタート
東京都は今年9月に国立競技場をメイン会場として開かれる世界選手権に都内の子どもたちを無料招待すると発表した。 「臨場感あふれる会場での観戦を通じて、都内の子供たちにスポーツの素晴らしさや夢と希望を届ける」というのが目的。 […]
2025.04.30
新しい形の競技会「THE GAME」が9月14日 大阪・万博記念競技場で開催決定!
「陸上競技の魅力を最大限に引き出し、観客と選手の双方にとって忘れられない体験を」をコンセプトに、三重県で開催されてきた『THE GAME』。今年は会場を大阪府。万博記念競技場を移して、9月14日に行われることが決まった。 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)