2025.03.31
Hondaは3月31日付で退部する選手を発表した。退部するのは足羽純実、川瀬翔矢、菅原伊織の3選手。
足羽は1995年生まれの30歳。鳥取出身で米子松蔭高から法大を経て17年に入社した。大学時代は3大駅伝に出走し、箱根では序盤区間を走るなどチームの主力として活躍している。育成枠として入社ながら、21年に初マラソンだったびわ湖毎日で2時間7分54秒をマーク。また、引退レースとなった今年2月の別府大分毎日では2時間7分11秒の自己記録で4位に入った。
足羽は「幸せな競技者だったと心から感じています。これからは、競技で得た経験と忍耐力を武器に、『社業』という新たなマラソンに挑戦します」とコメントしている。
川瀬は皇學館大から21年に入社。4年時には全日本大学駅伝で2区区間賞を獲得し、5000mで13分28秒70をマークするなど、関東勢と互角に渡り合う力をつけた。全日本実業団対抗男子駅伝(ニューイヤー駅伝)では22年に1区、23年に3区を務め、チームの連覇に貢献。「自分の思ったような走りができず、悔しさばかりでしたが、それすらも楽しめたのは、最高のチームメイトのおかげです」という川瀬は今後も競技を続ける。
菅原は國學院久我山高(東京)、城西大を経て21年に入部。大学時代には箱根駅伝3区を務めるなどした。実業団入り後は自己記録を更新できず「思うように走れず、とても苦しい4年間となりました。そんな中でも貴重な経験をたくさんさせていただきました。今後は社業に専念しますので、その経験を生かして頑張っていきたいと思います」とコメントしている。
また、大澤陽祐シニアエグゼクティブアドバイザー、大志田秀次エグゼクティブアドバイザーのスタッフ2名の退部も発表。大澤氏は中大OBで、選手、コーチ、監督などを歴任した生え抜き。「設楽悠太選手のマラソン日本記録更新やニューイヤー駅伝優勝等に立ち会えたことは貴重な財産となりました」と振り返っている。
大志田氏は本田技研(現・Honda)時代にアジア大会1500m優勝。引退後は1991年から2001年まで本田技研コーチを務め、94年から99年までは中大コーチも兼務。96年に中大は箱根駅伝で総合優勝を経験した。
2011年に創部された東京国際大の監督に就任し、箱根駅伝の常連となるチームの礎を築いた。23年4月に現職に就いていた。4月から明大の駅伝監督に就任することが発表されており、「Hondaでの経験を自身の強みとして、世界に通用する選手育成に努めて参ります」とコメントしている。
Hondaは22、23年にニューイヤー駅伝を連覇している名門で、パリ五輪代表の小山直城、青木涼真らが在籍している。
Honda退部の3選手とスタッフ2名のコメント全文
●足羽純実 「8年間、ご声援いただき本当にありがとうございました。 最後のマラソンで自己ベストを更新し、有終の美を飾れたことは一生の思い出です。 育成枠からスタートし、最後の最後まで第一線で悔いなく競技を続けられたことは、幸せな競技者だったと心から感じています。これからは、競技で得た経験と忍耐力を武器に、『社業』という新たなマラソンに挑戦します。引き続き、長い道のりを一歩ずつ進んでいきますので、今後ともよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました!」 ●川瀬翔矢 「素晴らしいメンバー、スタッフ、環境のもと4年間Hondaのユニフォームを着て、競技ができて幸せでした! ただ、自分の思ったような走りができず、悔しさばかりでしたが、それすらも楽しめたのは、最高のチームメイトのおかげです。4年間応援ありがとうございました!」 ●菅原伊織 「今期をもって陸上競技部を勇退することになりました。入社してから、思うように走れず、とても苦しい4年間となりました。そんな中でも貴重な経験をたくさんさせていただきました。今後は社業に専念しますので、その経験を生かして頑張っていきたいと思います。今までありがとうございました!」 ●大澤陽祐シニアエグゼクティブアドバイザー 「陸上競技部在籍中は選手、コーチ、監督、現職と様々な立場で活動させていただきました。その間、設楽悠太選手のマラソン日本記録更新やニューイヤー駅伝優勝等に立ち会えたことは貴重な財産となりました。これまで支えていただいた方々に心より感謝申し上げます。引き続きHonda陸上競技部へのご支援を、よろしくお願いいたします。」 ●大志田秀次エグゼクティブアドバイザー 「3月末をもちまして、Honda陸上競技部を退部することになりました。在籍中、2つの世界大会への日本代表選手輩出(ブダペスト2023世界陸上、パリ2024オリンピック)、MGC優勝、日本選手権優勝、そしてニューイヤー駅伝2年連続準優勝と、日本陸上界のトップチームのスタッフとして現場に立ち合い、充実した2年間を過ごすことが出来ました。常に、挑戦し勝利を目指していく企業姿勢を陸上競技というスポーツで表現していくことは簡単なことではなく、幾多の困難を選手とスタッフのコミュニケーションで乗り越えて結果に結び付け、更なる高みを追いかける姿勢には多くの事を学ばせていただきました。スタッフとして受け入れていただき貴重な経験を積むことができましたこと、フロント、チームスタッフ、選手の皆様に感謝申し上げます。 今後は、大学での学生指導を新たにスタートいたしますが、Hondaでの経験を自身の強みとして、世界に通用する選手育成に努めて参ります。ご支援、ご声援を、ありがとございました」
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