◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)4日目
パリ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権の4日目に行われた女子100mハードルで、福部真子(日本建設工業)が12秒86(-0.2)で2年ぶりに優勝した。準決勝で12秒75(+0.8)を出し、パリ五輪参加標準記録(12秒77)を突破していたため、五輪代表に内定した。
「しっかり1番が取れて内定をいただけたので、パリに向けて気が引き締まる思いです」
決勝前日は「全然寝られなかったです」。1年前の日本選手権。ブダペスト世界選手権の参加標準記録を突破しながらも4位に敗れて世界選手権を逃した。「そのトラウマも正直ありました」。ただ、福部は打ち勝った。
トラックに立った時には「スタートだけに集中して、あとは回っていくものを止めない。それだけを唱えていました」。雨が降るなか、加速で他を一歩リードする。田中佑美(富士通)が猛追するなか、上体を突き出し、制した。
「決勝の動きが一番悪かったですが、アベレージとして12秒8を出せたのは良かったです」
インターハイ3連覇を果たした稀代のハードラー。何度も引退を考えながら、逆境をはね除けてそのたびに舞台に戻ってきた。コロナ禍を経て、地元・広島へ帰り、競技を続けると決めた時に「パリ五輪」と明確に定め、覚悟を決めた。
22年にはオレゴン世界選手権の舞台に立ち、日本記録を2度更新。だが、12秒73の『日本記録保持者』という称号は、あれだけ苦しんだ『インターハイ3連覇』の重圧よりも大きかった。
「急に日本代表になって、急に日本記録保持者になった。自分のキャリアの中で一気に押し寄せてきたんです」
参加標準記録を切り、世界と戦うことを目指すなかで、ワールドランキングのポイントを獲得しなければいけないという葛藤もあった。それでも「参加標準記録」にこだわり続け、この大一番で達成した。
昨年の出来事を「失敗と思えずにいられる」。この1年、「ダメな時にこそ気づけることがあり、ものすごく財産になりました」。スタート前によぎったのは「去年、一緒に悔し涙を流してくれた人たちと喜びを分かち合いたい」という思いだった。
「オリンピックは夢の舞台。人生で一度でいいから絶対に出たいと思ってやってきました」
ブダペスト世界選手権を逃した後に、欧州転戦した際に「下見」でパリを訪れた。支えてくれたたくさんの人たちの応援を背に、約束の地に飛ぶためのチケットを自らつかみとった。
【動画】福部真子が涙のパリ五輪内定! 女子100mHのレースをチェック!
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.30
城西大が2冠達成!2区・本間香が区間新、順位下げるも7区で再逆転/富士山女子駅伝
-
2025.12.30
-
2025.12.30
-
2025.12.30
-
2025.12.30
-
2025.12.30
-
2025.12.29
-
2025.12.30
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
-
2025.12.21
-
2025.12.21
-
2025.12.21
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.30
城西大が悲願の初優勝! アンカー・大西由菜が競り勝つ「ここでやらないと一生後悔する」/富士山女子駅伝
◇2025富士山女子駅伝(12月30日/静岡・富士山本宮浅間大社前~富士総合運動公園陸上競技場:7区間43.4km) 学生女子駅伝2大タイトルの一つ、富士山女子駅伝が行われ城西大が2時間22分35秒(速報値)で初優勝を飾 […]
2025.12.30
城西大が2冠達成!2区・本間香が区間新、順位下げるも7区で再逆転/富士山女子駅伝
◇2025富士山女子駅伝(12月30日/静岡・富士山本宮浅間大社前~富士総合運動公園陸上競技場:7区間43.4km) 学生女子駅伝2大タイトルの一つ、富士山女子駅伝が行われ城西大が2時間22分35秒(速報値)で初優勝を飾 […]
2025.12.30
城西大初優勝へ!!2区・本間香が圧巻区間新でトップへ「自分のペースで走ることできた」/富士山女子駅伝
◇2025富士山女子駅伝(12月30日/静岡・富士山本宮浅間大社前~富士総合運動公園陸上競技場:7区間43.4km) 学生女子駅伝2大タイトルの一つ、富士山女子駅伝が行われ、2区終了時点で城西大がトップ中継した。 広告の […]
2025.12.30
100m日本記録保持者の山縣亮太が結婚報告「より一層競技に邁進」
男子100m日本記録保持者の山縣亮太(セイコー)が自身のSNSを更新し、2025年に結婚したことを報告した。 山縣は今季を振り返り「激動の一年でした」と綴る。膝の手術から復帰を果たし、再びの代表入りを目指していたが、24 […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳
