◇第108回日本選手権10000m(5月3日/静岡・小笠山総合運動公園静岡スタジアム)
パリ五輪代表選考会となる日本選手権10000mが行われ、男子10000mは葛西潤(旭化成)が日本歴代4位の27分17秒46をマークして優勝した。
3位に入ったのが前田和摩(東農大)の走りに衝撃が走った。ラスト勝負まで葛西に食らいつくと、ラストは太田智樹(トヨタ自動車)にかわされたものの、日本歴代5位、U20日本新、日本人学生最高となる27分21秒52をマーク。今季のU20世界リストトップに立つ圧巻のタイムだった。
当初のエントリーでは出場枠外のウエイティングだったが、棄権者が出たことで出場にこぎつけた前田。「今日は自分の力がどこまで通用するのかというのだけで、がむしゃらに付いていくことだけ考えました」。
佐藤圭汰(駒大)のU20日本記録27分28秒50も「電子ペーサーを目指せば切れる」と頭にはありつつレースを進めた。最後はさすがに「きつくなってきた」と言い「最後までもつかなとも思ったのですが、余計なことを考えずに、ひたすら前を追いかけました」と振り返る。
パリ五輪を目指す特別なトラック25周。「こんなレースは日本でも何人か出られないすごいレース。出させていただけることがありがたいですし、今後の自分にとって大きな経験になったと思います」と初々しいながらも、しっかりとしたまなざしを向ける。
学生の間は「チームを大事に」としつつ、「世界の舞台で走りたい思いもあります」と前田。特大の記録を出してなお、未知なる可能性を感じさせる大器が、鮮烈な“シニアデビュー”を飾った。
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