HOME 国内、大学

2024.02.25

衝撃の初マラソン初V!平林清澄の快走にを指導した國學院大・前田康弘監督「妥協しない。努力をしてきましたから」/大阪マラソン
衝撃の初マラソン初V!平林清澄の快走にを指導した國學院大・前田康弘監督「妥協しない。努力をしてきましたから」/大阪マラソン

國學院大の平林清澄(左)と前田康弘監督

◇大阪マラソン2024(2月25日/大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ)

ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズGSで、パリ五輪代表選考会マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジを兼ねた大阪マラソン2024が2月25日に行われ、國學院大3年の平林清澄が日本歴代7位、初マラソン日本最高、学生新記録となる2時間6分18秒で優勝を飾った。

前田康弘監督は、「夏から、このマラソンに向けての準備をしてきた。努力をしてきましたから」と教え子の快走を称えた。

大学入学後から、自然と視野に入ってきたのがマラソン。ただ、昨年のこの大会も出場を目指していたものの、ケガの影響で断念している。「昨年、もし出ていたとしても2時間10分台ぐらい。そこから一回りも二回りも強くなりました」と、今大会に向けた平林の取り組みの成果を強調した。

168cm、44kgの「軽量ボディ」(前田監督)ながら、軽やかな、大きな走りは「彼の武器。アフリカ出身選手のようなイメージがあります」。日頃から股関節を中心に大きな動きの可動域を大きさを確保しつつ、バランスを整えるトレーニングを取り入れ、「筋力というよりは、しなやかな走り」を目指してきた。

性格面では「シンプルだし、妥協しない。『今日はこれぐらいでいいかな』ということはありません」。前田監督が練習に対する向き合い方の例として、母校・駒大を挙げ、前田監督の1学年先輩にあたる藤田敦史監督が、大八木弘明総監督とともにマラソンを目指した学生時代の頃と重ね合わせる。「競技、練習に対する向き合い方はめちゃくちゃ似ています。こちらは止めることが仕事」と言うほどで、ベースを作る昨年8月には月間1200kmを走りこんだという。

細身ながら、食が細いわけではなく「むしろよく食べますが、それでも太らない」。また、「心拍も強い」。マラソンランナーとしての素質と、それを開花させるために努力を惜しまない強い意志。それが、初マラソンでの快挙につながった。

広告の下にコンテンツが続きます

今後は、さらなる上のステージに目を向ける。4月後半には上海ハーフに出場予定。「海外のレースは食事などを含めて条件が変わってきます。それを早めに経験させたい」と前田監督は、その意図を説明した。

パリ五輪の代表選考が懸かったレースながら、平林自身はそれに該当しておらず、「気持ち的にはかなり楽に臨める立場」だった。今後の課題は、「勝負のレースで力を見せて、勝ち切れるか」。

卒業後は実業団での競技継続を考えているが、「彼もそれを望んでくれた」と國學院大を拠点にする予定だ。「世界の大舞台を目指して準備していきたい」と前田監督。二人三脚で、4年後のロサンゼルス五輪に向かって新たな一歩を踏み出す。

◇大阪マラソン2024(2月25日/大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ) ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズGSで、パリ五輪代表選考会マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジを兼ねた大阪マラソン2024が2月25日に行われ、國學院大3年の平林清澄が日本歴代7位、初マラソン日本最高、学生新記録となる2時間6分18秒で優勝を飾った。 前田康弘監督は、「夏から、このマラソンに向けての準備をしてきた。努力をしてきましたから」と教え子の快走を称えた。 大学入学後から、自然と視野に入ってきたのがマラソン。ただ、昨年のこの大会も出場を目指していたものの、ケガの影響で断念している。「昨年、もし出ていたとしても2時間10分台ぐらい。そこから一回りも二回りも強くなりました」と、今大会に向けた平林の取り組みの成果を強調した。 168cm、44kgの「軽量ボディ」(前田監督)ながら、軽やかな、大きな走りは「彼の武器。アフリカ出身選手のようなイメージがあります」。日頃から股関節を中心に大きな動きの可動域を大きさを確保しつつ、バランスを整えるトレーニングを取り入れ、「筋力というよりは、しなやかな走り」を目指してきた。 性格面では「シンプルだし、妥協しない。『今日はこれぐらいでいいかな』ということはありません」。前田監督が練習に対する向き合い方の例として、母校・駒大を挙げ、前田監督の1学年先輩にあたる藤田敦史監督が、大八木弘明総監督とともにマラソンを目指した学生時代の頃と重ね合わせる。「競技、練習に対する向き合い方はめちゃくちゃ似ています。こちらは止めることが仕事」と言うほどで、ベースを作る昨年8月には月間1200kmを走りこんだという。 細身ながら、食が細いわけではなく「むしろよく食べますが、それでも太らない」。また、「心拍も強い」。マラソンランナーとしての素質と、それを開花させるために努力を惜しまない強い意志。それが、初マラソンでの快挙につながった。 今後は、さらなる上のステージに目を向ける。4月後半には上海ハーフに出場予定。「海外のレースは食事などを含めて条件が変わってきます。それを早めに経験させたい」と前田監督は、その意図を説明した。 パリ五輪の代表選考が懸かったレースながら、平林自身はそれに該当しておらず、「気持ち的にはかなり楽に臨める立場」だった。今後の課題は、「勝負のレースで力を見せて、勝ち切れるか」。 卒業後は実業団での競技継続を考えているが、「彼もそれを望んでくれた」と國學院大を拠点にする予定だ。「世界の大舞台を目指して準備していきたい」と前田監督。二人三脚で、4年後のロサンゼルス五輪に向かって新たな一歩を踏み出す。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.12.13

國學院大エースの平林清澄「どの区間でもエースとしての走りをする」最後の箱根駅伝「監督を大号泣させたい」

第101回箱根駅伝に出場する國學院大が12月13日、東京の渋谷キャンパスで壮行会が開かれ、前田康弘監督と選手たちが登壇。壮行会後に主将の平林清澄(4年)が報道陣の合同取材に応じた。 2冠を獲得しているだけに、壮行会にはフ […]

NEWS 國學院大・前田康弘監督 箱根駅伝初制覇へ「復路で仕留めにいく」自身も駒大初Vの主将「平林にも…」

2024.12.13

國學院大・前田康弘監督 箱根駅伝初制覇へ「復路で仕留めにいく」自身も駒大初Vの主将「平林にも…」

第101回箱根駅伝に出場する國學院大が12月13日、東京の渋谷キャンパスで壮行会が開かれ、前田康弘監督と選手たちが登壇。壮行会後に前田監督が報道陣の合同取材に応じた。 前田監督は壮行会を振り返り、「すごい人数でビックリし […]

NEWS 箱根駅伝初V狙う國學院大が壮行会 前田康弘監督「チーム力、団結力がある」

2024.12.13

箱根駅伝初V狙う國學院大が壮行会 前田康弘監督「チーム力、団結力がある」

第101回箱根駅伝に出場する國學院大が12月13日、東京の渋谷キャンパスで壮行会が開かれ、前田康弘監督と選手たちが登壇した。 出雲駅伝、全日本大学駅伝を制した國學院大。多くのファン・学生が壮行会を見守り、その注目度の高さ […]

NEWS 40歳・岡本直己が来年1月で引退へ 都道府県駅伝通算134人抜き、マラソンでも活躍

2024.12.13

40歳・岡本直己が来年1月で引退へ 都道府県駅伝通算134人抜き、マラソンでも活躍

中国電力に所属する岡本直己が来年1月に引退することが12月13日、明らかになった。 1984年5月生まれで40歳の岡本。鳥取・東伯中、由良育英高(現・鳥取中央育英高)を経て明大に進んだ。大学2年時には、箱根駅伝予選会の1 […]

NEWS ユニクロの長沼祥吾監督が11月末で退任 プリンセス駅伝でトップ通過に導く 後任は未定

2024.12.13

ユニクロの長沼祥吾監督が11月末で退任 プリンセス駅伝でトップ通過に導く 後任は未定

12月13日、ユニクロは長沼祥吾監督が11月末で退任し、来年2月末をもって退社することを発表した。 長沼監督は長崎県出身の56歳。筑波大大学院を修了後、94年に営団地下鉄陸上部の立ち上げにあたって監督に就任。世界選手権マ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top