2023.12.30
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)
第95回(2019年/平成31年)
順大・塩尻和也が2区で20年ぶりの日本人最高 青学大が復路5連覇
2018-19年シーズンの学生駅伝は、青学大が10月の出雲、11月の全日本を制し、正月の箱根では初の「2度目の学生駅伝3冠」と、史上3校目の総合5連覇なるかが最大の見どころだった。この王者に加え、出雲2位で全日本3位の東洋大、出雲3位で全日本2位の東海大の2校が優勝争いの軸と見られていた。
また、節目の記念大会として、出場チームが例年の21チームから23チームに拡大された。
1区は前回区間賞の東洋大・西山和弥(2年)が2年連続の区間賞。1秒差で中大、5秒差で青学大と続き、東海大は8秒差の6位発進となった。例年以上の混戦で、先頭から47秒差で15チームがひしめいた。
2区は9位から順位を上げてきた国士大のライモイ・ヴィンセント(1年)が、戸塚中継所直前で先頭を走っていた東洋大を逆転。国士大の2区トップ通過は46年ぶりだった。
さらに、日大のパトリック・マセンゲ・ワンブィは13人を抜き去り、歴代2位の1時間6分18秒で区間賞を獲得した。また、順大・塩尻和也(4年)が、1時間6分45秒(区間2位)をマーク。日本人最高記録を20年ぶりに塗り替えた。
3区は東洋大・吉川洋次(2年)が国士大から首位を奪い返し、独走する。後方からは青学大・森田歩希(4年)が前回2区区間賞の実力を発揮。先行するチームを次々と抜いて、残り1km付近で東洋大をも逆転。7年ぶりの区間新記録となる1時間1分26秒で首位に躍り出る。
4区に入ると東洋大・相澤晃(3年)が快走を演じた。区間記録を1分27秒更新する1時間0分54秒の区間新。ほぼ同じコースで行われた75回大会(1999年)で藤田敦史(駒大)が出した当時の区間記録(1時間0分56秒)をも上回り、後続を2分48秒引き離した。2位は東海大で、館澤亨次(3年)が4位から2つ順位を上げた。
5区は東洋大・田中龍誠(2年)が前回に続いて独走。区間新ペースで走る2位の東海大・西田壮志(3年)を振り切り、再び往路優勝のフィニッシュテープを切った。2位東海大も1分14秒差まで縮めて復路逆転につないだ。また、國學院大が往路過去最高順位の3位。6位でタスキを受けた浦野雄平(3年)が1時間10分54秒の区間新で3人を抜いた。
6区も東洋大・今西駿介(3年)が58分台前半の好ペースで駆け下り、首位をキープ。東海大・中島怜利(3年)も詰めたがわずか6秒だけにとどまった。
7区では東海大・阪口竜平(3年)が東洋大を追いかけ、小田原での1分08秒差が平塚ではたったの4秒差に接近。青学大は前回区間新の林奎介(4年)が区間記録には届かなかったものの、2年連続区間賞で3位に進出したものの上位の背中は遠かった。
8区でついに首位交代劇が起こる。東海大・小松陽平(3年)が東洋大・鈴木宗孝(1年)に追いつき、後ろについたままレースを進める。動いたのは14.6km。小松が遊行寺坂の手前で振り切ると、1時間3分49秒で走破。73回大会(1997年)の古田哲弘(山梨学大)が打ち立てた区間記録(1時間4分05秒)を22年ぶりに塗り替えた。
トップに立った東海大は9区・湊谷春紀(4年)、10区が郡司陽大(3年)がともに区間上位で好走。出場46回目にして初の総合優勝を達成。総合タイム10時間52分09秒は、前回Vの青学大から5分30秒も短縮する大会新記録となった。青学大が2位でフィニッシュ。4年間守り続けた王座は失ったものの、復路5連覇を果たす。往路、復路、総合でいずれも異なるチームが優勝したのは、2006年の82回大会以来だった。
シード権を獲得したチームのうち、7位の國學院大は往路に続いて大学史上最高順位。一方で早大は12位に終わり13年ぶりにシードを逃した。金栗四三杯は東海大・小松が選ばれた。
第95回(2019年/平成31年) 順大・塩尻和也が2区で20年ぶりの日本人最高 青学大が復路5連覇
2018-19年シーズンの学生駅伝は、青学大が10月の出雲、11月の全日本を制し、正月の箱根では初の「2度目の学生駅伝3冠」と、史上3校目の総合5連覇なるかが最大の見どころだった。この王者に加え、出雲2位で全日本3位の東洋大、出雲3位で全日本2位の東海大の2校が優勝争いの軸と見られていた。 また、節目の記念大会として、出場チームが例年の21チームから23チームに拡大された。 1区は前回区間賞の東洋大・西山和弥(2年)が2年連続の区間賞。1秒差で中大、5秒差で青学大と続き、東海大は8秒差の6位発進となった。例年以上の混戦で、先頭から47秒差で15チームがひしめいた。 2区は9位から順位を上げてきた国士大のライモイ・ヴィンセント(1年)が、戸塚中継所直前で先頭を走っていた東洋大を逆転。国士大の2区トップ通過は46年ぶりだった。 さらに、日大のパトリック・マセンゲ・ワンブィは13人を抜き去り、歴代2位の1時間6分18秒で区間賞を獲得した。また、順大・塩尻和也(4年)が、1時間6分45秒(区間2位)をマーク。日本人最高記録を20年ぶりに塗り替えた。 3区は東洋大・吉川洋次(2年)が国士大から首位を奪い返し、独走する。後方からは青学大・森田歩希(4年)が前回2区区間賞の実力を発揮。先行するチームを次々と抜いて、残り1km付近で東洋大をも逆転。7年ぶりの区間新記録となる1時間1分26秒で首位に躍り出る。 4区に入ると東洋大・相澤晃(3年)が快走を演じた。区間記録を1分27秒更新する1時間0分54秒の区間新。ほぼ同じコースで行われた75回大会(1999年)で藤田敦史(駒大)が出した当時の区間記録(1時間0分56秒)をも上回り、後続を2分48秒引き離した。2位は東海大で、館澤亨次(3年)が4位から2つ順位を上げた。 5区は東洋大・田中龍誠(2年)が前回に続いて独走。区間新ペースで走る2位の東海大・西田壮志(3年)を振り切り、再び往路優勝のフィニッシュテープを切った。2位東海大も1分14秒差まで縮めて復路逆転につないだ。また、國學院大が往路過去最高順位の3位。6位でタスキを受けた浦野雄平(3年)が1時間10分54秒の区間新で3人を抜いた。 6区も東洋大・今西駿介(3年)が58分台前半の好ペースで駆け下り、首位をキープ。東海大・中島怜利(3年)も詰めたがわずか6秒だけにとどまった。 7区では東海大・阪口竜平(3年)が東洋大を追いかけ、小田原での1分08秒差が平塚ではたったの4秒差に接近。青学大は前回区間新の林奎介(4年)が区間記録には届かなかったものの、2年連続区間賞で3位に進出したものの上位の背中は遠かった。 8区でついに首位交代劇が起こる。東海大・小松陽平(3年)が東洋大・鈴木宗孝(1年)に追いつき、後ろについたままレースを進める。動いたのは14.6km。小松が遊行寺坂の手前で振り切ると、1時間3分49秒で走破。73回大会(1997年)の古田哲弘(山梨学大)が打ち立てた区間記録(1時間4分05秒)を22年ぶりに塗り替えた。 トップに立った東海大は9区・湊谷春紀(4年)、10区が郡司陽大(3年)がともに区間上位で好走。出場46回目にして初の総合優勝を達成。総合タイム10時間52分09秒は、前回Vの青学大から5分30秒も短縮する大会新記録となった。青学大が2位でフィニッシュ。4年間守り続けた王座は失ったものの、復路5連覇を果たす。往路、復路、総合でいずれも異なるチームが優勝したのは、2006年の82回大会以来だった。 シード権を獲得したチームのうち、7位の國學院大は往路に続いて大学史上最高順位。一方で早大は12位に終わり13年ぶりにシードを逃した。金栗四三杯は東海大・小松が選ばれた。第95回箱根駅伝総合成績をチェック
●総合成績 1位 東海大 10時間52分09秒 2位 青学大 10時間55分50秒 3位 東洋大 10時間58分03秒 4位 駒大 11時間01分05秒 5位 帝京大 11時間03分10秒 6位 法大 11時間03分57秒 7位 國學院大11時間05分32秒 8位 順大 11時間08分35秒 9位 拓大 11時間09分10秒 10位 中央学大11時間09分23秒 11位 中大 11時間10分39秒 12位 早大 11時間10分39秒 13位 日体大 11時間12分17秒 14位 日大 11時間13分25秒 15位 東京国際大11時間14分42秒 16位 神奈川大11時間15分51秒 17位 明大 11時間16分42秒 18位 国士大 11時間16分56秒 19位 大東大 11時間19分48秒 20位 城西大 11時間19分57秒 21位 山梨学大11時間24分49秒 22位 上武大 11時間31分14秒 関東学生連合11時間21分51秒 ●区間賞 1区 西山和弥(東洋大) 1時間02分35秒 2区 P.M.ワンブィ(日大)1時間06分18秒 3区 森田歩希(青学大) 1時間01分26秒 4区 相澤晃(東洋大) 1時間00分54秒 5区 浦野雄平(國學院大)1時間10分54秒 6区 小野田勇次(青学大) 57分57秒 7区 林奎介(青学大) 1時間02分18秒 8区 小松陽平(東海大) 1時間03分49秒 9区 吉田圭太(青学大) 1時間08分50秒 10区 星岳(帝京大) 1時間09分57秒RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.11.17
-
2025.11.16
-
2025.11.16
-
2025.11.14
-
2025.11.13
-
2025.11.15
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.17
クイーンズ駅伝「クマ対応」出没時間によって開催・中止を本部で決定 広瀬川沿い、1区の松島町、利府町内を警戒
一般社団法人日本実業団陸上競技連合は11月17日、全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝in宮城/11月23日)における「クマ対応」を発表した。 頻発するクマによる被害を鑑みての対応。松島町の文化交流館前のスタート地点 […]
2025.11.17
長谷川体育施設が日本陸連のオフィシャルサポーティングカンパニーに “協働”と“共創”目指す
日本陸連は11月17日、新たな協賛企業として、スポーツ施設総合建設業の長谷川体育施設(本社・東京都世田谷区/仁ノ平俊和社長)が決定したと発表した。11月からの契約で、カテゴリーとしては「オフィシャルサポーティングカンパニ […]
2025.11.17
男子は東京世界陸上5000m11位のキプサング、女子はアメバウが制覇 そろってツアー2勝目/WAクロカンツアー
世界陸連(WA)クロスカントリーツアー・ゴールドの第4戦「クロス・インターナショナル・デ・ソリア」が11月16日、スペイン北部のソリアで開催され、男子(8km)はM.キプサング(ケニア)が23分10秒で優勝した。 キプサ […]
2025.11.17
女子砲丸投・鞏立姣が現役引退 世界選手権2連覇含む8大会連続メダル獲得
女子砲丸投の五輪・世界選手権金メダリストの鞏立姣(中国)が現役を引退することがわかった。 鞏立姣は東京五輪で金メダルを獲得している36歳。世界選手権では2017年ロンドン、19年ドーハ大会で2連覇している。 18歳で初出 […]
2025.11.16
佐久長聖2時間4分57秒で27連覇 長野東1時間8分10秒でV17 地区代表は2年連続で長野日大&新潟一/北信越高校駅伝
北信越高校駅伝が11月16日、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムを発着とする駅伝周回コースで行われ、男子(7区間42.195Km)は佐久長聖(長野)が2時間4分57秒で27連覇を決めた。女子(5区間21.0975Km) […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025