2023.08.20
第50回全日本中学校選手権が8月22日~25日の4日間、愛媛県総合運動公園陸上競技場(ニンジニアスタジアム)で開催される。1974年に始まり、多くの中学アスリートが輝きを放った大会も半世紀。節目となる大舞台の注目種目を紹介していく。
注目は何といっても100mだ。近年は高速化が進んでいるが、その流れは中学生にも波及。2022年度末のリスト10番目が10秒84だったが、今季はこの時点で10秒85以内に20人以上がひしめく。また、中学歴代10傑には4人が入っている。
8月の関東大会で片山瑛太(鎌ケ谷二3千葉)がリストトップとなる10秒56をマーク。宮本大輔(山口フィナンシャルグループ)が周陽中時代の2014年に出した中学記録に並んだ。ほかにも10秒61(中学歴代4位タイ)の安田夢雄生(星峯3鹿児島)、10秒63(中学歴代7位)の矢澤煌希(川越城南3埼玉)、10秒66(中学歴代9位)の土井カハル(枚方一3大阪)といった選手がいる。
10秒80でもリストトップ10に入られない活況ぶり。多くの選手が200mでも好記録を持っているが、個人1種目のみのエントリーとなる今大会では、リスト上位のほとんどが100mを選ぶ見込みで大激戦となりそうだ。
この中から誰が15組タイムレースで行われる厳しい予選を突破してくるか。中学記録や10秒64の大会記録の更新をにらみ、予選から白熱した展開が予想される。コンディションやペース、レース展開に左右されない強さ、集中力およびピーキング力の高さが求められることになるだろう。
記録の面では、前回中学記録が誕生した110mハードルも目が離せない。髙城昊紀(宮崎西高附3)が7月下旬の県中学総体予選で13秒52(-0.5)を叩き出し、中学記録にあと0.01秒と迫った。
昨年、中2で初の13秒台となる13秒90を出していた髙城。今季も好調で5月下旬に13秒69をマークするなど、順調にシーズンを送っている。8月上旬の九州大会が台風の影響で中止となり、1ヵ月ぶりとなるレースでどんな走りを見せるか。2年連続中学新の可能性も十分にある。
男子砲丸投では、7月下旬の北海道大会で大垣尊良(厚真3北海道)が16m68の中学歴代4位をプットした。砲丸投を始めた小5から回転投法に取り組み、昨年の14m14から大きく記録を伸ばしている。また、昨年のU16大会5位の星川俊輔(新庄3山形)も東北大会で16m07をマークしており、優勝を狙っているはずだ。
その他の種目では、200mでは四国大会で21秒86を出した井手友郎(桑原3愛媛)に地元優勝の可能性がある。400mでは49秒36でリストトップの吉田明仁(中郷西3静岡)が有力。200mでも21秒台のスピードを持つのが特徴だ。
予選は17組で行われる800mは、8月12日の国体北海道代表選考会で中学歴代5位の1分53秒43を出した山田和生(音更3北海道)がV候補筆頭。1500mは、7月に、中学記録にあと1秒08と迫る中学歴代3位の3分50秒10をマークした田中悠大(岩出二3和歌山)がどんなレースを見せるか。
走高跳では清水怜修(毛呂山3埼玉)の2m01を筆頭に今季すでに3人が2m00を越えており、激戦となりそうだ。
「おもてなし日本一のまち」松山の地で、どんなドラマが待ち受けているか。記憶と記録に残る熱戦を期待したい。
大会の模様はNHKのEテレで25日14時10分から15時55分まで放送される。
文/花木 雫
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.10.17
【大会結果】U18・16大会(2025年10月17日~19日)
2025.10.17
U18・16大会が今日開幕! 若きアスリートが伊勢で熱戦演じる
2025.10.16
各地区枠数は変わらず 関東10、北海道と北信越が2枠維持 2026年出雲駅伝の出場枠発表
-
2025.10.16
-
2025.10.15
-
2025.10.13
-
2025.10.13
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.10.17
【大会結果】U18・16大会(2025年10月17日~19日)
【大会結果】第19回U18・第56回U16陸上競技大会(2025年10月17日~19日/三重交通Gスポーツの杜伊勢陸上競技場) ■U18 ●男子 100m 300m 800m 3000m 110mH 300mH […]
2025.10.17
U18・16大会が今日開幕! 若きアスリートが伊勢で熱戦演じる
◇第19回U18・第56回U16陸上競技大会(2025年10月17日~19日/三重交通Gスポーツの杜伊勢陸上競技場) U18大会ならびにU16大会は10月17日から3日間の日程で開催される。 大会には高校3年生の早生まれ […]
2025.10.16
各地区枠数は変わらず 関東10、北海道と北信越が2枠維持 2026年出雲駅伝の出場枠発表
日本学連は10月16日、来年度に行われる第38回出雲全日本大学選抜駅伝(出雲駅伝)の出場枠を発表した。 10月13日に行われた第37回大会の結果で決定した。関東10、北海道2、東北1、北信越2、東海1、関西2、中国四国1 […]
2025.10.16
サニブラウン・アブデル・ハキームがU18・16大会に登場! 18日に中高生対象のトークイベント実施
日本陸連は10月16日、10月17日から開幕するU18・U16大会に東京世界選手権男子100m代表のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が来場し、トークイベントを実施することを発表した。 トークイベントはサニブラウン […]
2025.10.16
中央学大、大東大が上位候補か!? 東海大、順大、立教大、日大は主軸に力 「10枠」懸けた“立川決戦”/箱根駅伝予選会展望
第102回箱根駅伝予選会が、10月18日に東京・立川市の陸上自衛隊立川駐屯地をスタートし、国営昭和記念公園にフィニッシュするハーフマラソンのコースで行われる。 気温が上がった前回はタフなレースとなり、今回からはスタート時 […]
Latest Issue
最新号

2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望