2023.07.28
嶋本美海のプロフィール
◎しまもと・みみ/2005年4月5日生まれ。奈良県出身。奈良・斑鳩南中-添上高。陸上は中学から。小1から続けてきた硬式テニスの補助種目として始める。中学では砲丸投を中心に活動。中2で全中出場を果たし、陸上に専念。3年時はコロナ禍で全中が中止となったが、代替の全国中学生大会に出場。名門・添上高に進み、ハンマー投を始めると、1年秋のU18大会では9位。2年時の昨年は55m58の高2歴代2位で、優勝している。今年度はU20日本選手権を制し、南部記念では自己新で4位に入っている。北海道インターハイにはハンマー投に加え、砲丸投に出場する。自己ベストはハンマー投58m72(23年)、砲丸投12m69(23年)
南部記念で高校歴代2位
――南部記念を振り返っていただけますか。 嶋本 シニアの大会に出るのは初めてだったので最初は少し緊張しましたが、自分の力を試そうと思って臨んだ大会だったので、楽しみの方が大きかったですね。特に不安などもなく1投目から思い切って投げることができました。 ――1投目でいきなり自己新でした。 嶋本 3、4回転目は思い切って行けたのですが、スウィングの入りから2回転目までは、自分の中ではそんなに良い感覚ではなかったので、思ったよりも飛んだというのが正直な感想です。 ――2投目以降はいかがでしたか。 嶋本 記録を伸ばしていこうと変に考えてしまい、それが投げに出て記録更新につながらなかったと思います。やってきたことを信じて、何も考えずに集中して臨んだ1投目がベストという結果になってしまったので、そのあたりがまだまだ課題です。でも、シニアの大きな大会で自己ベストを更新でき、目標の60m台への手応えや、自信もつかめました。 ――6月中旬のインターハイ近畿大会以降、特に取り組んできたことは。 嶋本 投てきの際に、力を入れるところと抜くところを明確にする点を課題に取り組んできました。力を入れない区間を意識するようになってから記録も安定してきましたし、ファウルもぐっと少なくなりました。 ――インターハイが迫って、どんなところを重点的に練習していますか。 嶋本 4回転目で投げようとすると下半身の動きが固くなってしまうので、そこを南部記念が終わってから特に意識して練習しています。 ――3年生で迎えるインターハイは特に大切な大会です。大舞台への気持ちは。 嶋本 2年生の時は、試合に出るのが怖いという面もありましたが、昨秋のU18大会で優勝できたことをきっかけに、試合を楽しめるようになりました。素直に自分の気持ちをぶつけることができ、やってきたこと、自分を信じて臨めば結果が出せるということを実感でき、そこから不安もなくなり安心して試合に臨めるようになりました。 ――冬季練習はどんなことを取り組んできましたか。 嶋本 冬からずっとやってきたのは足裏の感覚を磨くことです。夏のインターハイでは絶対に負けたくないので、ちょっとした体重移動で、どれだけ投げに意識できるかが記録を左右してくるので、そこを重点的に意識して取り組んできました。技術練習の時はもちろん、歩いたり座ったりしている時やブリッジなどエクササイズをするときなど、常に体重移動、足裏の感覚を意識していました。 ――その成果を感じていますか。 嶋本 最近では意識しなくてもハンマー投の回転の際にも、自分が思っている感覚でスムーズに体重移動ができるようになってきました。昨年はインターハイ直前に指のケガをしてしまいましたが、今年は、ここまでケガや故障などもなく順調に過ごせています。 ――インターハイでの目標と、そこに向けてのポイントを教えてください。 嶋本 60m以上を投げて優勝するのが目標ですが、最低でも村上(来花)さん(弘前実高・青森/現・九州共立大)の持つ大会記録(59m00)は塗り替えたいです。技術面もメンタル面も、昨年より成長していると思うので、「本番で自分の持っている力をしっかり発揮できれば、達成できる」と信じて臨みます。硬式テニスやラグビーも経験
――陸上を始めたきっかけや、他のスポーツ経験を教えてください。 嶋本 陸上を始めたのは中学1年生からです。通っていた中学に女子が入れる運動部が少なく、ずっとやっていた硬式テニスの練習の一環として始めたのがきっかけです。硬式テニスは小1から。近所のクラブで中2まで続けていました。 ――小さい頃からスポーツに親しんでいたんですね。 嶋本 最初は運動が好きではなかったのですが、3つ年上の兄がサッカーをやっているのを見ていて、何かやったほうがいいかなと思ってテニスを友だちと一緒に始めました。 ――他の競技経験はありますか。 嶋本 ラグビーを小学3年生から6年生までやっていました。最初は女子チームのタグラグビーからはじめ、高学年からは通常のラグビークラブで男子に交じってフルバックをやるようになると、それまでの運動嫌いが嘘のようにめっちゃ走っていました(笑)。トライを決めたことも何度もあります。 ――中学で陸上を始めて、どの種目をやっていましたか。 嶋本 当時から身体も大きかったので顧問の先生に勧められて砲丸投を始めました。中2で全中に出たこともあり、陸上のほうがテニスより活躍できると感じて、陸上に専念するようになりました。 ――高校から始めたハンマー投はいかがですか。 嶋本 最初の練習で投げた時は15mぐらいだったと思います。それでも、砲丸投より投げでいて楽しい感覚があり、最初が15mだったということもありますが、技術などを教えてもらうたびに記録が伸び、意識を変えることで、それが記録に結びつく点に魅力を感じ今に至ります。 [caption id="attachment_109498" align="alignnone" width="800"]
嶋本美海のプロフィール
◎しまもと・みみ/2005年4月5日生まれ。奈良県出身。奈良・斑鳩南中-添上高。陸上は中学から。小1から続けてきた硬式テニスの補助種目として始める。中学では砲丸投を中心に活動。中2で全中出場を果たし、陸上に専念。3年時はコロナ禍で全中が中止となったが、代替の全国中学生大会に出場。名門・添上高に進み、ハンマー投を始めると、1年秋のU18大会では9位。2年時の昨年は55m58の高2歴代2位で、優勝している。今年度はU20日本選手権を制し、南部記念では自己新で4位に入っている。北海道インターハイにはハンマー投に加え、砲丸投に出場する。自己ベストはハンマー投58m72(23年)、砲丸投12m69(23年) [caption id="attachment_109499" align="alignnone" width="800"]
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.10.21
東京世界陸上サブトラックからの選手輸送「遅延ゼロ」分単位で計画「円滑に進められた」
2025.10.21
東京世界陸上の成功を報告「観客の熱狂が選手の力引き出した」入場者数過去最多約62万人
2025.10.21
箱根駅伝「関東学生連合チーム」選出は総合順位つかずとも選出 予選会中継時情報の訂正と謝罪
-
2025.10.20
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/チーム総合(2025年10月18日)
-
2025.10.18
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.10.21
東京世界陸上サブトラックからの選手輸送「遅延ゼロ」分単位で計画「円滑に進められた」
公益財団法人東京2025世界陸上財団は10月21日、第31回理事会を開き、大会の開催結果について報告したあと、報道陣への記者ブリーフィングを開いた。 9月13日から21日まで、東京・国立競技場をメイン会場に開かれた世界選 […]
2025.10.21
東京世界陸上の成功を報告「観客の熱狂が選手の力引き出した」入場者数過去最多約62万人
公益財団法人東京2025世界陸上財団は10月21日、第31回理事会を開き、大会の開催結果について報告した。 9月13日から21日まで、東京・国立競技場をメイン会場に開かれた世界選手権。参加選手数は193の国と地域・難民選 […]
2025.10.21
箱根駅伝「関東学生連合チーム」選出は総合順位つかずとも選出 予選会中継時情報の訂正と謝罪
一般社団法人関東学生陸上競技連盟は10月20日、日本テレビで放送された第102回箱根駅伝予選会の中継において、関東学生連合チームの選出方法についての解説で誤りがあったといして訂正を発表した。 関東学生連合チームは箱根駅伝 […]
2025.10.20
デュプランティス、フルラーニ、オールマンらが候補に!年間最優秀選手フィールド部門のノミネート男女各5名が発表
ワールド・アスリート・オブ・ザ・イヤーのフィールド候補選手 男子 アルマンド・デュプランティス(スウェーデン) 棒高跳 世界選手権優勝、世界記録4度更新、ダイヤモンドリーグ優勝 マッティア・フルラーニ(イタリア) 走幅跳 […]
2025.10.20
ハファシマナがブルンジ勢として4連覇! 女子はアメバウが快勝 世界陸連クロカン・ツアーが開幕/WAクロカンツアー
世界陸連(WA)クロスカントリーツアー・ゴールドの初戦ゾルノツァ国際クロスが10月19日、スペインで開催され、男子(8.7km)はE.ハファシマナ(ブルンジ)が25分50秒、女子(8.7km)はL.アメバウ(エチオピア) […]
Latest Issue
最新号

2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望