◇第25回アジア選手権(7月12日~16日/タイ・バンコク)3日目
アジア選手権の3日目がタイ・バンコクで行われ、日本勢はこの日も4つの金メダルを含めてメダルを量産した。
最終種目だった男子100mで、栁田大輝(東洋大)が圧巻のスプリントを見せた。加速局面からトップに立つと、身体を起こしてから他を圧倒。日本歴代7位タイ、学生歴代2位の10秒02(±0)でアジア最速王者に君臨した。
日本勢の男子100m優勝は前回(2019年)のドーハ大会、東洋大の先輩である桐生祥秀(日本生命)に続いて2大会連続2回目。ブダペスト世界陸上の参加標準記録(10秒00)、日本人5人目の9秒台にはわずかに届かなかったが、ワールドランキングでの個人初の世界大会出場はほぼ間違いない。
7月25日に20歳の誕生日を迎える日本スプリントのホープは、早くも9秒台、そして世界のファイナルすら視野に入る激走に、「久しぶりに会心のレースができました」と胸を張った。
日本選手権覇者の坂井隆一郎(大阪ガス)は10秒26(±0)で6位だった。6月の日本選手権直前に左足アキレス腱に痛みが出た影響もあり、トレーニングを再開できたのは今大会の2週間前あたりから。その中で3本走り切ったことは収穫だった。
昨年のオレゴン世界陸上では、初の世界大会ながら準決勝進出を果たした。ワールドランキングでの代表入りが濃厚なブダペスト世界陸上に向けて、「しっかりと調整して挑みたい」と力強く語った。
この日一番のビッグパフォーマンスを見せたのが女子走幅跳の秦澄美鈴(シバタ工業)。最終6回目に、日本人初「7m」が目前に迫る6m97(+0.5)の特大日本新ジャンプで、金メダルに輝いた。
従来の日本記録は2006年に池田久美子(スズキ)が作った6m86で、それを11cm更新。これでブダペスト世界陸上(6m85)、およびパリ五輪(6m86)ともに参加標準記録を突破。2大会連続の世界陸上代表入りを決定的にした。髙良彩花(JAL)は6m32(-0,1)で5位だった。
男子3000m障害は青木涼真(Honda)が8分34秒91で制覇。3位にも8分39秒17で砂田晟弥(プレス工業)が続き、日本勢が2つのメダルを獲得した。ともにワールドランキングでのブダペスト世界陸上代表入りに前進した。
男子110mハードルはすでにブダペスト世界陸上代表に内定済みの高山峻野(ゼンリン)が、13秒29(+0.6)でアジア王者に輝いた。日本勢の同種目優勝は2007年アンマン大会の田野中輔(富士通)以来7大会ぶり。横地大雅(TeamSSP)が13秒59で5位だった。
女子3000m障害では日本選手権覇者の吉村玲美(クレーマージャパンTC)が9分48秒48で銅メダルを獲得した。この春に大東大を卒業し、所属先とプロ契約。ワールドランキングでの3大会連続世界陸上出場への可能性を残す。
女子100mは日本選手権覇者の君嶋愛梨沙(土木管理総合)が11秒56(± 0)で5位。予選を突破した御家瀬緑(住友電工)は準決勝を棄権した。
女子フィールドは、メダルにあと一歩。円盤投は齋藤真希(東海大院)が54m19で4位、郡菜々佳(新潟アルビレックスRC)は53m72で5位だった。棒高跳は諸田実咲(アットホーム)が4m00で4位、台信愛(日体大)は3m80で7位に入賞している。男子砲丸投の奥村仁志(東京陸協)は17m69で9位だった。
男子400mハードルは準決勝が行われ、児玉悠作(ノジマ)が49秒45で2組1着。全体トップタイムで今日18時40分(日本時間)に行われる決勝進出を決めた。女子七種競技は初日4種目が行われ、山﨑有紀(スズキ)が3359点の3位、大玉華鈴(日体大SMG)が3308の5位で折り返している。
【動画】栁田がアジア最速の称号!男子100mのレースをチェック
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