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初35km日本新Vの岡田久美子「世界陸上で入賞、メダルを」2位・園田世玲奈「次につながるレース」/日本選手権35km競歩
初35km日本新Vの岡田久美子「世界陸上で入賞、メダルを」2位・園田世玲奈「次につながるレース」/日本選手権35km競歩

日本選手権35km競歩で日本新ワンツーとなった岡田と園田

◇第107回日本選手権35km競歩(4月16日/石川県輪島市)

ブダペスト世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権35km競歩が行われ、女子は20kmの日本記録(1時間27分41秒)保持者でオリンピック代表の岡田久美子(富士通)が2時間44分11秒で初優勝。従来の日本記録(2時間45分09秒)を上回る日本新を樹立し、日本陸連が定めるブダペスト世界選手権の派遣設定記録(2時間46分00秒)を突破して世界選手権代表に内定した。

フィニッシュ後の第一声は「きつかったです」と笑顔。これまで長く競歩界を牽引してきた31歳の岡田にとって35kmは初挑戦だった。

スタート直後から、オレゴン世界選手権9位の園田世玲奈(NTN)と並走する形となる。25kmから30kmの5kmで園田がペースアップ。それまで23分台だったが、22分52秒を刻んだ。

これには「予想外でビックリしましたが、ついていくことだけを考えました」と岡田。「(園田の)ペースが落ちた残り3kmあたりでペースを上げて行けるかなと思いました」と言うように、残りの5kmを23分09秒でまとめて、笑顔でフィニッシュテープを切った。

これで5000m競歩(20分42秒25)、10000m競歩(42分51秒82)、20km競歩、そして35kmと4種目で日本記録保持者に。東京五輪後、一度は競技生活の今後について言及する場面もあったが、その後は心機一転。

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結婚もし、所属先も変わってモチベーションが再び上がった。昨年のオレゴン世界選手権20km競歩ではケガから万全の歩きができなかったが「まだまだ私も」と強い思いを明かしていた。

今回、20kmで参加標準記録を突破できていなかったため、これが世界選手権を狙う事実上のラストチャンスだったが、15年北京から、17年ロンドン、19年ドーハ、22年オレゴンと続き、5度目の世界選手権代表をつかみ取った。

「確実に入賞を目標にして、メダルも意識して残りの日々を過ごして準備していきたいです」。第一人者は力強く前を見据えた。

園田は2位に敗れたものの、2時間44分25秒でこちらも日本新で派遣設定記録を突破。2大会連続代表へ大きく前進した。

「優勝をして世界選手権内定を目標にしていたので悔しい」と言うが、途中でペースアップしたことで、「自分の中でも次につながるレース展開ができたと思います」と手応えをつかんだ。

オレゴンではあと一歩で入賞を逃しただけに、「課題のスピードレースで底上げして世界で戦える力をつけていきたい」と語った。

◇第107回日本選手権35km競歩(4月16日/石川県輪島市) ブダペスト世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権35km競歩が行われ、女子は20kmの日本記録(1時間27分41秒)保持者でオリンピック代表の岡田久美子(富士通)が2時間44分11秒で初優勝。従来の日本記録(2時間45分09秒)を上回る日本新を樹立し、日本陸連が定めるブダペスト世界選手権の派遣設定記録(2時間46分00秒)を突破して世界選手権代表に内定した。 フィニッシュ後の第一声は「きつかったです」と笑顔。これまで長く競歩界を牽引してきた31歳の岡田にとって35kmは初挑戦だった。 スタート直後から、オレゴン世界選手権9位の園田世玲奈(NTN)と並走する形となる。25kmから30kmの5kmで園田がペースアップ。それまで23分台だったが、22分52秒を刻んだ。 これには「予想外でビックリしましたが、ついていくことだけを考えました」と岡田。「(園田の)ペースが落ちた残り3kmあたりでペースを上げて行けるかなと思いました」と言うように、残りの5kmを23分09秒でまとめて、笑顔でフィニッシュテープを切った。 これで5000m競歩(20分42秒25)、10000m競歩(42分51秒82)、20km競歩、そして35kmと4種目で日本記録保持者に。東京五輪後、一度は競技生活の今後について言及する場面もあったが、その後は心機一転。 結婚もし、所属先も変わってモチベーションが再び上がった。昨年のオレゴン世界選手権20km競歩ではケガから万全の歩きができなかったが「まだまだ私も」と強い思いを明かしていた。 今回、20kmで参加標準記録を突破できていなかったため、これが世界選手権を狙う事実上のラストチャンスだったが、15年北京から、17年ロンドン、19年ドーハ、22年オレゴンと続き、5度目の世界選手権代表をつかみ取った。 「確実に入賞を目標にして、メダルも意識して残りの日々を過ごして準備していきたいです」。第一人者は力強く前を見据えた。 園田は2位に敗れたものの、2時間44分25秒でこちらも日本新で派遣設定記録を突破。2大会連続代表へ大きく前進した。 「優勝をして世界選手権内定を目標にしていたので悔しい」と言うが、途中でペースアップしたことで、「自分の中でも次につながるレース展開ができたと思います」と手応えをつかんだ。 オレゴンではあと一歩で入賞を逃しただけに、「課題のスピードレースで底上げして世界で戦える力をつけていきたい」と語った。

第107回日本選手権35km競歩上位成績

●男子35km競歩 優勝 野田明宏(自衛隊体育学校) 2時間23分13秒=日本新、大会新 2位 丸尾知司(愛知製鋼) 2時間25分49秒=大会新 3位 川野将虎(旭化成) 2時間26分51秒 4位 勝木隼人(自衛隊体育学校) 2時間28分53秒 5位 高橋和生(ADワークスグループ)2時間30分55秒 6位 諏訪元郁(愛知製鋼) 2時間32分39秒 7位 萬壽春輝(順大) 2時間33分10秒=日本学生最高 8位 和家昂太郎(国士大) 2時間37分44秒 ●女子35km競歩 優勝 岡田久美子(富士通) 2時間44分11秒=日本新、大会新 2位 園田世玲奈(NTN) 2時間44分25秒=日本新、大会新 3位 渕瀬真寿美(建装工業) 2時間57分51秒 4位 河添香織(自衛隊体育学校) 2時間59分46秒 5位 立見真央(田子重) 3時間4分41秒 6位 吉住友希(船橋整形外科) 3時間13分12秒 7位 柴田 葵(至学館大) 3時間18分26秒 ※完歩7名

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