2022.11.06
熊本県高校駅伝は11月5日、3年ぶりに従来のコースである、えがお健康スタジアム付設スタート・フィニッシュ高体連駅伝コースで行われ、男子(7区間42.195km)は熊本工が2時間4分55秒で25年ぶりのV。女子(5区間21.0975km)は、ルーテル学院が1時間8分54秒で5年ぶりの優勝を果たした。
感染症対策のため、至近2年はトラックや競技場周辺の周回コースを利用して無観客で実施されていたが、今年は多くの観客が沿道に詰めかけ、拍手で声援を送った。
11時50分にスタートした男子は、強い日差しを浴びながらのレースに。1区には国体で13分55秒88の好タイムを出した慶誠の楠岡由浩(3年)、日本海駅伝の1区10kmで29分04秒を叩き出した九州学院の永本脩(3年)、5000m14分10秒89の開新・荒牧琢登ら、全国クラスのエースたちが集結。この3人に熊本工・田川寛大(3年)を加えた4人が先頭集団を形成した。7kmで田川が一度離れたが、8kmまでに粘って追いつき、ラスト勝負で抜けた楠岡が29分36秒の区間新。荒牧が7秒遅れで続き、永本がトップと13秒、田川が24秒差で続いた。
2区で九州学院がトップに立ったが、3区では開新、続いて熊本工が九州学院を逆転。ここで上位2校が約20秒のリードを奪い、4区からは開新と熊本工の一騎討ちになる。そして、決着は5区。熊本工の正岡優翔(2年)が区間賞の力走で13秒のリードを奪うと、6区、7区も連続区間賞で開新を突き放し、好記録で四半世紀ぶりの県代表の座をつかんだ。
就任7年目、同校OBでもある疋田徳監督は「1区で九州学院に30秒差がついたら厳しいと思っていたので、11秒差と粘ってくれたのが大きかったですね。後半勝負になると予想して、5~7区に力のある選手をそろえていました。かつては古豪と言われていましたので、強豪と言われるようなチームに育てていきたい」と話し、全国高校駅伝に向けてさらなる飛躍を誓った。
男子に先立って9時50分にスタートした女子は、晴天に恵まれて絶好のコンディション。1区はルーテル学院の溝上加菜(3年)と千原台の西村美月(3年)が序盤から抜け出し、1kmを3分04秒で通過。2kmまで並走したが、溝上が下りを利用して差を広げると、中継所では24秒の差をつけた。溝上は、インターハイ3000m日本人3位の勝負強さを発揮し、18分38秒の区間新。あこがれの選手である先輩の矢田みくに(現・エディオン)の19分41秒を超えた。
エースの快走に背中を押されたルーテル学院は、2区の平田優月も2年連続の区間賞。3、4区の1年生コンビ、古木愛莉と吉田あゆも粘り、最終5区は3年生の中村日菜多が16分52秒の区間賞で締めた。
吉田謙監督は「初出場から5年。改めて2回目の出場を決めることの難しさを実感しました。全員が都大路未経験なので、新しい気持ちで挑戦したい」と初心に返りつつも、前回(16位)果たせなかった入賞を目指す。
文・写真/田端慶子
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.05.13
月刊陸上競技2024年6月号
-
2024.05.13
2024.05.11
棒高跳・小林美月が4m00で連覇!「雰囲気で楽しみながらできた」/関東IC
2024.05.09
【大会結果】第103回関東インカレ(2024年5月9日~12日)
-
2024.05.10
-
2024.05.09
-
2024.04.26
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.05.13
月刊陸上競技2024年6月号
Contents 別冊付録 学生駅伝ガイド 2024 春 大学駅伝の有力校のデータをチェック! 大会報道 日本選手権10000m 葛西潤 27分17秒46で初V 五島 思い込めた粘走 広告の下にコンテンツが続きます ダイ […]
2024.05.13
男子5000mはトヨタ紡織・服部大暉が13分36秒01で優勝 女子100mは渡邊輝が連覇/中部実業団対抗
第68回中部実業団対抗大会の2日目が5月12日、岐阜メモリアルセンター長良川で行われ、男子5000mは服部大暉(トヨタ紡織)が13分36秒01で初優勝を飾った。 3組タイムレースで行われた5000mの1組に出場した服部は […]
2024.05.13
東京世界陸上ロゴ決定 一般公募で選定委員の住永正さん、高井美希さん「街中で見られる日が楽しみ」
東京2025世界陸上財団は5月13日、東京・国立競技場で2025年東京世界選手権の大会ロゴを発表した。 来年行われる東京世界選手権。大会ロゴは一般公募により選考され、368点の応募作品の中から東京都在住のデザイナー・中川 […]
2024.05.13
環太平洋大が男女総合V 男子1万m競歩・小林貫太が大会新でMVP 男子中長距離は広島経大勢が活躍/中国四国IC
◇第78回中国四国インカレ(5月10~12日/島根・浜山競技場) 中国四国インカレが5月10日から12日まで行われ、総合争いは男女ともに環太平洋大が制し、男子は14回連続回目、女子は8回連続10回目の優勝を果たした。 広 […]
Latest Issue 最新号
2024年6月号 (5月14日発売)
別冊付録学生駅伝ガイド