HOME 世界陸上、海外

2022.07.23

日本人の母を持つノーマンが男子400mで金メダル!地元・米国に同種目9年ぶりのタイトルもたらす/世界陸上
日本人の母を持つノーマンが男子400mで金メダル!地元・米国に同種目9年ぶりのタイトルもたらす/世界陸上

◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)8日目

オレゴン世界陸上8日目のイブニングセッションに行われた男子400m決勝は、日本にルーツを持つマイケル・ノーマン(米国)が44秒29で初の世界王者に輝いた。

準決勝を44秒30のトップタイムで通過したノーマンは、1つ内側を走る2011年テグ大会覇者のキラニ・ジェームス(グレナダ)と激しく競り合う。最後の直線に差し掛かるところまでは互角だったものの、そこからじわりじわりと引き離し、栄光へのフィニッシュラインを駆け抜けた。

ノーマンの母は、かつて1989年に100mで日本中学記録(11秒96)を樹立した伸江さん(旧姓:斎藤)。母親譲りの健脚を受け継いだノーマンは、2016年のU20世界選手権200mで優勝すると、18年3月には400mで従来の室内世界記録を上回る44秒52をマークして世界の注目を集めた。

その翌年には400mで世界歴代4位タイの43秒45、200mで同11位(現15位)の19秒70、20年には100mでも9秒86をマーク。400mの世界記録保持者であるウェイデ・ファン・ニーケアク(南アフリカ)に次ぎ、この3種目で44秒切り、20秒切り、10秒切りをすべて達成した史上2人目のスプリンターとなった(のちにフレッド・カーリーが3人目の達成者に)。

広告の下にコンテンツが続きます

しかし、これまでシニアの国際大会タイトルには縁がなかった。19年のドーハ世界選手権は準決勝敗退、昨年の東京五輪は5位(4×400mで金メダル)。米国としても2013年のラショーン・メリット以来、この種目の優勝から遠ざかっていただけに、6月の全米代表選考トライアルで43秒56の今季世界最高タイムを叩き出したノーマンに対する地元・米国国民の期待は大きかった。

ノーマンは大会最終日に決勝が控える4×400mリレーにも出場する見込み。2冠を手にし、地元・米国開催を最高のかたちで締めくくるつもりだ。

2位はジェームスが44秒48で入り、これで五輪・世界選手権の金・銀・銅メダルをすべてコンプリート。44秒66で3位のマシュー・ホジソン・スミス(英国)は自身初の国際大会メダルを獲得し、世界記録保持者のファン・ニーケアクは44秒97で5位だった。ファン・ニーケアクは2017年オフに出場したラグビーの試合中に前十字靭帯断裂の大ケガを負っていた。

■男子400m上位成績
1位 マイケル・ノーマン(米国)        44秒29
2位 キラニ・ジェームス(グレナダ)      44秒48
3位 マシュー・ホジソン・スミス(英国)    44秒66
4位 チャンピオン・アリソン(米国)      44秒77
5位 ウェイデ・ファン・ニーケアク(南アフリカ)44秒97
6位 バヤポ・ヌトリ(ボツワナ)        45秒29
7位 クリストファー・テイラー(ジャマイカ)  45秒30
8位 ジョナサン・ジョーンズ(バルバドス)   46秒13

◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)8日目 オレゴン世界陸上8日目のイブニングセッションに行われた男子400m決勝は、日本にルーツを持つマイケル・ノーマン(米国)が44秒29で初の世界王者に輝いた。 準決勝を44秒30のトップタイムで通過したノーマンは、1つ内側を走る2011年テグ大会覇者のキラニ・ジェームス(グレナダ)と激しく競り合う。最後の直線に差し掛かるところまでは互角だったものの、そこからじわりじわりと引き離し、栄光へのフィニッシュラインを駆け抜けた。 ノーマンの母は、かつて1989年に100mで日本中学記録(11秒96)を樹立した伸江さん(旧姓:斎藤)。母親譲りの健脚を受け継いだノーマンは、2016年のU20世界選手権200mで優勝すると、18年3月には400mで従来の室内世界記録を上回る44秒52をマークして世界の注目を集めた。 その翌年には400mで世界歴代4位タイの43秒45、200mで同11位(現15位)の19秒70、20年には100mでも9秒86をマーク。400mの世界記録保持者であるウェイデ・ファン・ニーケアク(南アフリカ)に次ぎ、この3種目で44秒切り、20秒切り、10秒切りをすべて達成した史上2人目のスプリンターとなった(のちにフレッド・カーリーが3人目の達成者に)。 しかし、これまでシニアの国際大会タイトルには縁がなかった。19年のドーハ世界選手権は準決勝敗退、昨年の東京五輪は5位(4×400mで金メダル)。米国としても2013年のラショーン・メリット以来、この種目の優勝から遠ざかっていただけに、6月の全米代表選考トライアルで43秒56の今季世界最高タイムを叩き出したノーマンに対する地元・米国国民の期待は大きかった。 ノーマンは大会最終日に決勝が控える4×400mリレーにも出場する見込み。2冠を手にし、地元・米国開催を最高のかたちで締めくくるつもりだ。 2位はジェームスが44秒48で入り、これで五輪・世界選手権の金・銀・銅メダルをすべてコンプリート。44秒66で3位のマシュー・ホジソン・スミス(英国)は自身初の国際大会メダルを獲得し、世界記録保持者のファン・ニーケアクは44秒97で5位だった。ファン・ニーケアクは2017年オフに出場したラグビーの試合中に前十字靭帯断裂の大ケガを負っていた。 ■男子400m上位成績 1位 マイケル・ノーマン(米国)        44秒29 2位 キラニ・ジェームス(グレナダ)      44秒48 3位 マシュー・ホジソン・スミス(英国)    44秒66 4位 チャンピオン・アリソン(米国)      44秒77 5位 ウェイデ・ファン・ニーケアク(南アフリカ)44秒97 6位 バヤポ・ヌトリ(ボツワナ)        45秒29 7位 クリストファー・テイラー(ジャマイカ)  45秒30 8位 ジョナサン・ジョーンズ(バルバドス)   46秒13
       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.05.31

【竹澤健介の視点】5000m森凪也&佐藤圭汰、10000m鈴木芽吹ともに持ち味発揮 スピード強化は急務だが勝機はある/アジア選手権

5月28日から韓国・クミを舞台に開催されているアジア選手権。男子長距離種目は、初日の10000mは鈴木芽吹(トヨタ自動車)が銀メダル、30日の5000mは森凪也(Honda)が銅メダル、佐藤圭汰(駒大)が4位に入った。2 […]

NEWS 円盤投・湯上剛輝が殊勲の銀!5000mで森凪也が銅、佐藤圭汰4位 走幅跳・山浦が銅メダル/アジア選手権

2025.05.31

円盤投・湯上剛輝が殊勲の銀!5000mで森凪也が銅、佐藤圭汰4位 走幅跳・山浦が銅メダル/アジア選手権

◇アジア選手権(5月27日~31日/韓国・クミ)4日目 2年に一度開かれるアジア選手権が行われ、日本は銀1、銅2のメダルを加算した。 殊勲の銀メダルを獲得したのが男子円盤投の湯上剛輝(トヨタ自動車)。2投目に60m38を […]

NEWS 走幅跳は初代表・山浦渓斗が殊勲の銅メダル!「日本選手権でうれし涙を流したい」/アジア選手権

2025.05.30

走幅跳は初代表・山浦渓斗が殊勲の銅メダル!「日本選手権でうれし涙を流したい」/アジア選手権

◇アジア選手権(5月27日~31日/韓国・クミ)4日目 2年に一度開かれるアジア選手権が行われ、男子走幅跳では山浦渓斗(勝浦ゴルフ倶楽部)が8m08(+0.1)で銅メダルを獲得した。 前日の予選では7m95(-0.6)と […]

NEWS 走高跳・津田シェリアイが1m83で7位、髙橋渚は1m80で8位にとどまる/アジア選手権

2025.05.30

走高跳・津田シェリアイが1m83で7位、髙橋渚は1m80で8位にとどまる/アジア選手権

◇アジア選手権(5月27日~31日/韓国・クミ)4日目 2年に一度開かれるアジア選手権が行われ、女子走高跳では津田シェリアイ(築地銀だこ)が1m83で7位、髙橋渚(センコー)は1m80で8位だった。 昨年は日本歴代8位の […]

NEWS 鵜澤飛羽と飯塚翔太が200m決勝進出!! 鵜澤「勝ちきること優先」 飯塚「持てるすべてを出す」/アジア選手権

2025.05.30

鵜澤飛羽と飯塚翔太が200m決勝進出!! 鵜澤「勝ちきること優先」 飯塚「持てるすべてを出す」/アジア選手権

◇アジア選手権(5月27日~5月31日/韓国・クミ)4日目 2年に一度開かれるアジア選手権の4日目が行われ、男子200m準決勝で2組の鵜澤飛羽(JAL)が20秒67(+0.9)の1着で決勝へ進んだ。1組では飯塚翔太(ミズ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年6月号 (5月14日発売)

2025年6月号 (5月14日発売)

Road to TOKYO
Diamond League JAPANの挑戦
村竹ラシッド、三浦龍司が初戦で世界陸上内定

Road to EKIDEN Season 25-26
学生長距離最新戦力分析