2026.09.26
◇第20回アジア大会・陸上競技(9月23~29日/愛知県名古屋市・パロマ瑞穂スタジアム)3日目
名古屋アジア大会の3日目、午後セッションに男子100m決勝が行われ、20歳のプリポル・ブーンソン(タイ)が9秒90(+0.1)で金メダルに輝いた。
ブーンソンの走りは予選からライバルを圧倒していた。24日の予選は9秒95(-0.2)とただ1人9秒台をマークすると、25日の準決勝は9秒91(+0.1)。9秒83のアジア記録を持つ蘇炳添(中国)が18年ジャカルタ大会で樹立した大会記録(9秒92)を余裕を持って更新した。
迎えた決勝でも、30m付近でトップスピードに乗ると、50m付近で先頭に立ち、後半は必死にもがくライバルを尻目にリードを広げていった。フィニッシュすると右拳を振り上げてガッツポーズ。その後、人差し指を天に向けて突き出し、アジアのナンバーワン・スプリンターの座に就いたことを示した。
「金メダルを獲得できて、そして新しい自己ベストを更新できて本当にうれしい」
興奮気味にメディアに語ったブーンソンは、「レース前は少し緊張していましたが、スタートラインに着いたときには“ゾーン”に入り込んでいました。走っているときは周りの様子を気にするよりも、ただ前だけを見るようにしていました」とレースを振り返った。
タイの首都・バンコク近郊のサムットプラーカーンで育ったブーンソン。幼少期から運動が好きだったが、小学生の時に陸上の指導者に勧められて競技に取り組んだ。10歳で試合に出場した際にタイ陸連関係者の目に留まり、有望なスプリンターとして期待されるようになった。
タイ国立トレーニングセンターで脚力を鍛え、16歳だった22年に200mで20秒17をマーク。U18歴代3位(当時)、U20アジア新記録を打ち立てて注目を集めると、翌年には100mでU18世界タイの10秒06(当時)をマークし、アジア選手権で2位に入った。その後も着実に力をつけて、昨年はワールドユニバーシティゲームズで2位となり、12月にはアジア歴代3位となる9秒94をマークしていた。
ブーンソンの特長は、中盤からの爆発力だ。一方でスタートの出足は他の選手に比べてやや遅れることが多い。スタート時の反応を示すリアクションタイムは0.13秒前後で速い部類とされるなか、昨年の東京世界選手権では予選、準決勝ともに0.2秒以上を要していた。
今回の決勝でもリアクションタイムは0.177秒と、出走した8人のなかでもっとも遅かった。それでも「早く飛び出した人が常に勝つわけではない」と語り、「前半はできるだけ頭を低くして、身体を潜り込ませるようなイメージでした。中盤、終盤は自信があるので、そこまでにしっかり加速できれば勝てると思っていました」と、自らの強みを生かしたレースプランを明かした。
アジアの新たなスプリント王者となり、次なる目標は「タイ人が成し遂げていないアジア記録の更新だ」というブーンソン。
さらに「今回の優勝でステップアップできたと思います。これからは世界選手権やオリンピックでメダルを獲りたいです」と大きな野望を語った。
【動画】ブーンソン圧勝!男子100m9秒90で金メダル
httpv://www.youtube.com/watch?v=mXD96uijsnc?start=169RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
Latest articles 最新の記事
Latest Issue
最新号
2026年10月号 (9月14日発売)
アジア大会総展望
山口全中&日本インカレ
サウェ特集