◇第20回アジア大会・陸上競技(9月23~29日/愛知県名古屋市・パロマ瑞穂スタジアム)3日目
名古屋アジア大会の3日目、女子七種競技で田中友梨(スズキ)が5920点で金メダルを獲得した。この種目(※五種競技時代を除く)では日本勢初の快挙となる。
地元・愛知、それも名古屋市の出身。中学で陸上を始め、最初に出場した大会の舞台は改装前の瑞穂の競技場だった。「ずっとほしくて、目標にしていたメダル。輝いて見えます」。開催が決まったのは10年前。「その時は『愛知であるんだ』と思っただけ。そこから、自分がその舞台に立てたのは心にきます」と感慨深げだ。
今年の日本選手権で日本女子初の6000点超えとなる6050点を叩き出していた田中。初日は、その時のパフォーマンスには届かず「取りこぼしてしまった」。それでも2日目を得意とする田中。「強みを生かして逆転したいと思っていました」。
走幅跳も公認ベストとなる5m80(+1.0)。しかも、この走幅跳でメダルを競り合っていたイランの選手が規定外シューズの使用により失格となった。そうした状況にも「自分に集中しようと思っていた」。日本選手権で入賞しているほどの実力を持つやり投では、混成ベストとなる55m39という圧巻のスロー。これには動員された地元の小中学生から大きな歓声が沸き起こった。
優勝はほぼ確実という状況だが、「6000点を出して、日本新がまぐれでないところを見せたい」という思いに加え、中村明彦コーチから「優勝が決まるのではなく、次へのチャレンジが始まる。試合のスタートだ」と発破を掛けられ、奮起して堂々とトップで駆け抜けた。
日本選手権後は足首を痛めた影響で「8月末まで技術練習を控えました」。その間は焦らず「これまで目を向けられなかった体幹や軸を意識でき、土台を作れました」とパワーアップした。
七種競技でまたも新たな扉を開いた田中。「自分にとっても大きな金メダルですが、国内でなかなか知名度のない種目のなかで、日本の方々に七種競技のおもしろさを見ていただけて、少しでも伝わったのならうれしいです」と笑顔を見せ「自分が七種競技を引っ張っていくという気持ちでいますし、同世代やみんなでレベルを上げていきたい」と第一人者として胸を張った。
これが今大会の陸上競技の金メダルの第一号。「地元でいい姿をお見せできましたし、日本選手の頑張るきっかけになったらうれしいです」と喜びを語った。
ただ、「ここは通過点」と田中。「今回は実力者が出ていなかったので運が良かった。もう一度日本記録を更新して、もっと実力をつけて勝負していきたい。足掛かりとして北京世界選手権につなげていきたいです」としっかりと先を見ていた。
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