2025.10.07
◇滋賀国民スポーツ大会(10月3日~7日/滋賀・平和堂HATOスタジアム:彦根総合スポーツ公園陸上競技場) 4日目
滋賀国民スポーツ大会・陸上競技の4日目に行われた成年男子100mに出場した日本記録保持者の山縣亮太(広島・セイコー)は10秒29(+0.3)の4位だった。
9秒95の日本記録保持者である山縣。3日目の予選は10秒45(+0.3)の組5着。タイムで拾われて何とか準決勝へと進んだ。準決勝は「今できる最大限をやって何とか決勝へ。スタートから良い流れを作ってトップスピードを上げたい」。こちらも10秒30(+1.8)とタイムを上げたが、組3着に。プラスでの通過だった。それでも、決勝ではさすがの調整力で10秒29の4位に入っている。
山縣は近年、ケガに苦しんだ。昨年のパリ五輪シーズンも棒に振り、今年も世界選手権には個人で選考に加われなかった。一時は引退も考えた。
ただ、チーム態勢を整え「今季、10秒2台を切れれば続けようと思っていたら、6月の早い段階でクリアできた」と、広島県選手権で10秒12を出して復活を印象づけた。
8月のAthlete Night Gamesでは10秒08をマーク。4年ぶりの10秒1切りだった。代表入りはならなかったが、4×100mリレーの選考条件の基準記録はクリアしている。
その後は「調子が落ち込んで、練習もできない時期もありました」。8月ギリギリまで世界選手権代表を狙ったが、その過程で「股関節周辺を少し肉離れしていました」。そういう状態でも「10秒2台でまとめられたのは良かったです」と笑顔も見せる。
万全ではないなかでも国スポに出場したのには、この大会への強い思いがある。
「僕にとって陸上の道が開けたのが国スポだったんです」
広島・修道高1年時に国体(当時)B100mを自己新で優勝。これが初の日本一だった。高2、3年も連覇し、3年時には少年A100mを無風の中で10秒34を出して優勝している。慶大1年時の11年山口国体では当時のU20日本新となる10秒23。これが“世界”への扉を開く第一歩だった。
「広島に何か恩返しがしたいと思っていますし、国スポは結果を出したい、目標とする場所。国スポで活躍するために走っているみたいなところもあります。毎年、出てほしいと言われれば喜んで出たいと思うし、それは引退するまで変わらない。最後は国スポで終わりたいと思っているんです。(国スポ)続いてほしいですね」
来季への現役続行も表明済み。「今年は世界選手権に出られなかった。来年はアジア大会もあります」と再びの日本代表を見据える。何度ケガをしても、挫折しても。もっともっと速くなりたい、強くなりたい――その姿勢は、走りはともに過ごす中高生にどれだけの影響を与えていることか。
「若手たちも育ってきていますが、もっともっと強くなって、まだまだ負けないというところを見せたい」
慣れ親しんだ地元・広島の赤いユニフォームを着た33歳の第一人者は、若い頃と変わらぬ純粋な目で語った。
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