HOME 国内、日本代表

2025.07.07

田中希実 1500m6連覇達成も「まだ納得の走りではない」 2位・木村友香は世界選手権出場へつながる力走/日本選手権
田中希実 1500m6連覇達成も「まだ納得の走りではない」 2位・木村友香は世界選手権出場へつながる力走/日本選手権

25年日本選手権女子1500mで6連覇を果たした田中希実

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 3日目

東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、女子1500mは田中希実(New Balance)が4分04秒16で6年連続6度目の優勝を飾り、初日の5000mとの2冠を達成。すでに世界選手権の参加標準記録(4分01秒50)を突破しているため、5000mに続く代表内定を決めた。

まさに第一人者の強さを見せつける貫録のレースだった。スタートから先頭に立った田中は、木村友香、道下美槻(ともに積水化学)らを従え、400mを67秒で通過。その後、800mまでの1周を65秒とペースを上げるとただ1人食らいついていた木村を引き離して独走態勢を築く。

その後は自身との戦いとなった田中は、昨年自らが出した大会記録(4分01秒44)を目指すも、更新には至らず。それでも、大会歴代2位のタイムをマークし、女子最優秀選手にも選出された。

もちろん、世界を見据える田中にとって、決して満足いく記録ではない。この日の朝には、ダイヤモンドリーグ(DL)ユージン大会でフェイス・キピエゴン(ケニア)が3分48秒68の世界新記録樹立の一報が届いただけに、意識せずにはいられなかった。

「シーズンベストでしたけど、1人で日本記録を出すくらいじゃないと世界と肩を並べていけない。この記録では全然胸を張れないし、納得もしていません」

広告の下にコンテンツが続きます

昨年のパリ五輪では1500m、5000mともに予選落ち。再び世界の強豪と渡り合うために、今季はDLや新たに始まったグランドスラム・トラックにも参戦も、「まだ引きずっている部分もあるし、怖さや不安もある」と胸の内を明かす。

それでも、4大会連続の世界選手権は自国開催。「今回の日本選手権のような雰囲気を、自分の味方にして、生き生きとした走りができたら」と前を向いている。

2位には、最後まで粘りを見せた木村が自己記録に迫る4分09秒88。ワールドランキングによる代表入りの可能性もあり、「さらにランキングを上げるために4分12秒以内が最低限の条件だったので、それをクリアできて良かった」と振り返った。

また、6月の日本インカレを制した田島愛理(順大)がラストに追い込みを見せて3位に食い込み、4分12秒53の日本学生記録を樹立した。

文/田中 葵

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 3日目 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、女子1500mは田中希実(New Balance)が4分04秒16で6年連続6度目の優勝を飾り、初日の5000mとの2冠を達成。すでに世界選手権の参加標準記録(4分01秒50)を突破しているため、5000mに続く代表内定を決めた。 まさに第一人者の強さを見せつける貫録のレースだった。スタートから先頭に立った田中は、木村友香、道下美槻(ともに積水化学)らを従え、400mを67秒で通過。その後、800mまでの1周を65秒とペースを上げるとただ1人食らいついていた木村を引き離して独走態勢を築く。 その後は自身との戦いとなった田中は、昨年自らが出した大会記録(4分01秒44)を目指すも、更新には至らず。それでも、大会歴代2位のタイムをマークし、女子最優秀選手にも選出された。 もちろん、世界を見据える田中にとって、決して満足いく記録ではない。この日の朝には、ダイヤモンドリーグ(DL)ユージン大会でフェイス・キピエゴン(ケニア)が3分48秒68の世界新記録樹立の一報が届いただけに、意識せずにはいられなかった。 「シーズンベストでしたけど、1人で日本記録を出すくらいじゃないと世界と肩を並べていけない。この記録では全然胸を張れないし、納得もしていません」 昨年のパリ五輪では1500m、5000mともに予選落ち。再び世界の強豪と渡り合うために、今季はDLや新たに始まったグランドスラム・トラックにも参戦も、「まだ引きずっている部分もあるし、怖さや不安もある」と胸の内を明かす。 それでも、4大会連続の世界選手権は自国開催。「今回の日本選手権のような雰囲気を、自分の味方にして、生き生きとした走りができたら」と前を向いている。 2位には、最後まで粘りを見せた木村が自己記録に迫る4分09秒88。ワールドランキングによる代表入りの可能性もあり、「さらにランキングを上げるために4分12秒以内が最低限の条件だったので、それをクリアできて良かった」と振り返った。 また、6月の日本インカレを制した田島愛理(順大)がラストに追い込みを見せて3位に食い込み、4分12秒53の日本学生記録を樹立した。 文/田中 葵

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.08.21

ハンマー投・中川達斗が70m08で金メダル!村上来花が銀メダル獲得/アジア投てき選手権

◇アジア投てき選手権(8月21、22日/韓国・木甫) アジア投てき選手権の初日が行われ、男子ハンマー投で中川達斗(サトウ食品新潟アルビレックスRC)が70m08で金メダルを獲得した。 中川は2回目に優勝記録を投げると、そ […]

NEWS ダイヤモンドリーグ・ブリュッセルに田中希実と真野友博がエントリー!

2025.08.21

ダイヤモンドリーグ・ブリュッセルに田中希実と真野友博がエントリー!

世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)第14戦、レギュラーシリーズの最終戦となるブリュッセル大会(ベルギー)のエントリー選手が発表されている。 女子5000mに日本記録保持者の田中希実(New Balance)が […]

NEWS 【高校生FOCUS】男子400m・小澤耀平(城西高)広島インターハイを制覇!次に狙うはタイムで“師匠超え”

2025.08.21

【高校生FOCUS】男子400m・小澤耀平(城西高)広島インターハイを制覇!次に狙うはタイムで“師匠超え”

FOCUS! 高校生INTERVIEW 小澤耀平 Ozawa Yohei 城西3東京 広島インターハイからまもなく1ヵ月。男子400mを高校歴代8位タイの46秒38で制した小澤耀平選手(城西3東京)にフォーカスします。今 […]

NEWS 【世界陸上プレイバック】―19年ドーハ―走高跳・バルシムが地元V 日本が男子競歩2種目で金独占 4継はアジア新で銅メダル

2025.08.21

【世界陸上プレイバック】―19年ドーハ―走高跳・バルシムが地元V 日本が男子競歩2種目で金独占 4継はアジア新で銅メダル

今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]

NEWS 【大会結果】アジア投てき選手権(2025年8月21日~22日)

2025.08.21

【大会結果】アジア投てき選手権(2025年8月21日~22日)

【大会結果】アジア投てき選手権(2025年8月21日~22日/韓国・木浦) 男子 砲丸投 金 張浩辰(中国) 19m84 銀 邢家梁(中国) 19m76 銅 I.イワノワ(カザフスタン) 18m58 円盤投 金 呉南軍( […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年9月号 (8月12日発売)

2025年9月号 (8月12日発売)

衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99

page top