HOME 国内

2025.04.12

田中希実が国内初戦 ラストの頑張り評価も「しんどいところある」と心境吐露/金栗記念
田中希実が国内初戦 ラストの頑張り評価も「しんどいところある」と心境吐露/金栗記念

25年金栗記念に出場した田中希実(New Balance)

◇第33回金栗記念(4月12日/熊本・えがお健康スタジアム)

日本グランプリシリーズ第1戦の金栗記念が行われ、女子1500mはテレシア・ムッソーニ(ダイソー)が4分08秒96で優勝し、日本記録保持者の田中希実(New Balance)が4分11秒31で日本人最上位の2位だった。

広告の下にコンテンツが続きます

田中は2組目に登場。序盤は後方から進め、600m付近で2番手に上がり、650mでトップに立った。ムッソーニには及ばなかったが、しっかりと貫禄を示した。

海外転戦から数日前に帰国したばかり。室内では日本新4連発があり、日本人でただ1人、マイケル・ジョンソン氏(米国)が主催するグランドスラム・トラックにも参戦した。

そうした“世界”を主戦場にする中でこれが国内トラック初戦。「疲労は自分で感じていないつもりでも身体がついてこない」と言う。

こうした状況は「ここ数年は練習でもあった感覚」だというが、それでも試合になると「気合でなんとかなった」。ただ、今季は「試合の結果でもその状態がリアルタイムで出てしまう。しんどいところがあります」と心境を吐露した。

広告の下にコンテンツが続きます

海外、しかも世界トップクラスと日常的に争うレース。それ自体がアスリートとして価値の高いのは十分理解しつつも、簡単に更新できるような自己ベストではないとはいえ、記録や結果につながらないもどかしさもある。

それでも「今日はラスト800mを頑張ろうとテーマを決めて、上げられなかったかもしれないけど逃げずにできました」。それに対し、父の健智コーチに「よく頑張っていると思う」と言われ「すっきりしました」と思わず笑顔がこぼれた。

1500mのあとは5000mにペースメーカーとして4000mまで走り、トラック脇でエールを送る姿もあった。「協力ができれば私にとってもプラスになる。残り1000mは一番きついところ。自分も一緒に走っている気持ちで見守りたかったです」と、第一人者としての振る舞いだった。

「今のままなら世界選手権で1500m、5000mとも予選落ち。調子が上がらないまま大会が続いていく可能性もある。グランドスラム・トラックやダイヤモンドリーグなどで(調子を)整えていき、世界選手権で勝負できるようにしたい」

誰も経験したことのない領域で走り続けるからこその楽しみと、同時に孤独感もある。そうした葛藤も含めて、田中は自分の走りで自分を表現し続けていく。

◇第33回金栗記念(4月12日/熊本・えがお健康スタジアム) 日本グランプリシリーズ第1戦の金栗記念が行われ、女子1500mはテレシア・ムッソーニ(ダイソー)が4分08秒96で優勝し、日本記録保持者の田中希実(New Balance)が4分11秒31で日本人最上位の2位だった。 田中は2組目に登場。序盤は後方から進め、600m付近で2番手に上がり、650mでトップに立った。ムッソーニには及ばなかったが、しっかりと貫禄を示した。 海外転戦から数日前に帰国したばかり。室内では日本新4連発があり、日本人でただ1人、マイケル・ジョンソン氏(米国)が主催するグランドスラム・トラックにも参戦した。 そうした“世界”を主戦場にする中でこれが国内トラック初戦。「疲労は自分で感じていないつもりでも身体がついてこない」と言う。 こうした状況は「ここ数年は練習でもあった感覚」だというが、それでも試合になると「気合でなんとかなった」。ただ、今季は「試合の結果でもその状態がリアルタイムで出てしまう。しんどいところがあります」と心境を吐露した。 海外、しかも世界トップクラスと日常的に争うレース。それ自体がアスリートとして価値の高いのは十分理解しつつも、簡単に更新できるような自己ベストではないとはいえ、記録や結果につながらないもどかしさもある。 それでも「今日はラスト800mを頑張ろうとテーマを決めて、上げられなかったかもしれないけど逃げずにできました」。それに対し、父の健智コーチに「よく頑張っていると思う」と言われ「すっきりしました」と思わず笑顔がこぼれた。 1500mのあとは5000mにペースメーカーとして4000mまで走り、トラック脇でエールを送る姿もあった。「協力ができれば私にとってもプラスになる。残り1000mは一番きついところ。自分も一緒に走っている気持ちで見守りたかったです」と、第一人者としての振る舞いだった。 「今のままなら世界選手権で1500m、5000mとも予選落ち。調子が上がらないまま大会が続いていく可能性もある。グランドスラム・トラックやダイヤモンドリーグなどで(調子を)整えていき、世界選手権で勝負できるようにしたい」 誰も経験したことのない領域で走り続けるからこその楽しみと、同時に孤独感もある。そうした葛藤も含めて、田中は自分の走りで自分を表現し続けていく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.06.16

800m昨年全国8位の菊池晴太が1分50秒03の大会新V「収穫と悔しさがある」400mH長谷川桜介が51秒19、三段跳の菅野穂乃は大会新/IH東北

◇インターハイ東北地区大会(6月13~16日/青森・カクヒログループアスレチックスタジアム)3日目 広島インターハイを懸けた東北地区大会の3日目が行われ、男子800mは菊池晴太(盛岡第四3岩手)が1分50秒03の大会新で […]

NEWS 東大阪大敬愛が女子総合V2 広島IHへ、久保凛「笑顔で締めくくりたい」 男子は洛南が10連覇 /IH近畿

2025.06.16

東大阪大敬愛が女子総合V2 広島IHへ、久保凛「笑顔で締めくくりたい」 男子は洛南が10連覇 /IH近畿

◇インターハイ近畿地区大会(6月12~15日/京都市・たけびしスタジアム京都)最終日 広島インターハイを懸けた近畿地区大会の最終日が行われ、前日までと同様、各種目でし烈な戦いが繰り広げられた。 広告の下にコンテンツが続き […]

NEWS 走幅跳IH2位の成澤柚日が自己新6m11で3連覇!柴田弥聖が2年連続ロングスプリント2冠/IH北関東

2025.06.16

走幅跳IH2位の成澤柚日が自己新6m11で3連覇!柴田弥聖が2年連続ロングスプリント2冠/IH北関東

◇インターハイ北関東地区大会(6月13~16日/栃木県宇都宮市・県総合運動公園カンセキスタジアム) 広島インターハイを懸けた北関東地区大会の2日目が行われ、女子走幅跳で成澤柚日(共愛学園3群馬)が自己新の6m11(+1. […]

NEWS 円盤投・松元美春が最終投てきで大逆転連覇&3年連続IHへ!走幅跳・木浦が自己新連発7m20、大混戦800mは田中が2年生V/IH南九州

2025.06.16

円盤投・松元美春が最終投てきで大逆転連覇&3年連続IHへ!走幅跳・木浦が自己新連発7m20、大混戦800mは田中が2年生V/IH南九州

◇インターハイ南九州地区大会(6月13~16日/熊本市・えがお健康スタジアム)3日目 広島インターハイを懸けた南九州地区大会の3日目が行われ、女子円盤投は松元美春(出水3鹿児島)が39m42で2連覇を達成した。 広告の下 […]

NEWS 中村学園女3種目V 小松美咲800m2分05秒63の大会新で2連覇&2冠 走幅跳とハンマー投も制す 大塚涼也がやり投65m51/IH北九州

2025.06.16

中村学園女3種目V 小松美咲800m2分05秒63の大会新で2連覇&2冠 走幅跳とハンマー投も制す 大塚涼也がやり投65m51/IH北九州

◇インターハイ北九州地区大会(6月13日~16日/佐賀・SAGAスタジアム) 広島インターハイをかけた北九州地区大会の3日目が行われ、中村学園女(福岡)が女子3種目で制した。 広告の下にコンテンツが続きます なかでも80 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top