2024.12.21
新春の風物詩・第101回箱根駅伝に挑む出場全21チームの選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。新たな100年への第一歩を踏み出す大会に向かうそれぞれの歩みを紹介する。
予選会で新戦力の成長
トラックのタイムがそのままロードの結果につながるわけではない。だが、このチームが、なぜこの位置にいるのかがまだわからない。10000mの上位10人の平均タイムからいえば、青学大、駒大、そして最も勢いのある國學院大すらしのぐ戦力を有しているのが、中大である。
始まりは、前回大会。直前に体調不良者が続出したことで本来の力を出し切れずに終わってしまった。
「1月はまだ不調を引きずっていましたから、立ち上げは丁寧に基礎固めをやっていこう、ということで、ゆっくりとジョッグの量を増やし、絶対的なトレーニング量を確保してきました。そのお陰もあって、2月くらいからかたちになってきて、春のトラックシーズンでは結果に結びついたと考えています」
そう話すのは、藤原正和駅伝監督だ。駅伝シーズンに向けた切り替えもうまくいき、夏合宿では十分な練習量で乗り切ることができた。
ただ、本格的なシーズンに入る前に故障者が出始める。それも5000m、10000mにハーフマラソンとマルチに活躍する溜池一太(3年)や日本選手権男子3000m障害2位の柴田大地(2年)、それこそトラックでは自己新を連発していた本間颯(同)といった主力の面々だった。
その結果、何があっても通過し、トップの筆頭にも挙げられていた10月の予選会で起用が難しくなる。さらに、3年生エースの吉居駿恭は温存し、全日本大学駅伝で爆発させるつもりだっただけに、急きょ戦略の立て直しを迫られてしまう。
しかし、藤原駅伝監督によるマネジメントの手腕は確かだった。それを証明するかのように、予選会は総合6位という位置ではあったものの、岡田開成、佐藤大介、七枝直、並川颯太、原田望睦の5人の1年生を起用する。
「そうせざるを得なかった」と言いながらも、岡田はチーム2番手の走りを見せ、原田、佐藤は総合ふたケタ順位でフィニッシュする。春先はトラックで自己新を何度も更新してきた並川も66分12秒とまずまずの記録をマーク。ほぼ主力がいないなかで、あの酷暑の予選会を順当に通過して見せた。
さらに翌日の東京レガシーハーフでは、田原琥太郎(1年)が1時間3分34秒で好走。主力が不調だったとしても、新戦力がしっかりと育っている。まさにチーム状況が充実していることを証明したのである。
予選会で新戦力の成長
トラックのタイムがそのままロードの結果につながるわけではない。だが、このチームが、なぜこの位置にいるのかがまだわからない。10000mの上位10人の平均タイムからいえば、青学大、駒大、そして最も勢いのある國學院大すらしのぐ戦力を有しているのが、中大である。 始まりは、前回大会。直前に体調不良者が続出したことで本来の力を出し切れずに終わってしまった。 「1月はまだ不調を引きずっていましたから、立ち上げは丁寧に基礎固めをやっていこう、ということで、ゆっくりとジョッグの量を増やし、絶対的なトレーニング量を確保してきました。そのお陰もあって、2月くらいからかたちになってきて、春のトラックシーズンでは結果に結びついたと考えています」 そう話すのは、藤原正和駅伝監督だ。駅伝シーズンに向けた切り替えもうまくいき、夏合宿では十分な練習量で乗り切ることができた。 ただ、本格的なシーズンに入る前に故障者が出始める。それも5000m、10000mにハーフマラソンとマルチに活躍する溜池一太(3年)や日本選手権男子3000m障害2位の柴田大地(2年)、それこそトラックでは自己新を連発していた本間颯(同)といった主力の面々だった。 その結果、何があっても通過し、トップの筆頭にも挙げられていた10月の予選会で起用が難しくなる。さらに、3年生エースの吉居駿恭は温存し、全日本大学駅伝で爆発させるつもりだっただけに、急きょ戦略の立て直しを迫られてしまう。 しかし、藤原駅伝監督によるマネジメントの手腕は確かだった。それを証明するかのように、予選会は総合6位という位置ではあったものの、岡田開成、佐藤大介、七枝直、並川颯太、原田望睦の5人の1年生を起用する。 「そうせざるを得なかった」と言いながらも、岡田はチーム2番手の走りを見せ、原田、佐藤は総合ふたケタ順位でフィニッシュする。春先はトラックで自己新を何度も更新してきた並川も66分12秒とまずまずの記録をマーク。ほぼ主力がいないなかで、あの酷暑の予選会を順当に通過して見せた。 さらに翌日の東京レガシーハーフでは、田原琥太郎(1年)が1時間3分34秒で好走。主力が不調だったとしても、新戦力がしっかりと育っている。まさにチーム状況が充実していることを証明したのである。4年生がチームの雰囲気を変えた
[caption id="attachment_123595" align="alignnone" width="800"]
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.07.03
日本選手権初日の競技日程が変更 暑熱対策の一環としてフィールド種目が14時以降開始へ
-
2025.07.03
-
2025.07.03
-
2025.07.02
-
2025.07.02
2025.07.02
HOKAの新作レーシングシューズ「ROCKET X 3」が7月2日に新登場!
-
2025.07.01
-
2025.06.27
-
2025.06.17
-
2025.06.04
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.07.03
日本選手権初日の競技日程が変更 暑熱対策の一環としてフィールド種目が14時以降開始へ
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の初日のタイムテーブル変更が発表された。 広告の下にコンテンツが続きます 大会のオープニング種目として女子棒高跳、同 […]
2025.07.03
1500m、5000m出場の田中希実 代表内定とともに「世界陸上で戦うことを意識したレース」を目指す 廣中との対戦「楽しみ」/日本選手権
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の開幕を控え、前日会見が国立競技場で行われ、女子1500m、5000mに出場する田中希実(New Balance)が […]
2025.07.03
103年ぶり2冠狙う泉谷駿介 世界陸上代表狙い「1日、1日全力でやりきりたい」/日本選手権
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の開幕を控え、前日会見が国立競技場で行われ、男子110mハードルと走幅跳に出場する泉谷駿介(住友電工)が登壇した。 […]
2025.07.03
サニブラウン股関節上部の骨挫傷明かすも「できる限りの準備をしたい」/日本選手権
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の開幕を控え、前日会見が国立競技場で行われ、男子100mのサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)が登壇した。 広告 […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会