HOME 国内

2022.12.05

駅伝からマラソンへ!2時間8分43秒で日本人トップの28歳・秋山清仁「立てた目標を一つひとつクリアしたい」/福岡国際マラソン
駅伝からマラソンへ!2時間8分43秒で日本人トップの28歳・秋山清仁「立てた目標を一つひとつクリアしたい」/福岡国際マラソン

福岡国際マラソンで日本人トップを占めた秋山清仁(愛知製鋼)

◇福岡国際マラソン2022(12月4日/平和台陸上競技場発着)

昨年、75回の歴史に幕を閉じた福岡国際マラソン選手権の後継となる「福岡国際マラソン2022」が12月4日、福岡市の平和台陸上競技場を発着点とする伝統のコースを引き継いで行われた。

広告の下にコンテンツが続きます

レースは1km3分ペースで進み、中間点通過が1時間3分20秒という展開。レースが動いたのはペースメーカーが外れた30kmからで、「最後の福岡」を制したマイケル・ギザエ(スズキ)、マル・テフェリ(イスラエル)、国士大卒の社会人1年目ヴィンセント・ライモイ(スズキ)ら外国人選手と、地元の久保和馬(西鉄)が抜け出した。

そこから熾烈な優勝争いが繰り広げられ、最後までペースを維持したテフェリが2時間6分43秒で「初代王者」に輝いた。

日本人トップ争いは、ただ1人先頭集団にいた久保が30km過ぎに右足首を痛めてペースダウンしたことで、大混戦に。

大石港与(トヨタ自動車)、赤﨑暁(九電工)とめまぐるしくその座が入れ替わるなか、30km過ぎに後方へ下がっていた秋山清仁(愛知製鋼)が、39.2kmで赤﨑をかわして日本人最上位に浮上。自己新の2時間8分43秒をマークし、7位でフィニッシュした。

「自己ベストを大きく更新できて自信になります。やってきたことが間違いではなかった。今までやってきてよかったです」

秋山はそう語って胸を張った。

日体大時代の2016年と17年、箱根駅伝の6区で2年連続の区間新記録を打ち立て、いずれも区間賞。4年生だった17年は、最優秀選手に贈られる金栗四三杯を手にした。

ただ、トラックでは目立った成績は残しておらず「どうせ1月3日だけの男と思われているだろうと思っていましたし、自信がないまま実業団に入りました」。

転機となったのは、2019年の熊日30キロロード。6位ながら1時間30分24秒の好タイムをマークし、「ロードの適性がある」と感じた渡邉聡監督からマラソンへの挑戦を促された。

当初は「駅伝に執着があった」と秋山は本気になれずにいたという。しかし、昨年の中部実業団駅伝で予選通過できず、個人のレベルアップの必要性を痛感。練習への意識や質が変わっていった。

そして、その成果が適性ありと見られたマラソンで、ついに花開く。大学2年の14年北海道(2時間29分49秒)、20年2月のびわ湖毎日(2時間15分35秒)に次ぐ3度目の挑戦となった今年3月の東京で、2時間10分58秒の大幅自己新。そして、4度目のマラソンで初のサブテンと、日本人最上位の力走を見せた。

「目標通りの結果と日本人トップという実績を残したことで、今まで足りなかった自信が得られたことが一番大きかったです。来年度はMGCに出場できるし、元日には全日本実業団対抗駅伝もある。立てた目標を一つひとつクリアし、まだ破れていない部分の殻を破っていきたいです」

28歳の秋山は、福岡からさらなる飛躍を誓った。

秋山とともに、2時間9分01秒で8位に入った赤﨑、2時間9分08秒で9位の大石が、日本人3位以内で2時間10分以内という条件を満たし、2024年パリ五輪マラソン選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を獲得。

久保は2時間9分19秒の10位にまとめ、今年3月の東京マラソン(2時間8分48秒)との平均で2時間10分00秒以内のワイルドカード条件をクリア、MGCの出場権を手にした。

文/田端慶子

※記録に誤りがありましたので訂正しました

◇福岡国際マラソン2022(12月4日/平和台陸上競技場発着) 昨年、75回の歴史に幕を閉じた福岡国際マラソン選手権の後継となる「福岡国際マラソン2022」が12月4日、福岡市の平和台陸上競技場を発着点とする伝統のコースを引き継いで行われた。 レースは1km3分ペースで進み、中間点通過が1時間3分20秒という展開。レースが動いたのはペースメーカーが外れた30kmからで、「最後の福岡」を制したマイケル・ギザエ(スズキ)、マル・テフェリ(イスラエル)、国士大卒の社会人1年目ヴィンセント・ライモイ(スズキ)ら外国人選手と、地元の久保和馬(西鉄)が抜け出した。 そこから熾烈な優勝争いが繰り広げられ、最後までペースを維持したテフェリが2時間6分43秒で「初代王者」に輝いた。 日本人トップ争いは、ただ1人先頭集団にいた久保が30km過ぎに右足首を痛めてペースダウンしたことで、大混戦に。 大石港与(トヨタ自動車)、赤﨑暁(九電工)とめまぐるしくその座が入れ替わるなか、30km過ぎに後方へ下がっていた秋山清仁(愛知製鋼)が、39.2kmで赤﨑をかわして日本人最上位に浮上。自己新の2時間8分43秒をマークし、7位でフィニッシュした。 「自己ベストを大きく更新できて自信になります。やってきたことが間違いではなかった。今までやってきてよかったです」 秋山はそう語って胸を張った。 日体大時代の2016年と17年、箱根駅伝の6区で2年連続の区間新記録を打ち立て、いずれも区間賞。4年生だった17年は、最優秀選手に贈られる金栗四三杯を手にした。 ただ、トラックでは目立った成績は残しておらず「どうせ1月3日だけの男と思われているだろうと思っていましたし、自信がないまま実業団に入りました」。 転機となったのは、2019年の熊日30キロロード。6位ながら1時間30分24秒の好タイムをマークし、「ロードの適性がある」と感じた渡邉聡監督からマラソンへの挑戦を促された。 当初は「駅伝に執着があった」と秋山は本気になれずにいたという。しかし、昨年の中部実業団駅伝で予選通過できず、個人のレベルアップの必要性を痛感。練習への意識や質が変わっていった。 そして、その成果が適性ありと見られたマラソンで、ついに花開く。大学2年の14年北海道(2時間29分49秒)、20年2月のびわ湖毎日(2時間15分35秒)に次ぐ3度目の挑戦となった今年3月の東京で、2時間10分58秒の大幅自己新。そして、4度目のマラソンで初のサブテンと、日本人最上位の力走を見せた。 「目標通りの結果と日本人トップという実績を残したことで、今まで足りなかった自信が得られたことが一番大きかったです。来年度はMGCに出場できるし、元日には全日本実業団対抗駅伝もある。立てた目標を一つひとつクリアし、まだ破れていない部分の殻を破っていきたいです」 28歳の秋山は、福岡からさらなる飛躍を誓った。 秋山とともに、2時間9分01秒で8位に入った赤﨑、2時間9分08秒で9位の大石が、日本人3位以内で2時間10分以内という条件を満たし、2024年パリ五輪マラソン選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を獲得。 久保は2時間9分19秒の10位にまとめ、今年3月の東京マラソン(2時間8分48秒)との平均で2時間10分00秒以内のワイルドカード条件をクリア、MGCの出場権を手にした。 文/田端慶子 ※記録に誤りがありましたので訂正しました

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.03.12

月刊陸上競技2026年4月号

Contents 別冊付録 2025記録年鑑 2025年の世界、日本のランキングを収録 世界選手権から全中まであらゆる大会を網羅 大会 Review 東京マラソン 大迫傑、強し。鈴木健吾との熱戦制す 名古屋ウィメンズマラ […]

NEWS 世界室内選手権に桐生祥秀ら10人が発表!4大会連続の田中希実は3000mのみ出場へ 34歳・清山が初代表

2026.03.12

世界室内選手権に桐生祥秀ら10人が発表!4大会連続の田中希実は3000mのみ出場へ 34歳・清山が初代表

日本陸連は3月12日、ポーランドのトルンで行われる世界室内選手権の日本代表選手を発表した。 男子60mは桐生祥秀(日本生命)と木梨嘉紀(筑波大院)が代表入り。桐生は2016年ポートランド大会(米国)以来となり、その時は準 […]

NEWS 世界室内選手権の出場者リスト発表! 日本から桐生祥秀、田中希実、クレイ・アーロン竜波らが出場資格獲得

2026.03.12

世界室内選手権の出場者リスト発表! 日本から桐生祥秀、田中希実、クレイ・アーロン竜波らが出場資格獲得

世界陸連は3月12日、公式サイト内で世界室内選手権(3月20日~22日/ポーランド)の最新の出場者リストを発表し、日本勢は10人が資格を得た。 男子60mでは桐生祥秀(日本生命)と木梨嘉紀(筑波大院)が候補選手として発表 […]

NEWS 日本選手権のキービジュアル公開!桐生祥秀ら登場「ナンバーワンだけが見られる景色がある」

2026.03.12

日本選手権のキービジュアル公開!桐生祥秀ら登場「ナンバーワンだけが見られる景色がある」

日本陸連は今年6月に開催する第110回日本選手権のキービジュアルを公開した。 名古屋アジア大会代表選考会を兼ねて行われる同大会。キービジュアルには、男子100mの桐生祥秀(日本生命)、女子800mの久保凛(東大阪大敬愛高 […]

NEWS OnのCloudmonsterコレクションから「Cloudmonster 3 Hyper」と「LightSpray Cloudmonster 3 Hyper」が登場!

2026.03.12

OnのCloudmonsterコレクションから「Cloudmonster 3 Hyper」と「LightSpray Cloudmonster 3 Hyper」が登場!

スイスのスポーツブランド「On (オン) 」およびオン・ジャパンは3月12日、ベストセラーであるCloudmonsterコレクションの新作ランニングシューズ2モデルの発売を発表した。 「Cloudmonster 3 Hy […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年4月号 (3月13日発売)

2026年4月号 (3月13日発売)

別冊付録 記録年鑑 2025

東京マラソン、大阪マラソン、名古屋ウィメンズマラソン

page top