2022.10.08
◇第77回栃木国体(10月6~10日/宇都宮市・カンセキスタジアムとちぎ)3日目
3年ぶりの開催となった国体が栃木県宇都宮市で開かれ、大会3日目の少年男子Aハンマー投で山口翔輝夜(兵庫・社高3)が68m99の高校新記録を放ち、頂点に立った。
少年男子Aハンマー投は、インターハイ2位で円盤投を制している山口翔輝夜(兵庫・社高3)が5投目に68m99の高校新記録を投げ頂点に立った。
雄たけびとともに魂の鉄球が宇都宮の空に舞った。インターハイでは2位、円盤投では優勝も飾っている山口は「今週に入ってから調子も良かったので、1投目から集中していきました」と話す通り、いきなり兵庫県高校タイ、高校歴代3位タイに並ぶ68m22をスロー。ライバルたちの機先を制した。その後は微調整を繰り返し迎えた5投目。「回っている最中から、しっかりハンマーに力が伝わっていることが分かり、自然と声が出ました」と投げ出された鉄球は高校記録(68m33)を示す黄色いラインを越えていった。
「なかなかハンマーが落ちてこなかったので(高校記録が)出たなというのは分かりました。まずは1㎝でも兵庫県高校記録を上回りたかったですし、何よりインターハイで負けている秋山(玲二郎・四学香川西高3)に勝ちたかったので本当にうれしいです」と満面の笑みを浮かべた。
常々、インターハイで頂点に立っている円盤投が本職と話す山口。インターハイ後は、この国体に備え、これまでの円盤投中心からハンマー投に力点を置き、練習を積んできた。「技術的にはターンで上半身の力を抜き、ハンマーにしっかり力を伝えられるよう技術を磨いてきました」と振り返る。
大学でも両種目に取り組んでいく予定と話し、「高校卒業までに円盤投の高校記録(58m38)、ハンマー投も70mの壁を超えておきたい」と抱負を語った。
やり投のディーン元気(ミズノ)や武本紗栄(佐賀県スポ協)ら、日本代表選手を育てた大久保良正先生の指導を受ける山口。「今後も広い視野で投てきを見つめ、先輩たちのように、日本の投てき界を盛り上げていける存在になりたい」と目を輝かせた。
文/花木 雫
■男子ハンマー投高校歴代10傑[2022.10.8時点]
68m99 山口翔輝夜(社3兵庫) 2022.10. 8
68m33 柏村 亮太(倉吉北3鳥取) 2009.10. 3
68m25 垂井 祐志(四学香川西3香川) 2020.10.23
68m22 中村 美史(市尼崎3兵庫) 2017. 6.15
68m22 執行 大地(市尼崎3兵庫) 2019.10.19
67m22 迫田 力哉(西条農3+広島) 2021. 3.27
67m21 久門 大起(今治明徳3愛媛) 2018.11.10
66m82 小河 彪(久居3三重) 2021. 6.26
66m80 秋山玲二郎(四学香川西3香川) 2022.10. 8
66m66 福田 翔大(大阪桐蔭3大阪) 2018.10.21

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