HOME 国内

2022.09.23

田中希実1500m4分10秒41で貫禄の大会新V「ラスト上がらない」2日後の5000mに照準/全日本実業団
田中希実1500m4分10秒41で貫禄の大会新V「ラスト上がらない」2日後の5000mに照準/全日本実業団

◇第70回全日本実業団対抗選手権(9月23~25日/岐阜・長良川)1日目

全日本実業団対抗選手権1日目に行われた女子1500m(2組タイムレース決勝)の2組に、日本記録保持者の田中希実(豊田自動織機)が出場。4分10秒41の大会新記録で貫禄勝ちを収めた。

800mを2分15秒でトップ集団が通過するなか、田中は5、6番手を追走。「いつものようなレースではなくうまく(流れに)乗ってから自分のものにする」というプランだった。ただ、極端なスローでもなく、超ハイペースでもない中で「戸惑いや焦りもあって自分を制御しきれなかったです」と振り返る。

それでもラスト1周の鐘を合図にロングスパート。食い下がるマーガレット・アキドル(コモディイイダ)を抑えた。しかし、「ラストは思ったより上がらなかった」とやや課題の残るレースとなったようだった。

以前からクラブチームで活動していたものの、この春に同志社大を卒業してから『実業団1年目』で勝ちきったことに笑顔も見せたがタイムには「ヘレン(エカラレ)に負けた中部実業団のほうが大会記録(4分09秒76)はレベルが高いので」と浮かない表情。ただ、今回は荒天も予想されていただけに、「記録を狙うというよりは2日後(5000m)に向けて」という位置づけだったという。

800m、1500m、5000mに出場したオレゴン世界選手権では「何も結果を残せなかった」と悔しい結果に。その後は「練習は積めている」ものの、「気持ちがハマったというレースがなくてストレスもあります」と吐露する。自分の力を発揮できないモヤモヤを抱えながら、それでも欧米を転戦して気持ちやや上向き傾向にある。「自分で乗り越えていかないといけないもの」と捉える田中。心が晴れたレースと「出合える」瞬間まで、脚を止めるつもりはない。

広告の下にコンテンツが続きます

2日後には5000mに出場予定。「海外勢の多いレースになるので伸び伸び走って、世界選手権のようなチャレンジをもう一度できると思って走りたい」と気持ちを切り替えていた。

◇廣中璃梨佳も1500m出場4分23秒34

女子5000mと10000mの東京五輪・オレゴン世界選手権代表で、5000m日本記録保持者の廣中は1500mに出場。4分23秒34で全体18位だった。

「練習の一環として」1500mや3000mなど連戦している廣中。「疲労もあって途中から脚が動かずに腕だけで動かしていました」と言う。その中でも「4分20秒を切りたかった」と課題を見つけた様子。試合を練習代わりにする「新しいチャレンジ」に取り組んでおり、距離を踏みつつスピード強化も図っている。

「5000mや10000mで世界で戦うために」と廣中。連戦で見つかった課題を修正し、次の5000mはブダペスト世界選手権の参加標準記録(14分57秒00)に向けて「合わせていきたい」と見据えていた。

◇第70回全日本実業団対抗選手権(9月23~25日/岐阜・長良川)1日目 全日本実業団対抗選手権1日目に行われた女子1500m(2組タイムレース決勝)の2組に、日本記録保持者の田中希実(豊田自動織機)が出場。4分10秒41の大会新記録で貫禄勝ちを収めた。 800mを2分15秒でトップ集団が通過するなか、田中は5、6番手を追走。「いつものようなレースではなくうまく(流れに)乗ってから自分のものにする」というプランだった。ただ、極端なスローでもなく、超ハイペースでもない中で「戸惑いや焦りもあって自分を制御しきれなかったです」と振り返る。 それでもラスト1周の鐘を合図にロングスパート。食い下がるマーガレット・アキドル(コモディイイダ)を抑えた。しかし、「ラストは思ったより上がらなかった」とやや課題の残るレースとなったようだった。 以前からクラブチームで活動していたものの、この春に同志社大を卒業してから『実業団1年目』で勝ちきったことに笑顔も見せたがタイムには「ヘレン(エカラレ)に負けた中部実業団のほうが大会記録(4分09秒76)はレベルが高いので」と浮かない表情。ただ、今回は荒天も予想されていただけに、「記録を狙うというよりは2日後(5000m)に向けて」という位置づけだったという。 800m、1500m、5000mに出場したオレゴン世界選手権では「何も結果を残せなかった」と悔しい結果に。その後は「練習は積めている」ものの、「気持ちがハマったというレースがなくてストレスもあります」と吐露する。自分の力を発揮できないモヤモヤを抱えながら、それでも欧米を転戦して気持ちやや上向き傾向にある。「自分で乗り越えていかないといけないもの」と捉える田中。心が晴れたレースと「出合える」瞬間まで、脚を止めるつもりはない。 2日後には5000mに出場予定。「海外勢の多いレースになるので伸び伸び走って、世界選手権のようなチャレンジをもう一度できると思って走りたい」と気持ちを切り替えていた。 ◇廣中璃梨佳も1500m出場4分23秒34 女子5000mと10000mの東京五輪・オレゴン世界選手権代表で、5000m日本記録保持者の廣中は1500mに出場。4分23秒34で全体18位だった。 「練習の一環として」1500mや3000mなど連戦している廣中。「疲労もあって途中から脚が動かずに腕だけで動かしていました」と言う。その中でも「4分20秒を切りたかった」と課題を見つけた様子。試合を練習代わりにする「新しいチャレンジ」に取り組んでおり、距離を踏みつつスピード強化も図っている。 「5000mや10000mで世界で戦うために」と廣中。連戦で見つかった課題を修正し、次の5000mはブダペスト世界選手権の参加標準記録(14分57秒00)に向けて「合わせていきたい」と見据えていた。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.12.13

ケガから復帰の駒大・佐藤圭汰「インパクトのある走りをしたい」青学大・太田に闘志燃やす 伊藤、山川との3年生トリオが充実

第101回箱根駅伝に出場する駒大がオンラインで記者会見を開き、藤田敦史監督、大八木弘明総監督、選手が登壇、報道陣の取材に応じた。 前回、3区区間2位の力走を見せたものの、青学大・太田蒼生(4年)との競り合いに敗れた佐藤圭 […]

NEWS 箱根駅伝V奪還狙う駒大 藤田敦史監督「100回大会の悔しさ晴らしたい」選手層に課題も手応えあり

2024.12.13

箱根駅伝V奪還狙う駒大 藤田敦史監督「100回大会の悔しさ晴らしたい」選手層に課題も手応えあり

第101回箱根駅伝に出場する駒大がオンラインで記者会見を開き、藤田敦史監督、大八木弘明総監督、選手が登壇、報道陣の取材に応じた。 藤田監督は「前回は出雲駅伝、全日本大学駅伝を制した状態で迎え、青山学院に負けて準優勝でした […]

NEWS 國學院大エースの平林清澄「どの区間でもエースとしての走りをする」最後の箱根駅伝「監督を大号泣させたい」

2024.12.13

國學院大エースの平林清澄「どの区間でもエースとしての走りをする」最後の箱根駅伝「監督を大号泣させたい」

第101回箱根駅伝に出場する國學院大が12月13日、東京の渋谷キャンパスで壮行会が開かれ、前田康弘監督と選手たちが登壇。壮行会後に主将の平林清澄(4年)が報道陣の合同取材に応じた。 2冠を獲得しているだけに、壮行会にはフ […]

NEWS 國學院大・前田康弘監督 箱根駅伝初制覇へ「復路で仕留めにいく」自身も駒大初Vの主将「平林にも…」

2024.12.13

國學院大・前田康弘監督 箱根駅伝初制覇へ「復路で仕留めにいく」自身も駒大初Vの主将「平林にも…」

第101回箱根駅伝に出場する國學院大が12月13日、東京の渋谷キャンパスで壮行会が開かれ、前田康弘監督と選手たちが登壇。壮行会後に前田監督が報道陣の合同取材に応じた。 前田監督は壮行会を振り返り、「すごい人数でビックリし […]

NEWS 箱根駅伝初V狙う國學院大が壮行会 前田康弘監督「チーム力、団結力がある」

2024.12.13

箱根駅伝初V狙う國學院大が壮行会 前田康弘監督「チーム力、団結力がある」

第101回箱根駅伝に出場する國學院大が12月13日、東京の渋谷キャンパスで壮行会が開かれ、前田康弘監督と選手たちが登壇した。 出雲駅伝、全日本大学駅伝を制した國學院大。多くのファン・学生が壮行会を見守り、その注目度の高さ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top