HOME 中学

2022.08.20

3000mは中学記録保持者の増子陽太が8分18秒49の大会新V 地元の期待に走りで応え「最高です」/福島全中
3000mは中学記録保持者の増子陽太が8分18秒49の大会新V 地元の期待に走りで応え「最高です」/福島全中

◇福島全中(8月18日~21日/福島・県営あづま競技場)2日目

5位までが従来の大会記録(8分27秒57)を14年ぶりに塗り替えるハイレベルなレースとなった男子3000m。2017年に石田洸介(浅川3福岡/現・東洋大)が打ち立てた日本中学記録(8分17秒84)を、9日前の東北大会で2秒80も塗り替える8分15秒04をマークしていた増子陽太(鏡石3福島)が8分18秒49で制し、地元で行われた全国大会で見事に大輪の花を咲かせた。

広告の下にコンテンツが続きます

「最初から引っ張ってペースを作るのが、自分が勝てる1番の方法だと思っていました」という言葉通り、スタート直後から積極的に先頭に立った。1000m通過は2分51秒。予選より速いペースで、軽快な走りにも見えたが、自身は7月以降の連戦もあってか、「コンディションはあまり良くなかったです」という。5分41秒で2000mを通過した際は、「もう無理だと心が折れそうにもなりました」と明かす。

そんな増子の背中を押したのが、地元・福島の観客からの温かい応援だった。「あきらめかけていた時に(レース前の選手紹介での)拍手や周りの応援を思い出して、『もう1回やるぞ』と切り替えることができました」

東北大会では終盤まで競り合った菅野元太(山形十3山形)が、終始増子にぴったりとつくポジションでレースを進め、残り700mあたりで仕掛けたが、増子は落ち着いて対応した。ラスト400mで新妻遼己(平岡3兵庫)がスパートした時も、しっかり背後について逃がさない。「ラストの競り合いも練習で強化していたので、焦ることなく勝負できました」と、最終コーナーを回って再びトップを奪い返し、そのままトップでフィニッシュへと飛び込んだ。

「自分が一番目指していたのが全中でしたし、しかも地元開催の大会で大会新で優勝できたので最高でした」と増子。先生方や仲間たちからの祝福にうれしそうな表情を浮かべながらも、今後に向けては、「次は駅伝が始まるので、チームで走る駅伝や都道府県駅伝でがんばりたいです」と力強く言い切った。

広告の下にコンテンツが続きます

また、増子と終盤まで競り合った選手たちも好記録で続き、2位には8分20秒60で新妻遼が入り、3位の奥野恭史(藤森3京都/8分21秒05)が、それぞれ中学歴代7位、8位にランクイン。4位の/8分24秒27)、5位の菅野(8分26秒20)までが従来の大会記録を更新した。

文/小野哲史

■男子3000m中学歴代10傑
8.15.04 増子 陽太(鏡石3福島)    2022. 8.10
8.15.21 菅野 元太(山形十3山形)   2022. 8.10
8.17.84 石田 洸介(浅川3福岡)    2017.10.29
8.18.70 鈴木 琉胤(小金北3千葉)   2021.11.23
8.19.14 林田 洋翔(桜が原3長崎)   2016.10.11
8.20.42 川原 琉人(三井楽3+長崎)   2021. 3.14
8.20.60 新妻 遼己(平岡3兵庫)    2022. 8.19
8.21.05 奥野 恭史(藤森3京都)    2022. 8.19
8.21.22 池田  親(加古川山手3兵庫) 2012. 5.25
8.22.92 太田 智樹(浜名3静岡)    2012.10.28

◇2日目の優勝者
【男子】
200m 黒澤諒介(水戸三3茨城)  22秒40(-1.5)
800m 鈴木太智(東陽3愛知)   1分55秒20
3000m 増子陽太(鏡石3福島)   8分18秒49=大会新
棒高跳 杉本惺昭(上野3兵庫)   4m40

広告の下にコンテンツが続きます

【女子】
200m 岡林結衣(大津1高知)   25秒13(+0.5)
800m 久保 凛(潮岬3和歌山)  2分09秒96

◇福島全中(8月18日~21日/福島・県営あづま競技場)2日目 5位までが従来の大会記録(8分27秒57)を14年ぶりに塗り替えるハイレベルなレースとなった男子3000m。2017年に石田洸介(浅川3福岡/現・東洋大)が打ち立てた日本中学記録(8分17秒84)を、9日前の東北大会で2秒80も塗り替える8分15秒04をマークしていた増子陽太(鏡石3福島)が8分18秒49で制し、地元で行われた全国大会で見事に大輪の花を咲かせた。 「最初から引っ張ってペースを作るのが、自分が勝てる1番の方法だと思っていました」という言葉通り、スタート直後から積極的に先頭に立った。1000m通過は2分51秒。予選より速いペースで、軽快な走りにも見えたが、自身は7月以降の連戦もあってか、「コンディションはあまり良くなかったです」という。5分41秒で2000mを通過した際は、「もう無理だと心が折れそうにもなりました」と明かす。 そんな増子の背中を押したのが、地元・福島の観客からの温かい応援だった。「あきらめかけていた時に(レース前の選手紹介での)拍手や周りの応援を思い出して、『もう1回やるぞ』と切り替えることができました」 東北大会では終盤まで競り合った菅野元太(山形十3山形)が、終始増子にぴったりとつくポジションでレースを進め、残り700mあたりで仕掛けたが、増子は落ち着いて対応した。ラスト400mで新妻遼己(平岡3兵庫)がスパートした時も、しっかり背後について逃がさない。「ラストの競り合いも練習で強化していたので、焦ることなく勝負できました」と、最終コーナーを回って再びトップを奪い返し、そのままトップでフィニッシュへと飛び込んだ。 「自分が一番目指していたのが全中でしたし、しかも地元開催の大会で大会新で優勝できたので最高でした」と増子。先生方や仲間たちからの祝福にうれしそうな表情を浮かべながらも、今後に向けては、「次は駅伝が始まるので、チームで走る駅伝や都道府県駅伝でがんばりたいです」と力強く言い切った。 また、増子と終盤まで競り合った選手たちも好記録で続き、2位には8分20秒60で新妻遼が入り、3位の奥野恭史(藤森3京都/8分21秒05)が、それぞれ中学歴代7位、8位にランクイン。4位の/8分24秒27)、5位の菅野(8分26秒20)までが従来の大会記録を更新した。 文/小野哲史 ■男子3000m中学歴代10傑 8.15.04 増子 陽太(鏡石3福島)    2022. 8.10 8.15.21 菅野 元太(山形十3山形)   2022. 8.10 8.17.84 石田 洸介(浅川3福岡)    2017.10.29 8.18.70 鈴木 琉胤(小金北3千葉)   2021.11.23 8.19.14 林田 洋翔(桜が原3長崎)   2016.10.11 8.20.42 川原 琉人(三井楽3+長崎)   2021. 3.14 8.20.60 新妻 遼己(平岡3兵庫)    2022. 8.19 8.21.05 奥野 恭史(藤森3京都)    2022. 8.19 8.21.22 池田  親(加古川山手3兵庫) 2012. 5.25 8.22.92 太田 智樹(浜名3静岡)    2012.10.28 ◇2日目の優勝者 【男子】 200m 黒澤諒介(水戸三3茨城)  22秒40(-1.5) 800m 鈴木太智(東陽3愛知)   1分55秒20 3000m 増子陽太(鏡石3福島)   8分18秒49=大会新 棒高跳 杉本惺昭(上野3兵庫)   4m40 【女子】 200m 岡林結衣(大津1高知)   25秒13(+0.5) 800m 久保 凛(潮岬3和歌山)  2分09秒96

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.05.05

やり投・北口榛花「納得はいかない」も61m83でV 世界一になって国内初試合飾る/水戸招待

◇水戸招待陸上(5月5日/茨城・ケーズデンキスタジアム水戸) 日本グランプリシリーズG2の水戸招待が行われ、女子やり投は北口榛花(JAL)が61m83をマークして優勝した。 広告の下にコンテンツが続きます 昨年のブダペス […]

NEWS 男子4×400mR日本は組1着でパリ五輪へ! 「しっかりと勝ち切って、パリに臨みたい」/世界リレー

2024.05.05

男子4×400mR日本は組1着でパリ五輪へ! 「しっかりと勝ち切って、パリに臨みたい」/世界リレー

◇2024世界リレー(5月4日、5日/バハマ・ナッソー)1日目 パリ五輪の出場権を懸けた世界リレーの1日目が行われ、男子4×400mリレー予選1組で日本が3分00秒98で1着となり、今夏のパリ五輪出場権を獲得した。 広告 […]

NEWS 男子4×100mR日本がパリ五輪へ「もっと良いバトンができれば、金メダルも狙える」/世界リレー

2024.05.05

男子4×100mR日本がパリ五輪へ「もっと良いバトンができれば、金メダルも狙える」/世界リレー

◇2024世界リレー(5月4日、5日/バハマ・ナッソー)1日目 パリ五輪の出場権を懸けた世界リレーの1日目が行われ、男子4×100mリレー予選4組で日本が38秒10で1着となり、今夏のパリ五輪出場権を獲得した。 広告の下 […]

NEWS 【大会結果】2024水戸招待陸上(2024年5月5日)

2024.05.05

【大会結果】2024水戸招待陸上(2024年5月5日)

【大会結果】日本グランプリシリーズG3 2024水戸招待(5月5日/茨城県水戸市・ケーズデンキスタジアム水戸) ●男子 100m(-4.3) 1位 本郷汰樹(オノテック) 10秒69 2位 林哉太(ノジマ)    10秒 […]

NEWS 「環境を変えて、良い滑り出しになった」 砂岡拓磨がセカンドベストで日本人トップ 28年ロス五輪をターゲットに/GGのべおか

2024.05.05

「環境を変えて、良い滑り出しになった」 砂岡拓磨がセカンドベストで日本人トップ 28年ロス五輪をターゲットに/GGのべおか

◇第35回ゴールデンゲームズinのべおか(5月4日/宮崎県延岡市・西階陸上競技場) ゴールデンゲームズinのべおかの男子5000m最終A組では、砂岡拓磨(東京陸協)が圧巻の強さを見せた。 広告の下にコンテンツが続きます […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年5月号 (4月12日発売)

2024年5月号 (4月12日発売)

パリ五輪イヤー開幕!

page top