HOME 高校

2022.08.08

女子総合優勝は中京大中京が連覇!市船橋と0.5点差の大激戦制す/徳島IH
女子総合優勝は中京大中京が連覇!市船橋と0.5点差の大激戦制す/徳島IH

◇徳島インターハイ(8月3日~7日/徳島・鳴門総合運動公園)

女子学校対抗総合は、最終種目の4×400mリレーまでもつれる大接戦となり、前回優勝の中京大中京(愛知)が44点を獲得して、2年連続3回目の女子総合優勝を果たした。2位の市船橋は43.5点。その差はわずか0.5点だった。

広告の下にコンテンツが続きます

中京大中京の北村肇先生は、「この展開になるとは思っていませんでした」と語りながらも、「1人1人が力を出し切ってくれました」と選手たちの奮闘を労った。

戦前に予想された通り、5日間に渡って2校が激しい得点争いを繰り広げた。トラック種目を中心に多くの種目で、両校の選手たちが直接対決。初日の400mで市船橋がリードすれば、2日目は藏重みう(3年)が100mを制し、中京大中京が総合得点で1.5点上回る。3日目には、両校がゴール直前まで優勝争いを演じた4×100mリレーで、中京大中京に軍配が上がったものの、他に走幅跳で3位、400mハードルでも入賞した市船橋が再逆転。その差は4.5点となった。

中京大中京は各選手がそれぞれの目標に突き進むと同時に、チームとして学校対抗に賭ける思いも強かった。藏重は言う。

「昨年優勝できたこともあるので、今年もその流れをつなげたいという思いがありました。先輩たちからも『来年もやってくれる』というバトンを託されているので、そこはチームとしてかなり意識しています。点数の目標はありませんが、目指す方向性はみんな同じ所にあると思います」

その藏重は4日目の200mで5位。目標に掲げていた3冠はならなかったが、3種目で20点を獲得。「200mで加算できなかったのは痛かったですが、2種目で一番大きい点数を取れたことには満足しています」と語っていた。

林美希(3年)が七種競技を制した4日目終了時点で、中京大中京が29点、市船橋が27.5点と再び首位が入れ替わり、迎えた最終日。市船橋が三段跳で優勝して8点をもぎ取ると、中京大中京も110mハードルで林が8点を獲得し、互いに譲らない。そして、勝敗の行方は最終種目の4×400mリレーに委ねられた。

レースは手に汗握る熱戦に。1走でトップに立った市船橋を中京大中京が追いかける。ここで順位差が「2」以上開くと、市船橋の逆転優勝だったが、準決勝から起用されたエースの藏重が踏ん張った。逃げ切って初優勝を飾った市船橋には及ばなかったものの、激しい2位争いを制して7点を加え、2校による歴史に残る大接戦はようやく決着した。

「総合は下位入賞をたくさんしても優勝はできません。各種目で優勝、もしくはそれに近い3位ぐらいまでに入らないといけませんから、とにかく個人のスキルアップ、力をつけて上位や優勝を狙っていくことが必要です」と北村先生。

今年度の代表格が藏重と林であり、2人を軸に着実に得点を重ねた中京大中京の底力が光った。

文/小野哲史

◇徳島インターハイ(8月3日~7日/徳島・鳴門総合運動公園) 女子学校対抗総合は、最終種目の4×400mリレーまでもつれる大接戦となり、前回優勝の中京大中京(愛知)が44点を獲得して、2年連続3回目の女子総合優勝を果たした。2位の市船橋は43.5点。その差はわずか0.5点だった。 中京大中京の北村肇先生は、「この展開になるとは思っていませんでした」と語りながらも、「1人1人が力を出し切ってくれました」と選手たちの奮闘を労った。 戦前に予想された通り、5日間に渡って2校が激しい得点争いを繰り広げた。トラック種目を中心に多くの種目で、両校の選手たちが直接対決。初日の400mで市船橋がリードすれば、2日目は藏重みう(3年)が100mを制し、中京大中京が総合得点で1.5点上回る。3日目には、両校がゴール直前まで優勝争いを演じた4×100mリレーで、中京大中京に軍配が上がったものの、他に走幅跳で3位、400mハードルでも入賞した市船橋が再逆転。その差は4.5点となった。 中京大中京は各選手がそれぞれの目標に突き進むと同時に、チームとして学校対抗に賭ける思いも強かった。藏重は言う。 「昨年優勝できたこともあるので、今年もその流れをつなげたいという思いがありました。先輩たちからも『来年もやってくれる』というバトンを託されているので、そこはチームとしてかなり意識しています。点数の目標はありませんが、目指す方向性はみんな同じ所にあると思います」 その藏重は4日目の200mで5位。目標に掲げていた3冠はならなかったが、3種目で20点を獲得。「200mで加算できなかったのは痛かったですが、2種目で一番大きい点数を取れたことには満足しています」と語っていた。 林美希(3年)が七種競技を制した4日目終了時点で、中京大中京が29点、市船橋が27.5点と再び首位が入れ替わり、迎えた最終日。市船橋が三段跳で優勝して8点をもぎ取ると、中京大中京も110mハードルで林が8点を獲得し、互いに譲らない。そして、勝敗の行方は最終種目の4×400mリレーに委ねられた。 レースは手に汗握る熱戦に。1走でトップに立った市船橋を中京大中京が追いかける。ここで順位差が「2」以上開くと、市船橋の逆転優勝だったが、準決勝から起用されたエースの藏重が踏ん張った。逃げ切って初優勝を飾った市船橋には及ばなかったものの、激しい2位争いを制して7点を加え、2校による歴史に残る大接戦はようやく決着した。 「総合は下位入賞をたくさんしても優勝はできません。各種目で優勝、もしくはそれに近い3位ぐらいまでに入らないといけませんから、とにかく個人のスキルアップ、力をつけて上位や優勝を狙っていくことが必要です」と北村先生。 今年度の代表格が藏重と林であり、2人を軸に着実に得点を重ねた中京大中京の底力が光った。 文/小野哲史

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.07

西研人が初優勝! 大会記録に迫る45分55秒 小山直城が2位 国際の部はヴィンセントがトップ/甲佐10マイルロード

12月1日、熊本県甲佐町で第50回熊本甲佐10マイルロードレースが行われ、一般の部では西研人(大阪ガス)が45分55秒で初優勝を飾った。 レースは、西と同時スタートの国際の部に出場したY.ヴィンセント(Honda)やE. […]

NEWS 西出優月と西山未奈美が5km15分21秒の日本新記録! 田中希実の記録を4秒更新 ドルーリー朱瑛里が15分56秒/甲佐10マイルロード

2025.12.07

西出優月と西山未奈美が5km15分21秒の日本新記録! 田中希実の記録を4秒更新 ドルーリー朱瑛里が15分56秒/甲佐10マイルロード

◇第50回熊本甲佐10マイル公認ロードレース(12月7日/熊本・甲佐町、甲佐町役場前発着) 甲佐10マイル公認ロードレースが行われ、女子5kmの部で西出優月(ダイハツ)が15分21秒で優勝し、同タイムで2位だった西山未奈 […]

NEWS いざ、ロス五輪MGC切符獲得へ!福岡国際マラソン、今日12時10分スタート

2025.12.07

いざ、ロス五輪MGC切符獲得へ!福岡国際マラソン、今日12時10分スタート

◇福岡国際マラソン2025(12月7日/福岡市・平和台陸上競技場発着) MGCシリーズ2025-26男子G1の福岡国際マラソン2025が今日(12月7日)に行われる。来年の名古屋アジア大会代表選考会も兼ねて実施。28年ロ […]

NEWS マラソン・川内優輝が第二子誕生を報告!「ソワソワしていました」15回目防府読売前日に吉報

2025.12.06

マラソン・川内優輝が第二子誕生を報告!「ソワソワしていました」15回目防府読売前日に吉報

男子マラソンプロランナーの川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)が12月6日に自身のSNSを更新し、第二子の誕生を報告した。 川内は17時前に投稿し「先ほど次男の夢翔が生まれました」と名前も明かした。元実業団ランナーでもあ […]

NEWS 高3・吉田彩心が1万m32分38秒74の高校歴代2位 11月下旬の5000mに続き、2週連続の快走/エディオンDC

2025.12.06

高3・吉田彩心が1万m32分38秒74の高校歴代2位 11月下旬の5000mに続き、2週連続の快走/エディオンDC

◇エディオンディスタンスチャレンジin大阪2025(12月6日/ヤンマースタジアム長居) 長距離特化の記録会エディオンディスタンスチャレンジが行われ、女子10000m(C組)はカリバ・カロライン(日本郵政グループ)が30 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top