HOME ニュース、国内

2022.05.01

七種競技はケガから復活のヘンプヒル恵が5732点でV!18年日本IC以来のビッグタイトル「自分に負けなかった」/木南記念
七種競技はケガから復活のヘンプヒル恵が5732点でV!18年日本IC以来のビッグタイトル「自分に負けなかった」/木南記念


◇木南記念(4月30日・5月1日/大阪・ヤンマースタジアム長居)1日目

日本グランプリシリーズ大阪大会の木南記念、女子七種競技はヘンプヒル恵(アトレ)が5732点で優勝した

混成競技の恒例行事となっている最終種目のあとの記念撮影。優勝の花束を贈呈されると、ともに2日間を戦い抜いた『仲間たち』から拍手が起きた。女王の復活だった。

広告の下にコンテンツが続きます

初日を3397点のトップで終えたヘンプヒル。2日目は雨の中でスタートし、得意としている走幅跳で5m65(±0)と苦戦する。それでもやり投で44m52をマークすると、最後の800mでは日本記録保持者の山崎有紀(スズキ)と一騎打ちに。「ペースを考えずに走った」という山崎を「とにかくついていって、楽に600mまで行って粘る」と追いかけたヘンプヒル。残り200m付近で一気に前に出たヘンプヒルがトップでフィニッシュし、倒れ込んだ。「最後は脚が動かず歩いてしまいました」と苦笑い。

絶好調だった2017年夏の練習中に左膝を痛めて手術。長いリハビリを経て復帰したものの、2020年9月の日本選手権のやり投で今度は右膝を痛めた。一度は競技引退を考えたが復帰を決意。昨年は「世界で戦いたい」と本場・米国へ渡った。

主要大会での優勝は2018年の日本インカレ以来、実に4年ぶり。「勝つつもりでしたし、やってきたことを出せたと思います。自分に負けないように挑戦できた」と胸を張った。しかし、「戻ってきたというよりは、ニュー・ヘンプヒル恵です。本当に戻ったといえるのは日本選手権で勝ってから」と、まだまだ進化を止めるつもりはない。

中学時代から常に先頭を走り続け、次々と記録を更新し、七種競技の歴史を塗り替えてきたヘンプヒル。ケガを経験し、「人生のつらいこと全部経験したくらい、どん底を味わいました」。だからこそ、米国へ渡る挑戦ができ、新たな道を進めたとも言える。

「両膝を手術してオリンピックに行った選手は日本にいないと思います。誰もしたことのないことをしたい」。潜在能力はこんなものじゃない。「6000点、行きます」。未だ日本人が誰も到達していない領域へ。6月の日本選手権で、ついにその時が訪れる。

◇木南記念(4月30日・5月1日/大阪・ヤンマースタジアム長居)1日目 日本グランプリシリーズ大阪大会の木南記念、女子七種競技はヘンプヒル恵(アトレ)が5732点で優勝した 混成競技の恒例行事となっている最終種目のあとの記念撮影。優勝の花束を贈呈されると、ともに2日間を戦い抜いた『仲間たち』から拍手が起きた。女王の復活だった。 初日を3397点のトップで終えたヘンプヒル。2日目は雨の中でスタートし、得意としている走幅跳で5m65(±0)と苦戦する。それでもやり投で44m52をマークすると、最後の800mでは日本記録保持者の山崎有紀(スズキ)と一騎打ちに。「ペースを考えずに走った」という山崎を「とにかくついていって、楽に600mまで行って粘る」と追いかけたヘンプヒル。残り200m付近で一気に前に出たヘンプヒルがトップでフィニッシュし、倒れ込んだ。「最後は脚が動かず歩いてしまいました」と苦笑い。 絶好調だった2017年夏の練習中に左膝を痛めて手術。長いリハビリを経て復帰したものの、2020年9月の日本選手権のやり投で今度は右膝を痛めた。一度は競技引退を考えたが復帰を決意。昨年は「世界で戦いたい」と本場・米国へ渡った。 主要大会での優勝は2018年の日本インカレ以来、実に4年ぶり。「勝つつもりでしたし、やってきたことを出せたと思います。自分に負けないように挑戦できた」と胸を張った。しかし、「戻ってきたというよりは、ニュー・ヘンプヒル恵です。本当に戻ったといえるのは日本選手権で勝ってから」と、まだまだ進化を止めるつもりはない。 中学時代から常に先頭を走り続け、次々と記録を更新し、七種競技の歴史を塗り替えてきたヘンプヒル。ケガを経験し、「人生のつらいこと全部経験したくらい、どん底を味わいました」。だからこそ、米国へ渡る挑戦ができ、新たな道を進めたとも言える。 「両膝を手術してオリンピックに行った選手は日本にいないと思います。誰もしたことのないことをしたい」。潜在能力はこんなものじゃない。「6000点、行きます」。未だ日本人が誰も到達していない領域へ。6月の日本選手権で、ついにその時が訪れる。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.08

甲南学園陸上競技部創部100周年式典を開催!中尾恭吾主将「次の100年へつなげたい」

甲南学園陸上競技部創部100周年記念式典、および記念祝賀会が11月8日、神戸市内のホテルで開催された。 甲南大学、甲南高校・中学校を運営する甲南学園の歴史は1911年の幼稚園創立からスタート。翌年に小学校、1919年に中 […]

NEWS 女子5000mで山田桃愛が15分33秒70の自己新  3000mで高3・栃尾佳穂9分11秒48/京都陸協記録会

2025.11.08

女子5000mで山田桃愛が15分33秒70の自己新 3000mで高3・栃尾佳穂9分11秒48/京都陸協記録会

11月8日、京都市の東寺ハウジングフィールド西京極で第6回京都陸協記録会が行われ、女子5000mでは山田桃愛(しまむら)が15分33秒70の自己新で全体トップとなった。 山田は埼玉県出身の24歳。小学生時代に発症した骨髄 […]

NEWS 5000m競歩で山田大智が高校新! 従来の記録を10秒近く更新する19分20秒59

2025.11.08

5000m競歩で山田大智が高校新! 従来の記録を10秒近く更新する19分20秒59

11月8日、兵庫県尼崎市の尼崎市記念公園陸上競技場で第6回尼崎中長距離記録会が行われ、男子5000m競歩で山田大智(西脇工高3兵庫)が19分20秒59の日本高校新記録を樹立した。従来の高校記録は住所大翔(飾磨工高/現・富 […]

NEWS 中部・北陸実業団駅伝の区間エントリー発表! 最長4区はトヨタ紡織・西澤侑真、トヨタ自動車・湯浅仁が出場

2025.11.08

中部・北陸実業団駅伝の区間エントリー発表! 最長4区はトヨタ紡織・西澤侑真、トヨタ自動車・湯浅仁が出場

11月8日、中部実業団連盟と北陸実業団連盟は、ニューイヤー駅伝の予選を兼ねた第65回中部・第55回北陸実業団対抗駅伝(11月9日)の区間エントリーを発表した。 中部では、昨年大会新記録で優勝を果たしたトヨタ紡織が4区(1 […]

NEWS 中電工は1区・相葉直紀、6区・北村惇生  中国電力は池田勘汰を6区に起用/中国実業団対抗駅伝

2025.11.08

中電工は1区・相葉直紀、6区・北村惇生 中国電力は池田勘汰を6区に起用/中国実業団対抗駅伝

中国実業団連盟は11月8日、第64回中国実業団対抗駅伝(11月9日)の区間エントリーを発表した。 前回大会で3年ぶりの優勝を果たした中電工は、優勝の立役者となった北村惇生を2年連続でエース区間の6区(19km)に登録した […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top