2025.11.22
◇2025八王子ロングディスタンス(11月22日/東京・上柚木公園陸上競技場)
男子10000mに特化した八王子ロングディスタンスが行われ、7組日本人トップ(6着)の鈴木芽吹(トヨタ自動車)が27分05秒92をマーク。塩尻和也(富士通)が23年に出した日本記録(27分09秒80)を2年ぶりに約4秒更新した。
日本新設定の電子ペーサーを目印に、5000mは13分36秒でトップが通過。鈴木も先頭集団についた。その後は細かなペースの変動があるなか、前に飛び出す積極性も見せ、ペーシングライトよりも大きく前へ。ラストまで粘り切り、待望の日本新を樹立。静かにフィニッシュしつつ、両拳を何度も力強く握った。
「しっかり準備してきたので出せました」。大会前には3週間ほど米国アルバカーキで調整。大八木弘明コーチも「昨年以上の質だった」と太鼓判を押す出来だった。
5000m通過時点で「少しきつかった」と言うも、その後は「身体も温まってきた感覚があって楽になってきました」。これまで何度も日本記録に近づきながら、ペースメーカーの乱れなどもあり、届かずにいた。「最低でも日本記録を狙う中で、(そこから)遅れたら何秒でも同じ。遅れるようなら前に出ようと思った」。日本記録が簡単ではないのは十分招致の上で果敢にチャレンジ。ついに壁を打ち破った。
駒大時代はケガに泣いた鈴木。トヨタ自動車に加入してからも大八木コーチの指導のもと「継続」をテーマに地道に取り組んできた。今年4月の日本選手権で初の日本一に輝き、アジア選手権で代表入り。ワールドランキングで初出場となる東京世界選手権を駆け抜けた。
「経験できたのはすごくうれしかったし、プラスになった」と語る一方で、20位に敗れ「本当に通用しないんだと痛感しました」。その後は「何か変えないとダメ」と練習面では「量をやる時期と質を上げる時期を明確に分ける」など意識。10月には母校・佐久長聖高(長野)を訪れ、後輩たちと練習することで「初心に戻って今はこういう気持ちがなかったな、など気づけました」。
悲願の日本新に「いつか出さないといけないと思っていました。今の日本に出せる選手はたくさんいる。その中で先陣を切れたのはすごくうれしい」と笑顔を見せつつ、「世界の基準は26分台。そこが最低限です。次に記録狙いの10000mがいつかわかりませんが、駅伝の後にゆっくり練習しながら考えていきたい」。全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)ではV奪還を掲げ、来年は名古屋でのアジア大会をターゲットに見据える。
実業団2年目で名実ともに日本一となり、大器・覚醒を印象づけた鈴木。「まだまだトラックを極めていきたい」と、日本のエースとして世界へと挑戦していく。
【動画】2年ぶりの日本新!鈴木芽吹が27分05秒92
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.11.22
-
2025.11.22
-
2025.11.20
-
2025.11.20
-
2025.11.20
-
2025.11.20
2025.11.02
青学大が苦戦の中で3位確保!作戦不発も「力がないチームではない」/全日本大学駅伝
-
2025.11.20
-
2025.11.20
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.22
悲願の日本新の鈴木芽吹「しっかり準備できた」世界陸上で「通用しないと痛感」意識にも変化/八王子LD
◇2025八王子ロングディスタンス(11月22日/東京・上柚木公園陸上競技場) 男子10000mに特化した八王子ロングディスタンスが行われ、7組日本人トップ(6着)の鈴木芽吹(トヨタ自動車)が27分05秒92をマーク。塩 […]
2025.11.22
鈴木芽吹27分05秒92!!10000mで2年ぶり日本新、塩尻和也の記録を4秒近く塗り替える/八王子LD
◇2025八王子ロングディスタンス(11月22日/東京・上柚木公園陸上競技場) 男子10000mに特化した八王子ロングディスタンスが行われ、鈴木芽吹(トヨタ自動車)が27分05秒92の日本新記録を樹立した。 従来の記録は […]
2025.11.22
平林清澄が自己新の27分37秒13「この感覚を増していきたい」駅伝とマラソンへ充実/八王子LD
◇2025八王子ロングディスタンス(11月22日/東京・上柚木公園陸上競技場) 男子10000mに特化した八王子ロングディスタンスが行われ、5組では野中恒亨(國學院大)が日本人学生歴代6位となる27分36秒64をマークし […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025