HOME 駅伝、箱根駅伝

2025.10.19

NEWS
4位通過の日大に笑顔なし 「あと一歩を本戦までに詰めていきたい」/箱根駅伝予選会
4位通過の日大に笑顔なし 「あと一歩を本戦までに詰めていきたい」/箱根駅伝予選会

日大の主将・中澤星音(左)と天野啓太

◇第102回箱根駅伝予選会(10月18日/東京・陸上自衛隊立川駐屯地スタート、昭和記念公園フィニッシュ:21.0975km)

第102回箱根駅伝予選会が行われ、中央学大が10時間32分23秒でトップ通過を果たした。日大は10時間32分57秒で4位となった。

順位を読み上げられても、笑顔はなかった。それも当然である。本戦でどう戦うか――。そのために日大の選手たちは、毎日コツコツと土台を作り上げてきた。

広告の下にコンテンツが続きます

夏合宿で「ケガ人が誰も出ませんでした。それも大きな収穫の一つです」と語るのは武者由幸コーチ。地道に積み上げてきた脚作りが、この予選会で一つの成果を生み出した。

「前半は余裕を持って、後半5kmを全力で上げていくプラン。序盤は全体のペースが遅くて、5kmで予定よりも10秒ほど遅れていました。ただ、それもあって最後の5kmはしっかりと追い上げることができました」。新雅弘駅伝監督はそう振り返る。

3年連続の個人トップを目指していたシャドラック・キップケメイ(3年)は単独走で、残りは大まかに2グループに分かれる集団走で展開。最後まで集団をばらけさせることなく、選手たちは新監督のプランを的確に遂行した。

広告の下にコンテンツが続きます

キップケメイは終盤、山梨学大のブライアン・キピエゴ(3年)に差をつけられて3連覇はならなかったが、それでも個人2位はキープ。キップケメイに続いてチーム2位の好走を見せたのが、主将の中澤星音(4年)。昨年は左脚の疲労骨折、今年に入って肺気胸を患うなど長く苦境に立たされてきた中澤が復活の狼煙を上げる1時間03分06秒で駆け抜けた。

「主将としてタイムを出したいと思ってトレーニングしてきたので、その思いが結果に結びつきました」
 
さらに「それぞれが予選会に向けてしっかりと準備してきましたから、全員が落ち着いてスタートラインに立てたと思います」と中澤。主将の言葉通りに個々が役割を果たす走りを見せる。

キップケメイ、中澤を含む上位8人が1時間3分台の100位以内でフィニッシュ。9番手の𣘺本櫂知も1時間04分05秒、片桐禅太が1時間04分13秒とそれほど遅れることなくフィニッシュし、10時間32秒57の全体4位で3年連続の本戦出場を決めた。

中澤は「もちろん予選会を突破できたことはすごくうれしいんですけど、もともと3位で突破を目標としていただけに、4位という結果はあと一歩何かが足りなかったのだと思います。この、あと一歩、を本戦までに詰めていきたいです」と話す。

選手たちで掲げたスローガンは『古櫻復活』。「自分たちはコツコツ努力をするだけ。ずっとそうやってきた」と新監督の地道な種まきは継続中だ。

監督就任から3年。そろそろ本戦では“サクラサク”吉報を届けられるか。

文/田坂友暁

◇第102回箱根駅伝予選会(10月18日/東京・陸上自衛隊立川駐屯地スタート、昭和記念公園フィニッシュ:21.0975km) 第102回箱根駅伝予選会が行われ、中央学大が10時間32分23秒でトップ通過を果たした。日大は10時間32分57秒で4位となった。 順位を読み上げられても、笑顔はなかった。それも当然である。本戦でどう戦うか――。そのために日大の選手たちは、毎日コツコツと土台を作り上げてきた。 夏合宿で「ケガ人が誰も出ませんでした。それも大きな収穫の一つです」と語るのは武者由幸コーチ。地道に積み上げてきた脚作りが、この予選会で一つの成果を生み出した。 「前半は余裕を持って、後半5kmを全力で上げていくプラン。序盤は全体のペースが遅くて、5kmで予定よりも10秒ほど遅れていました。ただ、それもあって最後の5kmはしっかりと追い上げることができました」。新雅弘駅伝監督はそう振り返る。 3年連続の個人トップを目指していたシャドラック・キップケメイ(3年)は単独走で、残りは大まかに2グループに分かれる集団走で展開。最後まで集団をばらけさせることなく、選手たちは新監督のプランを的確に遂行した。 キップケメイは終盤、山梨学大のブライアン・キピエゴ(3年)に差をつけられて3連覇はならなかったが、それでも個人2位はキープ。キップケメイに続いてチーム2位の好走を見せたのが、主将の中澤星音(4年)。昨年は左脚の疲労骨折、今年に入って肺気胸を患うなど長く苦境に立たされてきた中澤が復活の狼煙を上げる1時間03分06秒で駆け抜けた。 「主将としてタイムを出したいと思ってトレーニングしてきたので、その思いが結果に結びつきました」   さらに「それぞれが予選会に向けてしっかりと準備してきましたから、全員が落ち着いてスタートラインに立てたと思います」と中澤。主将の言葉通りに個々が役割を果たす走りを見せる。 キップケメイ、中澤を含む上位8人が1時間3分台の100位以内でフィニッシュ。9番手の𣘺本櫂知も1時間04分05秒、片桐禅太が1時間04分13秒とそれほど遅れることなくフィニッシュし、10時間32秒57の全体4位で3年連続の本戦出場を決めた。 中澤は「もちろん予選会を突破できたことはすごくうれしいんですけど、もともと3位で突破を目標としていただけに、4位という結果はあと一歩何かが足りなかったのだと思います。この、あと一歩、を本戦までに詰めていきたいです」と話す。 選手たちで掲げたスローガンは『古櫻復活』。「自分たちはコツコツ努力をするだけ。ずっとそうやってきた」と新監督の地道な種まきは継続中だ。 監督就任から3年。そろそろ本戦では“サクラサク”吉報を届けられるか。 文/田坂友暁

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.10.19

法大は本戦に17秒届かず 落選校最速タイムも「この17秒は近いようで遠い」/箱根駅伝予選会

◇第102回箱根駅伝予選会(10月18日/東京・陸上自衛隊立川駐屯地スタート、昭和記念公園フィニッシュ:21.0975km) 第102回箱根駅伝予選会が行われ、中央学大が10時間32分23秒でトップ通過を果たした。法大は […]

NEWS 東海大は2年ぶりの本戦へ 前回途中棄権のロホマンもリベンジ「満足せずにやっていく」/箱根駅伝予選会

2025.10.19

東海大は2年ぶりの本戦へ 前回途中棄権のロホマンもリベンジ「満足せずにやっていく」/箱根駅伝予選会

◇第102回箱根駅伝予選会(10月18日/東京・陸上自衛隊立川駐屯地スタート、昭和記念公園フィニッシュ:21.0975km) 第102回箱根駅伝予選会が行われ、中央学大が10時間32分33秒で総合トップを占め、3年連続2 […]

NEWS 最後の1枠に滑り込んだ立教大 「ここで抱いた思いをいかに持続するか」 前回トップ通過/箱根駅伝予選会

2025.10.19

最後の1枠に滑り込んだ立教大 「ここで抱いた思いをいかに持続するか」 前回トップ通過/箱根駅伝予選会

◇第102回箱根駅伝予選会(10月18日/東京・陸上自衛隊立川駐屯地スタート、昭和記念公園フィニッシュ:21.0975km) 第102回箱根駅伝予選会が行われ、中央学大が10時間32分33秒で総合トップを占め、3年連続2 […]

NEWS 中央学大が鮮やかなトップ通過 後半にペースアップ「すごく自信になります」/箱根駅伝予選会

2025.10.19

中央学大が鮮やかなトップ通過 後半にペースアップ「すごく自信になります」/箱根駅伝予選会

◇第102回箱根駅伝予選会(10月18日/東京・陸上自衛隊立川駐屯地スタート、昭和記念公園フィニッシュ:21.0975km) 第102回箱根駅伝予選会が行われ、終始安定したレース運びを見せた中央学大は10時間32分23秒 […]

NEWS プリンセス駅伝きょう12時10分に号砲!のクイーンズ駅伝出場切符「16枚」を巡り、31チームが熱戦

2025.10.19

プリンセス駅伝きょう12時10分に号砲!のクイーンズ駅伝出場切符「16枚」を巡り、31チームが熱戦

◇第11回全日本実業団対抗女子駅伝予選会(プリンセス駅伝in宗像・福津/10月19日、福岡県宗像市・宗像ユリックスを発着 6区間42.195km) 第45回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)の出場権を懸けた第11 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年11月号 (10月14日発売)

2025年11月号 (10月14日発売)

東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望

page top