◇第109回日本選手権35km競歩・第49回全日本競歩能美大会(3月16日/石川県能美市)
東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権35km競歩が行われ、勝木隼人(自衛隊体育学校)が2時間24分38秒で優勝し、日本陸連が定めた派遣設定記録(2時間26分00秒)を上回ったため世界選手権代表に内定した。
自信に満ちあふれていた。「レースに向かっていく上でずっと勝てるとしか思っていませんでした。レース中で心配なところは多々ありましたが、常に勝てると思いながらレースを進めていました」と、勝木はレースを振り返る。
集団で5kmを20分59秒で通過。少しずつ集団が絞られていき、勝木は丸尾知司(愛知製鋼)との一騎打ちとなる。「特に何も考えず、僕が思った通りのレースをしたいと思っていました。それ通りにできました」。
26km過ぎで仕掛けると、丸尾が少しずつ後退。「心にも余裕を持って歩けました」と淡々と差を広げ、最後は両腕でガッツポーズを繰り出してフィニッシュした。
昨年10月に川野将虎(旭化成)が樹立した2時間21分47秒の世界記録には届かず、「どんなコンディションでも世界記録を目指していました」と悔しさを滲ませつつ、「優勝できたことはうれしいです」と結果には納得顔だ。
東海大2年から競歩を始め、15年に自衛隊体育学校へ。ロングの50km競歩に転向すると、18年のジャカルタ・アジア大会で優勝。19年ドーハ世界選手権にも出場した。
2021年の東京五輪は50kmで30位だった。「思ったようなコンディショニングもできずに歩けませんでした。世界でもしっかりメダル、優勝を目指して頑張っていきたいです」。34歳のベテランは闘志を燃やしている。
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