2024.11.04
全国高校駅伝の出場権を懸けた京都府高校駅伝が11月4日、府立丹波自然運動公園周回コースで行われ、23校と合同4チームが出場した男子(7区間42.195km)は、洛南が2時間7分46秒で10年連続31回目の優勝を決めた。午前に行われた女子は、立命館宇治が1時間12分16秒で37年連続39回目の府女王に輝いた。
強い日差しを受け気温が24度前後まで上昇するコンディションのるなか、上位3チームが2時間10分を切る大激戦となった男子。序盤は、昨年の都大路7位の洛南が1区の橋本颯人(3年)が区間賞、2区(3km)の前田結人(2年)が8分31秒の区間新でリードする。しかし、3週間前の日本海駅伝を2時間5分45秒で優勝している洛北が3区で追い上げ。折り返しを終えて洛南とは13秒差に迫った。
レースが動いたのが4区(8.0875km)。前回もこの区間で先頭に立った洛北は、日本海駅伝4区で区間賞を獲得している主将・多田真(3年)が逆転に成功。区間賞(24分22秒)の激走で逆に15秒リードしてトップに立った。5区に入ってもその差はほぼ詰まらず、洛北が13秒リードしたまま6区へと突入した。
しかし、王者・洛南はここから強さを発揮する。「中盤は苦労しましたが6、7区は想定通りの走りをしてくれました」と奥村隆太郎監督が話すように、6区(5km)の奥野恭史(2年)が14分53秒の区間新。前回5区で逆転劇の立役者が2年連続の快走で首位を奪取する。11秒差をつけアンカーへとタスキをつなぎ、7区(5km)の井上優人(3年)もインターハイ3000m障害6位の実力を発揮。14分58秒の区間新で、10年連続31回目の都大路出場権を手にした。
今夏のインターハイに長距離ブロックから7人が出場している洛南。だが、5000mで4位(日本人2位)と力走した主将の井上朋哉(3年)と1500mで3分44秒38のベストを持つ川口峻太朗(3年)の主軸2人が故障のため、今大会のメンバーから外れた。前回に続く競り合いとなり、「各選手が“自分が主軸になる”という自覚をまだ持ち切れていませんでした」と奥村監督。「気持ちの面も含め、全国へ向けてもう一段階ギアを上げていく必要があります」と気を引き締めていた。
洛北は、2時間8分17秒で2位。難波祐樹監督は、「相手が強いのはわかっていたので、日本海駅伝後も気持ちを緩めることなくこの大会に向けて仕上げてきました。5区まではチャレンジャーとして挑むことができましたが、最後は地力の差が出たと思います」と振り返る。4区の多田も、「自分が設定タイム(24分00秒)どおりに走れていれば、後半の展開も変わっていたと思います。今回の反省点を生かし、近畿大会では持ち前の団結力で優勝したい」と、近畿代表での初の全国大会出場を目指して、力を込めた。3位は2時間9分32秒で京都外大西。3区の藤本陸(3年)と5区の依田弥央(2年)が区間賞を獲得した。
女子は、昨年の全国大会で3位に入った立命館宇治が1区から危なげない走りを見せ、全国大会第1回大会(1989年)から続く連続出場を36に伸ばした。3人の全国経験者のうち、大西桃花(3年)が調整不足でメンバーから外れたものの、全国4区区間賞のキャプテン・佐藤ゆあ(3年)が1区で首位発進。全国3区区間賞の芦田和佳(2年)が2区を務め、後続を引き離し、きっちりレースを作った。
レースを見守った荻野由信総監督は「3本柱(佐藤、芦田、大西)が3000mでも9分10~12秒と力をつけており、全国でも上位争いをするだけの力はあります。どこにも負けないこれまでの経験を生かし本番に備えたいです」と前を見据えていた。
なお、女子は5区間21.0975kmで争う予定だったが、1区(6km)で全選手がコースを間違えて約250m長く走ったため、1区の記録と総合タイムが参考記録に。誘導ミスとみられる。
全国大会は12月22日、京都市のたけびしスタジアム京都を発着点に行われる。なお、通例の都道府県代表のほかに、今年から男女とも地区代表が出場する。
文/花木 雫
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