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2024.09.20

編集部コラム「世界最強ナショナル選手権は?」
編集部コラム「世界最強ナショナル選手権は?」

24年の各国選手権のランキングで、日本選手権は3位にランクイン

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第258回「世界最強ナショナル選手権は?(大久保雅文)

世界陸連では、各種目での記録をスコア化、選手たちの競技力を順位づけして「世界ランキング」として公表しており、五輪や世界選手権への参加資格のひとつとして採用しています(記録で順位づけしたものは区別するために『リスト』と表現されています)。

記録好きの方や、世界大会を目指す選手は世界陸連のホームページで公開されている「World Rankings」のページをご覧になったことがあると思いますが、同じ項目のなかには、「競技会成績ランキング(Competition Performance Rankings)」が含まれていることをご存じでしょうか。

この、競技会成績ランキングはその大会の規模やレベルを示すものとして使われており、各種目の参加者の強さ、そして各種目上位5人の記録スコアの合計によってランク付けされているのです。

競技会成績ランキングページ

例えば、5月の水戸招待では女子やり投に世界ランキングの北口榛花選手がのほか、世界ランカーが出場しており、参加者スコアが225点(北口榛花選手150点、斉藤真理菜選手30点、上田百寧選手20点、佐藤友佳選手15点、長麻尋選手10点)。記録スコアは1位の北口榛花から5位の久世生宝選手の記録をポイント化した上で合算して5356点。これを実施された種目の上位24番目までをすべて加えると、参加者スコア300点、競技スコア71499点となり、総計71799点が水戸招待の競技会スコアとして算出されるのです。

8月のパリ五輪は48種目が行われ、各種目に世界のトップ選手がエントリー。参加スコアは17700点、競技スコアは180410点で、総計198350点という数字を叩き出しています。

そこで今回は、この競技会スコアで2024年に行われた各国のナショナル選手権を比較。最強選手権を紹介したいと思います。

1位 米国    184657点(8515+176022+120/世界新ボーナス)
2位 フランス  165808点(1725+162634)
3位 日本    162950点(1245+161705)
4位 英国    162904点(2095+160809)
5位 豪州    162085点(2190+159895)
6位 ロシア   162004点(860+161144)
7位 ジャマイカ 161029点(3820+157209)
8位 ドイツ   160868点(1665+159203)
9位 イタリア  160781点(1380+159401)
10位 ポーランド 160076点(1600+158476)
11位 中国    159938点(1255+158683)
12位 カナダ   158601点(1550+157051)
13位 ブラジル  158005点(1030+156975)
14位 南アフリカ 157493点(540+156953)
15位 スイス   155800点(755+155045)
16位 オランダ  155760点(875+154885)
17位 ケニア   154913点(460+154453)
18位 インド   154696点(445+154251)
19位 フィンランド154185点(830+153355)
20位 ベルギー  153759点(405+153354)
(カッコ内は参加者スコア+競技スコア)

堂々の1位はやはり陸上王国・米国。今年は五輪選考会として開催されましたが、世界ランキング上位者が多数出場したのはもちろん、種目によっては五輪標準記録を突破しても、3位に入れず代表入りできないほど。競技スコアを見ると、そのレベルの高さが伝わってきます。

ちなみに、6月開催の欧州選手権は183938点で、全米五輪選考会はそれをも上回る数字を叩き出しました。

2位はフランス選手権です。男子800mは上位5位までが1分45秒台、女子100mも5位が11秒32とハイレベル。まんべんなく競技力が高い種目がそろったのが特徴です。

そして3位がなんと日本選手権! 参加者スコアは他国より若干低いものでしたが、男子110mハードルが5961点、同400mハードルが5934点と高得点を獲得。これは全米五輪選考会の男子走幅跳や、女子砲丸投を上回るスコアでした。男子両ハードル以外では女子100mハードル、男子5000m、男子100mが競技スコアが高い種目となっています。

日本以下は英国、豪州、ロシアの順。ジャマイカは個別の種目で競技スコアが6000点を超えるものがありましたが、フィールド種目では得点が伸びず7位、パリ五輪で4個の金メダルを獲得しているケニアも同様の理由で17位に止まっています。

このように、国別で比較すると新たな発見も出てきます。サイトには選手権だけでなく、関東インカレやインターハイ地区大会など世界陸連に登録された競技会がすべて網羅されています。

みなさんが出場した大会もあるかもしれません。ぜひチェックしてみてください。

大久保雅文(おおくぼ・まさふみ)
月刊陸上競技編集部
1984年9月生まれ。175cm、63kg。三重県伊勢市出身。小学1年から競泳、レスリング、野球などをするも、吉田沙保里さんにタックルを受けたこと以外は特にこれといった実績も残せず。中学で「雨が降ったら練習が休みになるはず」という理由から陸上部に入部。長距離を専門とし、5000mと3000m障害で県インターハイ決勝出場(ただし、三重県には支部予選もなく、県大会もタイムレース決勝である)

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第258回「世界最強ナショナル選手権は?(大久保雅文)

世界陸連では、各種目での記録をスコア化、選手たちの競技力を順位づけして「世界ランキング」として公表しており、五輪や世界選手権への参加資格のひとつとして採用しています(記録で順位づけしたものは区別するために『リスト』と表現されています)。 記録好きの方や、世界大会を目指す選手は世界陸連のホームページで公開されている「World Rankings」のページをご覧になったことがあると思いますが、同じ項目のなかには、「競技会成績ランキング(Competition Performance Rankings)」が含まれていることをご存じでしょうか。 この、競技会成績ランキングはその大会の規模やレベルを示すものとして使われており、各種目の参加者の強さ、そして各種目上位5人の記録スコアの合計によってランク付けされているのです。 競技会成績ランキングページ 例えば、5月の水戸招待では女子やり投に世界ランキングの北口榛花選手がのほか、世界ランカーが出場しており、参加者スコアが225点(北口榛花選手150点、斉藤真理菜選手30点、上田百寧選手20点、佐藤友佳選手15点、長麻尋選手10点)。記録スコアは1位の北口榛花から5位の久世生宝選手の記録をポイント化した上で合算して5356点。これを実施された種目の上位24番目までをすべて加えると、参加者スコア300点、競技スコア71499点となり、総計71799点が水戸招待の競技会スコアとして算出されるのです。 8月のパリ五輪は48種目が行われ、各種目に世界のトップ選手がエントリー。参加スコアは17700点、競技スコアは180410点で、総計198350点という数字を叩き出しています。 そこで今回は、この競技会スコアで2024年に行われた各国のナショナル選手権を比較。最強選手権を紹介したいと思います。 1位 米国    184657点(8515+176022+120/世界新ボーナス) 2位 フランス  165808点(1725+162634) 3位 日本    162950点(1245+161705) 4位 英国    162904点(2095+160809) 5位 豪州    162085点(2190+159895) 6位 ロシア   162004点(860+161144) 7位 ジャマイカ 161029点(3820+157209) 8位 ドイツ   160868点(1665+159203) 9位 イタリア  160781点(1380+159401) 10位 ポーランド 160076点(1600+158476) 11位 中国    159938点(1255+158683) 12位 カナダ   158601点(1550+157051) 13位 ブラジル  158005点(1030+156975) 14位 南アフリカ 157493点(540+156953) 15位 スイス   155800点(755+155045) 16位 オランダ  155760点(875+154885) 17位 ケニア   154913点(460+154453) 18位 インド   154696点(445+154251) 19位 フィンランド154185点(830+153355) 20位 ベルギー  153759点(405+153354) (カッコ内は参加者スコア+競技スコア) 堂々の1位はやはり陸上王国・米国。今年は五輪選考会として開催されましたが、世界ランキング上位者が多数出場したのはもちろん、種目によっては五輪標準記録を突破しても、3位に入れず代表入りできないほど。競技スコアを見ると、そのレベルの高さが伝わってきます。 ちなみに、6月開催の欧州選手権は183938点で、全米五輪選考会はそれをも上回る数字を叩き出しました。 2位はフランス選手権です。男子800mは上位5位までが1分45秒台、女子100mも5位が11秒32とハイレベル。まんべんなく競技力が高い種目がそろったのが特徴です。 そして3位がなんと日本選手権! 参加者スコアは他国より若干低いものでしたが、男子110mハードルが5961点、同400mハードルが5934点と高得点を獲得。これは全米五輪選考会の男子走幅跳や、女子砲丸投を上回るスコアでした。男子両ハードル以外では女子100mハードル、男子5000m、男子100mが競技スコアが高い種目となっています。 日本以下は英国、豪州、ロシアの順。ジャマイカは個別の種目で競技スコアが6000点を超えるものがありましたが、フィールド種目では得点が伸びず7位、パリ五輪で4個の金メダルを獲得しているケニアも同様の理由で17位に止まっています。 このように、国別で比較すると新たな発見も出てきます。サイトには選手権だけでなく、関東インカレやインターハイ地区大会など世界陸連に登録された競技会がすべて網羅されています。 みなさんが出場した大会もあるかもしれません。ぜひチェックしてみてください。
大久保雅文(おおくぼ・まさふみ) 月刊陸上競技編集部 1984年9月生まれ。175cm、63kg。三重県伊勢市出身。小学1年から競泳、レスリング、野球などをするも、吉田沙保里さんにタックルを受けたこと以外は特にこれといった実績も残せず。中学で「雨が降ったら練習が休みになるはず」という理由から陸上部に入部。長距離を専門とし、5000mと3000m障害で県インターハイ決勝出場(ただし、三重県には支部予選もなく、県大会もタイムレース決勝である)
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