HOME 海外

2024.06.30

全米五輪選考会で珍事 女子100mH予選は全員が準決勝進出! 19年世界陸上金・アリは歩いてフィニッシュ
全米五輪選考会で珍事 女子100mH予選は全員が準決勝進出! 19年世界陸上金・アリは歩いてフィニッシュ

23年世界選手権女子100mHで8位入賞のアリ

◇全米五輪選考会(6/21~30、米国オレゴン州ユージン・ヘイワードフィールド)6日目

オレゴン州ユージンで行われている全米五輪選考会の女子100mハードルで、出場する全員が予選を通過するという珍しいケースがあり、話題を呼んでいる。

女子100mハードルには元々29人がエントリー。予選は4組に分かれて行い、各組上位5着までと記録上位7人の計27人が準決勝に進むという条件でレースが組まれた。だが、直前になって2人が棄権。必然的に出場する全員が準決勝に進むという事態となった。

広告の下にコンテンツが続きます

陸上競技において、予選の出場者が減って次ラウンドへの進出者数と同数になった場合は、そのラウンドを行わないのが一般的。

しかし、全米五輪選考会は五輪を想定したタイムテーブルとラウンドが組まれており、5000mでも予選が実施されるなど、本番さながらのスケジュールで進行。女子100mハードルも例外ではなく、そのまま予選が実施された。

この事態に、19年世界選手権で金メダルを獲得しているN.アリは、スタート直後からゆっくりとジョギングのようなかたちで走りだし、トップから8秒差近い20秒38(+0.1)でフィニッシュした。

予選で上位に入れば準決勝でシードレーンを獲得できるなどのメリットはある。ただ、この種目で標準記録を突破している選手が17人もいる米国の五輪選考会においては決勝で上位3人に入ることが最も重要であり、準決勝のレーンの振り分けはほとんど選考に影響しない。

今年で35歳となるアリ。今季のベストは米国内で4番目の12秒44となっており、タイムでは当落線上につける。予選で体力を温存するという“頭脳プレー”に出たアリは現地時間の29日に準決勝に挑む。

◇全米五輪選考会(6/21~30、米国オレゴン州ユージン・ヘイワードフィールド)6日目 オレゴン州ユージンで行われている全米五輪選考会の女子100mハードルで、出場する全員が予選を通過するという珍しいケースがあり、話題を呼んでいる。 女子100mハードルには元々29人がエントリー。予選は4組に分かれて行い、各組上位5着までと記録上位7人の計27人が準決勝に進むという条件でレースが組まれた。だが、直前になって2人が棄権。必然的に出場する全員が準決勝に進むという事態となった。 陸上競技において、予選の出場者が減って次ラウンドへの進出者数と同数になった場合は、そのラウンドを行わないのが一般的。 しかし、全米五輪選考会は五輪を想定したタイムテーブルとラウンドが組まれており、5000mでも予選が実施されるなど、本番さながらのスケジュールで進行。女子100mハードルも例外ではなく、そのまま予選が実施された。 この事態に、19年世界選手権で金メダルを獲得しているN.アリは、スタート直後からゆっくりとジョギングのようなかたちで走りだし、トップから8秒差近い20秒38(+0.1)でフィニッシュした。 予選で上位に入れば準決勝でシードレーンを獲得できるなどのメリットはある。ただ、この種目で標準記録を突破している選手が17人もいる米国の五輪選考会においては決勝で上位3人に入ることが最も重要であり、準決勝のレーンの振り分けはほとんど選考に影響しない。 今年で35歳となるアリ。今季のベストは米国内で4番目の12秒44となっており、タイムでは当落線上につける。予選で体力を温存するという“頭脳プレー”に出たアリは現地時間の29日に準決勝に挑む。

【動画】歩くようなスピードで予選を突破したアリ

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.28

中国陸連にWA加盟連盟賞 世界室内、ダイヤモンドリーグなど開催 競技会、ロードレースには600万人が参加

世界陸連(WA)は11月28日、ワールド・アスレティックス・アワード2025の加盟連盟賞に中国陸連を選出したと発表した。 加盟連盟賞は、年間を通して顕著な功績を挙げ、陸上競技の発展や知名度向上に大きく貢献した加盟連盟を表 […]

NEWS 青学大、國學院大、中大、早大など11校! 4回目を迎える宮古島大学駅伝の出場予定校発表

2025.11.28

青学大、國學院大、中大、早大など11校! 4回目を迎える宮古島大学駅伝の出場予定校発表

「宮古島大学駅伝ワイドー・ズミ2026」の実行委員会は、11月20日時点の出場予定校を発表した。 箱根駅伝で総合3連覇を狙う青学大や、前回大会で2連覇を飾った國學院大、全日本大学駅伝2位の中大、出雲駅伝で2位の早大など関 […]

NEWS デフリンピック陸上は金5つ含む11個のメダル獲得 円盤投・湯上剛輝、400m山田真樹ら躍動

2025.11.28

デフリンピック陸上は金5つ含む11個のメダル獲得 円盤投・湯上剛輝、400m山田真樹ら躍動

4年に一度、聴覚障者のための世界規模の総合スポーツ競技大会「デフリンピック」が11月26日に閉幕した。創設100周年の節目で初の日本開催だった今回、日本代表は過去最多となる51個のメダルを獲得した。各会場も盛り上がりを見 […]

NEWS 22年世界陸上走幅跳金メダル・王嘉男 ドーピング陽性反応も嫌疑なし AIUが正式に報告

2025.11.28

22年世界陸上走幅跳金メダル・王嘉男 ドーピング陽性反応も嫌疑なし AIUが正式に報告

世界陸連(WA)の独立不正調査機関「アスリート・インテグリティ・ユニット(AIU)」は11月27日、男子走幅跳でオレゴン世界選手権金メダルを獲得した王嘉男(中国)のドーピング疑惑について、違反はなかったことを確認し、処分 […]

NEWS プロ野球選手・筒香嘉智と陸上界がコラボ スポーツの垣根を超えるクリニックを12月に開催

2025.11.27

プロ野球選手・筒香嘉智と陸上界がコラボ スポーツの垣根を超えるクリニックを12月に開催

11月27日、日本陸連は2024年度から取り組むプロジェクト「RIKUJO JAPAN」の一環として、「~スポーツの垣根を超える~ 2025 TSUTSUGO SPORTS ACADEMY FESTIVAL × RIKU […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top