HOME 海外

2024.06.20

エリヨン・ナイトンの暫定資格停止処分が解除 ドーピング検査陽性反応も「過失なし」で五輪選考会出場へ
エリヨン・ナイトンの暫定資格停止処分が解除 ドーピング検査陽性反応も「過失なし」で五輪選考会出場へ

23年世界選手権200m銀メダルのナイトン

6月19日、米国アンチドーピング機構(USADA)は、男子短距離のエリヨン・ナイトン(米国)の暫定資格停止処分を解除することを発表した。

20歳のナイトンは昨年のブダペスト世界選手権200m銀メダリスト。17歳だった21年にはウサイン・ボルトのU18世界記録を更新する20秒11をマークして、早くから注目を集め、同年の東京五輪で4位に入るなど陸上界のホープとして期待されている。

USADAの報告書によると、ナイトンは3月26日に行われた競技会外検査で禁止物質「トレンボロン」が検出され、4月12日に暫定処分を下したという。

広告の下にコンテンツが続きます

しかし、6月14日と16日にナイトンとUSADA双方の代理人が立ち会いの下で行われた審問会において、ナイトン側は「トレンボロンは米国内で生産される肉牛に対して合法的に使用されている家畜成長促進剤であり、陽性反応が出たのはその肉を摂取したため」と主張。

この主張が認められ、USADAはナイトンに過失はなかったとして資格停止処分を解除したとしている。

USADAのCEOであるタイガート氏は「我々は陽性反応が出たすべてのケースで、義務付けられている検査、処分を実行した」とコメント。そして、「規則で義務づけられた通りの審査がされたことで、透明性が保たれたことに安堵している」と加えた。

また、資格停止処分の審査には通常、長い期間が必要となるが、今回の審査は21日から始まる全米五輪選考会の開催前に事態を解決するため、緊急に実施したことも発表されている。ナイトンは2月の室内競技会以降レースには出場していなかったが、今回の裁決により五輪選考会への出場が可能となった。

「トレンボロン」については、男子400mハードルの豊田将樹(富士通)が22年に検体から検出されたことにより、資格停止処分が確定。しかし、今年4月に「海外産の牛レバーを購入し、それを摂取したことが原因であり、意図的ではない」という豊田の訴えが認められ、処分期間が4年から2年へと短縮されている。

6月19日、米国アンチドーピング機構(USADA)は、男子短距離のエリヨン・ナイトン(米国)の暫定資格停止処分を解除することを発表した。 20歳のナイトンは昨年のブダペスト世界選手権200m銀メダリスト。17歳だった21年にはウサイン・ボルトのU18世界記録を更新する20秒11をマークして、早くから注目を集め、同年の東京五輪で4位に入るなど陸上界のホープとして期待されている。 USADAの報告書によると、ナイトンは3月26日に行われた競技会外検査で禁止物質「トレンボロン」が検出され、4月12日に暫定処分を下したという。 しかし、6月14日と16日にナイトンとUSADA双方の代理人が立ち会いの下で行われた審問会において、ナイトン側は「トレンボロンは米国内で生産される肉牛に対して合法的に使用されている家畜成長促進剤であり、陽性反応が出たのはその肉を摂取したため」と主張。 この主張が認められ、USADAはナイトンに過失はなかったとして資格停止処分を解除したとしている。 USADAのCEOであるタイガート氏は「我々は陽性反応が出たすべてのケースで、義務付けられている検査、処分を実行した」とコメント。そして、「規則で義務づけられた通りの審査がされたことで、透明性が保たれたことに安堵している」と加えた。 また、資格停止処分の審査には通常、長い期間が必要となるが、今回の審査は21日から始まる全米五輪選考会の開催前に事態を解決するため、緊急に実施したことも発表されている。ナイトンは2月の室内競技会以降レースには出場していなかったが、今回の裁決により五輪選考会への出場が可能となった。 「トレンボロン」については、男子400mハードルの豊田将樹(富士通)が22年に検体から検出されたことにより、資格停止処分が確定。しかし、今年4月に「海外産の牛レバーを購入し、それを摂取したことが原因であり、意図的ではない」という豊田の訴えが認められ、処分期間が4年から2年へと短縮されている。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.24

女子はレムンゴルが2連覇達成 男子はサミュエルがV/全米学生クロカン

11月22日、米国ミズーリ州コロンビアで全米学生クロスカントリー選手権が行われ、女子(6km)はD.レムンゴル(アラバマ大/ケニア)が18分25秒4で連覇を飾った。 レムンゴルはケニア出身の23歳。23年秋にアラバマ大に […]

NEWS 七種競技女王・ホール NFLスター選手と婚約発表 マクローリン・レヴロンらも祝福

2025.11.24

七種競技女王・ホール NFLスター選手と婚約発表 マクローリン・レヴロンらも祝福

女子七種競技東京世界選手権金メダリストのA.ホール(米国)が婚約を自身のSNSで発表した。お相手はNFL選手でニューヨーク・ジャイアンツ所属のダリアス・スレイトンさん。「初めて出会った場所で、永遠を誓う」というテキストと […]

NEWS バットクレッティ 今季初V 男子はキプサングがツアー3勝目/WAクロカンツアー

2025.11.24

バットクレッティ 今季初V 男子はキプサングがツアー3勝目/WAクロカンツアー

11月23日、世界陸連(WA)クロスカントリーツアー・ゴールド第6戦のアタプエルカ国際クロスがスペイン・アタプエルカで行われ、女子(6.821km)はパリ五輪・東京世界選手権10000m銀メダリストのN.バットクレッティ […]

NEWS 円盤投・湯上剛輝が2大会ぶり世界一「やっと取れた」デフリンピック新の58m93

2025.11.24

円盤投・湯上剛輝が2大会ぶり世界一「やっと取れた」デフリンピック新の58m93

聴覚障害者のスポーツ国際大会、デフリンピックの陸上競技が行われ、男子円盤投の湯上剛輝(トヨタ自動車)が金メダルを獲得した。 64m48の日本記録を持ち、今年の東京世界選手権にも出場した湯上。「理想の展開としては1回目にし […]

NEWS 3区で五島莉乃と廣中璃梨佳が熱走!東京世界陸上はじめ「日本代表」たちが力走/クイーンズ駅伝

2025.11.24

3区で五島莉乃と廣中璃梨佳が熱走!東京世界陸上はじめ「日本代表」たちが力走/クイーンズ駅伝

◇第45回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝:11月23日/宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42.195km) 女子駅伝日本一を懸けた全日本実業団対抗女子駅伝が行われ、「日本代表」 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top