順天堂大学は3月13日、トヨタ自動車九州の今井正人氏、トヨタ自動車の田中秀幸選手が陸上競技部長距離コーチに就任したことを発表した。それぞれの所属先からの出向で、スポーツ健康科学部非常勤講師に着任する。ともに同大OBで今井氏は39歳、田中選手は33歳。
今井氏は福島・原町高時代にインターハイ5000m日本人2番手(5位)などの実績を引っさげて順大に進学すると、同期で現駅伝監督の長門俊介氏とともに活躍。箱根駅伝では1年時に2区を務めて区間10位だったが、2年目からは3年連続で山上りの5区に出走。いずれも区間賞を獲得し、3年時に往路優勝、主将を務めた4年目は総合優勝に貢献した。3年連続で金栗杯を獲得し、実況アナウンサーから“山の神”と称され、その後、箱根5区で快走する選手の称号ともなっている。
卒業後は目標だったマラソンに挑戦し、2015年の東京マラソンで日本人トップを飾り同年の北京世界選手権代表に選出された。大会直前に髄膜炎と診断され無念の欠場。2019年、23年には五輪代表選考会マラソングランドチャピオンシップ(MGC)に出場している。マラソンの自己記録は2時間7分39秒(15年東京)。2月21日に現役引退を発表し、2月25日の日本選手権クロカンでラストランを終えていた。
今井氏は同大サイト上で、「長門駅伝監督率いる順大長距離ブロックをしっかり支え、世界で闘える選手育成を目指すと共に、一人の人間として成長するサポートに全力で尽力いたします」と述べるとともに「私自身も常にチャレンジ精神を忘れず、選手と共に成長していけるように取り組んでまいります」とコメントした。
田中選手は愛知・豊川高から順大に進み、箱根駅伝には3年、4年と2度出場。4年時には4区で区間賞を獲得した。トヨタ自動車入社後もトラック、駅伝を中心に活躍し、ニューイヤー駅伝では今年正月を含めて全4回中3回の優勝にいずれも区間賞(15年6区、16年6区、24年5区)で貢献した。
現役は継続し、順大を拠点にプレイングコーチ的な立場で指導に当たる予定。「コーチという立場から新しい風を吹かせ、”真の強さのある選手”と”誰からも愛される順大”を目指し、精一杯努めさせて頂きます」と意気込みを述べた。
正月の第100回箱根駅伝では総合17位となり、3年ぶりにシード権を喪失した順大。男子3000m障害で世界大会入賞を重ねた三浦龍司らが卒業を迎えるが、サポート体制の充実を図り、新たに掲げた「下剋上」をスローガンに巻き返しを目指す。
今井正人氏、田中秀幸 両新コーチの意気込みはこちら!
今井正人 2024年4月1日付で、順天堂大学陸上競技部長距離ブロックコーチを拝命いたしました。伝統ある母校の陸上競技部コーチに就任させていただけることに、嬉しさがこみ上げると同時に身の引き締まる思いです。長門駅伝監督率いる順大長距離ブロックをしっかり支え、世界で闘える選手育成を目指すと共に、一人の人間として成長するサポートに全力で尽力いたします。また、私自身も常にチャレンジ精神を忘れず、選手と共に成長していけるように取り組んでまいります。 田中秀幸 4月1日より、長距離ブロックのコーチに就任致します田中秀幸です。コーチという立場から新しい風を吹かせ、"真の強さのある選手"と"誰からも愛される順大"を目指し、精一杯努めさせて頂きます。応援の程、宜しくお願い致します。
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