HOME 国内

2024.02.26

パリ五輪代表・小山直城は日本歴代9位2時間6分33秒&経験の「収穫」と「反省」の3位「現状の力は出し切れた」/大阪マラソン
パリ五輪代表・小山直城は日本歴代9位2時間6分33秒&経験の「収穫」と「反省」の3位「現状の力は出し切れた」/大阪マラソン

大阪マラソン2024に出場した小山直城(Honda、中央)

◇大阪マラソン2024(2月25日/大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ)

ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズGSで、パリ五輪代表選考会マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジを兼ねた大阪マラソン2024が2月25日に行われ、國學院大3年の平林清澄が日本歴代7位、初マラソン日本最高、学生新記録となる2時間6分18秒で優勝を飾った。

広告の下にコンテンツが続きます

昨年10月のMGCで優勝し、パリ五輪代表に内定している小山直城(Honda)は日本歴代9位となる2時間6分33秒で3位。「目標としていた自己ベスト更新(2時間7分40秒)と3位を確保することができてよかった。できれば設楽(悠太)さんのHonda記録(2時間6分11秒)を塗り替えたかったですが、コンディションなどもあるので。MGC時と比べて8割ぐらいの状態のなか、現状の力は出し切れました」と安堵の表情を浮かべた。

五輪に向けた調整も兼ねて出場した今大会。冷たい雨の中でのレースとなったが、「雨は得意。外国人選手は寒さが苦手なので、それも有利だとポジティブに捉えていました」と意に介せず、淡々と先頭集団でレースを進めた。

レースが動いたのはペースメーカーが離れる30km手前。「他の選手の動きを見ようと、少しペースを上げました」と集団の先頭に立ち、レースを牽引した。その揺さぶりにすかさず反応したのが、初マラソン日本人最高、学生新記録の2時間6分18秒で優勝した平林清澄(國學院大3)。急激な上りが始まる32km手前で平林が仕掛けると、小山は無理に追うことはしない。「まだ距離があったので、向かい風などもあり、後半のことを考えて見切ってしまった」と振り返る。

30kmから35kmまでの5kmを14分37秒でカバーした平林に対し、小山は14分53秒。結局、その区間の差がフィニッシュタイムの差となった。「あそこでいけなかったのは自分の力不足」と反省の弁が口をつく。とはいえ、レースでしかつかむことのできないポジショニングや給水、仕掛けどころなどを確認。「給水も8回、しっかり全部取れましたし、夏のパリ五輪に向けて収穫の多いレースとなりました」と手応えもつかむことができた。

広告の下にコンテンツが続きます

MGC後にフランスに渡り、五輪コースを視察した。「起伏は日本にはないほどきつい」と言う。その対策も含め、6月に自身初となる海外(米国・ボルダー)での高地合宿を予定している。「暑さも含めてタフなレースになると思いますが、しっかり対策を講じ、五輪本番では8位入賞を目標にトレーニングを積んでいきたい」と力強く話した。

4位の吉田祐也(GMOインターネットグループ)が2時間6分37秒、5位の土井大輔(黒崎播磨)が2時間6分54秒と、自身初の2時間6分台突入を果たした。だが、いずれもMGCファイナルチャレンジ設定記録(2時間5分50秒)に届かなかった。

文/花木 雫

◇大阪マラソン2024(2月25日/大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ) ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズGSで、パリ五輪代表選考会マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジを兼ねた大阪マラソン2024が2月25日に行われ、國學院大3年の平林清澄が日本歴代7位、初マラソン日本最高、学生新記録となる2時間6分18秒で優勝を飾った。 昨年10月のMGCで優勝し、パリ五輪代表に内定している小山直城(Honda)は日本歴代9位となる2時間6分33秒で3位。「目標としていた自己ベスト更新(2時間7分40秒)と3位を確保することができてよかった。できれば設楽(悠太)さんのHonda記録(2時間6分11秒)を塗り替えたかったですが、コンディションなどもあるので。MGC時と比べて8割ぐらいの状態のなか、現状の力は出し切れました」と安堵の表情を浮かべた。 五輪に向けた調整も兼ねて出場した今大会。冷たい雨の中でのレースとなったが、「雨は得意。外国人選手は寒さが苦手なので、それも有利だとポジティブに捉えていました」と意に介せず、淡々と先頭集団でレースを進めた。 レースが動いたのはペースメーカーが離れる30km手前。「他の選手の動きを見ようと、少しペースを上げました」と集団の先頭に立ち、レースを牽引した。その揺さぶりにすかさず反応したのが、初マラソン日本人最高、学生新記録の2時間6分18秒で優勝した平林清澄(國學院大3)。急激な上りが始まる32km手前で平林が仕掛けると、小山は無理に追うことはしない。「まだ距離があったので、向かい風などもあり、後半のことを考えて見切ってしまった」と振り返る。 30kmから35kmまでの5kmを14分37秒でカバーした平林に対し、小山は14分53秒。結局、その区間の差がフィニッシュタイムの差となった。「あそこでいけなかったのは自分の力不足」と反省の弁が口をつく。とはいえ、レースでしかつかむことのできないポジショニングや給水、仕掛けどころなどを確認。「給水も8回、しっかり全部取れましたし、夏のパリ五輪に向けて収穫の多いレースとなりました」と手応えもつかむことができた。 MGC後にフランスに渡り、五輪コースを視察した。「起伏は日本にはないほどきつい」と言う。その対策も含め、6月に自身初となる海外(米国・ボルダー)での高地合宿を予定している。「暑さも含めてタフなレースになると思いますが、しっかり対策を講じ、五輪本番では8位入賞を目標にトレーニングを積んでいきたい」と力強く話した。 4位の吉田祐也(GMOインターネットグループ)が2時間6分37秒、5位の土井大輔(黒崎播磨)が2時間6分54秒と、自身初の2時間6分台突入を果たした。だが、いずれもMGCファイナルチャレンジ設定記録(2時間5分50秒)に届かなかった。 文/花木 雫

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.04.28

日本勢は金メダル8個獲得 中長距離で5種目制覇 記録では渕上翔太400mH49秒97、中谷魁聖が走高跳2m19をマーク/U20アジア選手権

◇第21回U20アジア選手権(4月24日~27日/UAE・ドバイ) 4日間の大会が終了し、男女合わせて29名が出場した日本勢は金メダル8個を含む21のメダルを獲得。昨年6月に韓国で行われた前回大会(金14個、メダル総数で […]

NEWS バレガ5000m12分55秒68の大会新V 前週世界新のデュプランティスは6m00 3000m障害のチェプコエチも2連勝/DL蘇州

2024.04.28

バレガ5000m12分55秒68の大会新V 前週世界新のデュプランティスは6m00 3000m障害のチェプコエチも2連勝/DL蘇州

中国・蘇州で4月27日、ダイヤモンドリーグ(DL)第2戦が開催され、男子5000mでは東京五輪10000m金メダルのS.バレガ(エチオピア)が12分55秒68の大会新で優勝した。 バレガは現在24歳。18年にこの種目で1 […]

NEWS 織田記念スタートリスト発表 男子100m坂井隆一郎は最終エントリーせず 山縣亮太や多田修平、東田旺洋が出場へ

2024.04.28

織田記念スタートリスト発表 男子100m坂井隆一郎は最終エントリーせず 山縣亮太や多田修平、東田旺洋が出場へ

第58回織田幹雄記念国際大会(4月29日/広島広域公園陸上競技場)のスタートリストが4月28日、発表された。 GP(グランプリ)男子100m予選1組は、4レーンに多田修平(住友電工)。2組には4レーンにデーデー・ブルーノ […]

NEWS 【高校生FOCUS】女子中距離・久保凛(東大阪大敬愛高)ターゲットはインターハイ連覇と日本選手権V

2024.04.28

【高校生FOCUS】女子中距離・久保凛(東大阪大敬愛高)ターゲットはインターハイ連覇と日本選手権V

FOCUS! 高校生INTERVIEW 久保 凛  Kubo Rin 東大阪大敬愛高2大阪 活躍中の注目高校アスリートをフォーカスして紹介するコーナー!今回は昨年の北海道インターハイ女子800mチャンピオンの久保凛選手( […]

NEWS 社会人初戦を迎える村竹ラシッド 日本選手権やパリ五輪を見据え「冬季の成果を確かめたい」/織田記念

2024.04.28

社会人初戦を迎える村竹ラシッド 日本選手権やパリ五輪を見据え「冬季の成果を確かめたい」/織田記念

第58回織田幹雄記念国際大会(4月29日)を前日に控えた4月28日、会場の広島広域公園陸上競技場(ホットスタッフフィールド広島)で出場選手の会見が行われた。 男子110mHに出場する村竹ラシッド(JAL)は、この春に順大 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年5月号 (4月12日発売)

2024年5月号 (4月12日発売)

パリ五輪イヤー開幕!

page top