2023.12.25
新春の風物詩・箱根駅伝の100回大会に挑む出場全23校の選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。それぞれが歩んできた1年間の足跡をたどった。
多くの選手が海外遠征を経験
早大は予選会からの出発だった前回大会で6位に入り、1年でシード校に返り咲いた。
「故障者が多いところからチームの立て直しを半年間やってきて、あっという間に箱根駅伝を迎えました」
2022年6月から指揮をとる花田勝彦駅伝監督が就任1年目をこう振り返るように、昨年度はまずは土台作りから着手し、駅伝シーズンは、全日本、箱根ともに6位という成果を上げた。
爆発力がありながらもなかなか安定した結果を残せていなかっただけに、まずは土台作りは成功したと言える。
一方で、OBの花田監督自身も2度のオリンピックに出場しているが、瀬古利彦や大迫傑(Nike)といった多くの日本代表ランナーを輩出してきたのも早稲田というチームだ。
「早稲田は、箱根ももちろん目標の1つですが、その先の世界を目指して常々やってきました。私が駅伝監督を引き受けた時も、瀬古さんから『箱根駅伝で上位争い、優勝を目指すようなチーム作りもやってほしいけど、日本代表を育ててくれ』という話もされていました」
前回の箱根の後からは個の強化にも力を入れてきた。
クラウドファンディングで集まった寄附金を原資に、9月には石塚陽士、伊藤大志(ともに3年)、山口智規(2年)の3人が9月頭にプラハ遠征を敢行。
その他にも、今季は駅伝主将の菖蒲敦司(4年)がワールドユニバーシティゲームズに出場し、3000m障害で銅メダルを獲得。間瀬田純平(2年)は6月のU20アジア選手権の1500mで優勝に輝いている。
また、延岡西日本マラソンを制した佐藤航希(4年)は、9月に単身でコペンハーゲンに遠征し、ハーフマラソンに出場した。実は、今季は海外で経験を積んだ選手が多いのだ。
「海外に出て、自分たちの立ち位置を知り、いろんな経験を積んだ。もっと上を目指さなきゃいけないと感じるなど、本人たちの意識もすごく上がった」(花田監督)
学生時代の花田監督がそうだったように、彼らの今後の成長には大きな体験になっただろう。
多くの選手が海外遠征を経験
早大は予選会からの出発だった前回大会で6位に入り、1年でシード校に返り咲いた。 「故障者が多いところからチームの立て直しを半年間やってきて、あっという間に箱根駅伝を迎えました」 2022年6月から指揮をとる花田勝彦駅伝監督が就任1年目をこう振り返るように、昨年度はまずは土台作りから着手し、駅伝シーズンは、全日本、箱根ともに6位という成果を上げた。 爆発力がありながらもなかなか安定した結果を残せていなかっただけに、まずは土台作りは成功したと言える。 一方で、OBの花田監督自身も2度のオリンピックに出場しているが、瀬古利彦や大迫傑(Nike)といった多くの日本代表ランナーを輩出してきたのも早稲田というチームだ。 「早稲田は、箱根ももちろん目標の1つですが、その先の世界を目指して常々やってきました。私が駅伝監督を引き受けた時も、瀬古さんから『箱根駅伝で上位争い、優勝を目指すようなチーム作りもやってほしいけど、日本代表を育ててくれ』という話もされていました」 前回の箱根の後からは個の強化にも力を入れてきた。 クラウドファンディングで集まった寄附金を原資に、9月には石塚陽士、伊藤大志(ともに3年)、山口智規(2年)の3人が9月頭にプラハ遠征を敢行。 その他にも、今季は駅伝主将の菖蒲敦司(4年)がワールドユニバーシティゲームズに出場し、3000m障害で銅メダルを獲得。間瀬田純平(2年)は6月のU20アジア選手権の1500mで優勝に輝いている。 また、延岡西日本マラソンを制した佐藤航希(4年)は、9月に単身でコペンハーゲンに遠征し、ハーフマラソンに出場した。実は、今季は海外で経験を積んだ選手が多いのだ。 「海外に出て、自分たちの立ち位置を知り、いろんな経験を積んだ。もっと上を目指さなきゃいけないと感じるなど、本人たちの意識もすごく上がった」(花田監督) 学生時代の花田監督がそうだったように、彼らの今後の成長には大きな体験になっただろう。出雲、全日本は悔しい結果に
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23年箱根駅伝5区で区間6位だった伊藤大志[/caption]
さっそく成果を上げたのが山口だ。11月19日の上尾シティハーフマラソンでは、1時間1分16秒と好走。大迫が2010年の同大会で打ち立てた早大記録(1時間1分47秒)を13年ぶりに30秒以上更新した。
「ハーフの練習をせずに、10000m 27分台を楽に出せるくらいの練習をしてきました。ペースに対して余裕度を持ってハーフを走っているので、まだまだ伸びしろはある」
こう話すように、狙いにいった記録ではなかった。だからこそ、思わぬ好タイムに山口はいっそう自信を深めていた。
一方、チームのほうは、昨年度よりも少し目線を高くし、今季は年度始めに「三大駅伝3位以内、悪くても5位以内」という目標を立てた。
しかし、出雲駅伝は6位、全日本大学駅伝は10位とまさかのシード権を落とす結果に終わった。
出雲も全日本もベストオーダーを組めなかったのにもかかわらず、「その高い目標にこだわってしまった」(花田監督)ことが裏目に出た結果だった。
昨年度から『1=1』をテーマに「普段からやっていることを、本番でしっかりと出す」ことを徹底しそれを実現してきたが、今シーズンに関してはそれができていない。
「チームの力の7割、ひょっとしたら6割も出せなかった」と振り返るように、ベストオーダーで臨めなかったことも含めて、反省材料があらわになった。
全日本の後は、チームで全体ミーティングを行い、いろいろな話し合いがなされたという。例えば、なかなか出番のなかった4年生からは「自分たちがしっかりやらなきゃ」という意見も出た。見方を変えれば、全日本の悔しい結果は厄落としになったとも言えるかもしれない。
そこから再度強化は進み、12月中旬の記者会見で花田監督は「今は、今年1年の中では非常に状況が良い」と手応えを口にしていた。選手たちは「5位以上」という具体的な目標を掲げているが、花田監督は「箱根に関してはあまり明確な目標を考えておりません」という。ただ、「前回を上回れる」と確かな手応えはある。
前回は6区を終えた時点で3位につけた。ただ、これは他大学の失敗もあってのこと。「今回はそんなに甘くはない」と花田監督は冷静だ。
石塚、伊藤、山口の3本柱、さらには秋以降絶好の間瀬田ら主力を往路から並べ、流れに乗るのがセオリーだろう。6区には過去2回好走している北村光(4年)が調子を上げている。後半は、経験豊富な4年生や一般受験組が堅実な駅伝を見せるという展開になりそうだ。
「1=1」の駅伝がきっちりとできた時、花田監督が言うように、前回以上の結果が見えてくるだろう。
文/和田悟志 RECOMMENDED おすすめの記事
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